ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その14)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 8/30)

西条が、アリスと魔鈴によって、再起不能寸前まで追い込まれていた頃・・・・。


「はいっ!」
小さな店から出てきたリナに、いきなり1枚のバンダナを渡される横島。
「はいって・・・・、これ、何っスか?」
「アンタの護衛のバイト代で買ったものよ。ありがたく受け取りなさいよ。」
「俺のバイト代・・・・。俺のバイト代が、このバンダナ1枚・・・・。」
シクシクと泣く横島。
「何泣いているの!とっとと着けてみなさい!」
「え?は、はぁ〜・・・・・。」
横島は、今巻いていたバンダナを外し、リナから渡されたバンダナを巻く。
「へぇ〜。結構似合うじゃない。」
「そうっスか?いつもバンダナつけてるから分からないスけど。」
横島は、さっきまで巻いていたバンダナを見る。
「これ、使って2ヶ月しか使ってないし・・・・、そうだ。」
横島はリナに、さっきまで巻いていたバンダナを渡す。
「? 何よ、これ。」
「ちょっとリナ王女、それ、巻いてください。」
「はぁ?」
「いや、それ買って、2ヶ月しか経っていませんから。」
「で、これを私が自分に巻けって?」
「えぇ。」
「・・・・・本当なら、アンタをブン殴っているところだけど・・・、分かったわよ。」
リナは、ブツブツ言いながら、横島から渡されたバンダナを巻く。
「巻いたわよ。」
バンダナを巻いたリナを見る横島。
「へぇ〜、結構似合ってるじゃないっスか。」
「そ、そうかな?」
その場で、くるりと回ってみせるリナ。
その拍子に、リナは足を滑らせた。
「きゃっ!?」
「危ない!」
横島は、リナの腕を掴み、こちらに抱き寄せた。
「ふぅ・・・・。大丈夫っスか?」
「・・・・・・。」
「ん?どうしたんスか?」
「離れなさいよ。」
「へ?」
「早く離れろって言ってるの!!」
ドンッと、横島を突き飛ばす。
「ぬぁっ!?」
ゴォーーーン!
歩道に頭をぶつける横島。
一方のリナは、顔を真っ赤にしている。
「なななななな、なんて恥ずかしいことするのよ!!このバカ横島!!」
しかし、返事がない。
「・・・・横島?」
リナが横島に近づいて、顔を見ると、横島の目は白目になっていた。
「これってもしかして・・・・、気絶?」
リナは、横島の肩を掴み、必死に起こそうとする。
「横島!横島ぁ!!」





横島の耳に、ハミングの音が聞こえた。
小さく、低く、そして、優しい・・・・。
「ん・・・・・。」
瞼をゆっくりと開く横島。
「やっと起きたみたいね。」
横島が横を見ると、リナがいた。
辺りを見回すと、噴水やらベンチなどがある。
どうやら公園らしい。
そして自分たちは、その公園の芝生の上にいた。
「ったく、大変だったんだから。ここまで運んでくるのに。」
「え?ってことは、俺をここまで抱えてきたってことっスか?」
「しーーー!大きい声出すな!」
「あ、すんません。」
「ったく、心配したこちらの身にもなってみなさいよ。」
「え?心配した?」
カーッ
「な、何でもないわよ!////」
頬を赤くするリナ。
「ま、いいか。」
芝生の上で、ゴロンと横になる横島。
そして、リナの方に首を向ける。
「なぁ。」
「な、何よ?」
「もう一度、さっきのやつ、聞かせてくれないか?」
「え?」
「頼むよ。」
「わ、分かったわよ。」
リナは、一呼吸した後、先ほど、自分がしたハミングを再び始める。
(まるで子守唄みたいだ・・・・。)
横島は内心驚いていた。
あの、ワガママ王女で、2人目の美神令子(と、横島が感じた)リナが、こんなにも綺麗で優しいハミングが出来るとは思えなかったのである。
いつしか横島の口元に、笑みがこぼれた。
「ん?何笑ってるの?」
その横島の笑みに気づいたリナが、横島に聞いた。
横島は、リナを指で招き寄せる。
「何よ?」
顔を近づけてきたリナの耳元で、横島は囁いた。
「・・・・下手くそ。」
「・・・・悪かったわね!!」
ドゲシッ!!
「ぶっ!!」
リナは、横島の顔面に鉄拳を振り下ろした。
「す、すんまへ〜ん。」
血まみれの顔で、泣いて謝る横島。
「ふんっ!」
そっぽを向くリナ。
しかし、顔は赤く染まっていた。





「ふふふっ。楽しそうね。」
「「!?」」
横島とリナが、声をした方を見る。
そこには、美神のようなボディコン衣装で身を包んだ1人の美女が立っていた。
「ねーちゃん!!」
いつものくせで、美女に飛び掛る横島。
「だぁーーー!!」
ズッコけるリナ。
「フフフフ・・・。美味しそうね、坊や。」
美女は、横島に向かって投げキッスをする。
すると、美女の指先から、小さいハートが飛び出す。
ゾクッ!
横島の体に襲い掛かる悪寒。
瞬時に横島は、体を仰け反り、ハートを避ける。
そのハートは、横島の後ろにあった樹木に命中し、その樹木は、一瞬の内に枯れた。
「!?」
「ふふっ。おしかったわぁ。」
瞬時に戦闘体勢に入り、右手から霊波刀を出す横島。
「アンタ、何者だ?」
横島は、美女に聞いた。

「私の名はマチュア。突然で悪いけど、リナ王女、頂かせてもらうわよv」


続く

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