ザ・グレート・展開予測ショー

ジャッジメント・アフター1 (前)


投稿者名:たつる
投稿日時:(03/ 8/30)

このお話は、私が書いた「ジャッジメント・デイ」の続きです。
ごみぇん。















「な、何でやーっ!?」


 アシュタロスをへち倒して数日。
 ここは美神事務所。

 横島は、頭を抱えていた。



「まぁ、しょーがないんじゃない?」


 苦笑しながら言うのは、美神令子。
 ちなみに、今この場にいるのは美神、横島、おキヌ、小竜姫、ルシオラ、パピリオの六人である。


「やっと……やっとルシオラとのらぶらぶ同棲生活が始まると思っとったのにーっ!!」
「お、落ち着いて、ヨコシマ」
「なじぇええーーっ!?」


 ルシオラがなだめようとするも、落ち着く様子のない横島。
 彼は、目の幅の涙を流しながら叫び続けるのであった。



  ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※



「―つまり、話を要約すると―ルシオラとパピリオは妙神山で暮らすってことね?」


 小竜姫に確認をとる美神、右手には神通棍。
 それが何に使われたかは推して知るべし。
 ただ床に、先程まで喚いていた男が倒れ伏している、ということは表記しておく。


「え、えぇ、まぁそういうことになりますね」


 少し引き気味に答える小竜姫。
 横島の境遇を考えれば、ここまですることもないでしょうに、と思わなくもない。
 確かに、多少うるさくはあったけれども……


「うぅぅ……またか……またおあずけをくらうのかー……」 


 床に伏せたまま、るるるーと涙を流す横島。


「な、泣かないでよ。今度こそ……時間はちゃんとあるんだから……」
「ルシオラ……」
「ヨコシマ……」
「…………」
「…………」
「…………って納得できるかーっ!!」
「きゃっ!?」


 がばっ、と起き上がり抗議の声をあげる横島。
 
 妙神山再建の手伝いのため、というのは解る。
 理性では……
 
 だがしかしっ!
 なぜ……なぜ女というのは、このせっぱつまった気持ちを理解せずに
 無駄無駄な時間を要求するのだろう!?
 いやマジでっ!!


「男心というものが全く解っていないっ!」


 握りこぶしを振り上げ横島はそう叫ぶが、
 女心の解らない彼にだけは言われたくないであろう。
 彼の台詞を聞いて、おキヌなんかはちょっぴりふくれていたりする。
 

「ま、まぁまぁ横島さん。ここの事務所と妙神山は『門』でつないでおきますから……」
「え? 小竜姫様、それって……」
「はい、その『門』を通るとすぐに妙神山です。今回の横島さんの功績が認められてのことですよ」
「あ、ありがとうございます。えーっと……つまり……どこ○もドアみたいなもんスか?」
「……ど○でもドア?」
「あ、いや知らないならいいんです。でも……」
「でも、なんですか?」
「なんっっで俺の部屋じゃなくて事務所なんですかーーっ!?」


 小竜姫の肩をがしっ、と掴んで迫る横島。
 かなり必死である。


「そりゃー当たり前よ」
「美神さんっ!?」
「横島クンの部屋につないだら……あんた仕事に来ないでしょーが」
「そんなことは……」


 ないとは言い切れない自分が悲しい。


「ま、妥協しなさい。ここに『門』をつけてくれるのも特例なんだからさ」
「はぁ……まぁ仕方ないっスね……」


 がっくりと肩を落とす横島。
 まぁいい、いつでも逢えるだけ良しとしよう……


「大丈夫でちゅよっ! ちょくちょく遊びに来まちゅから寂しくないでちゅっ!!」
「パピリオ……」



「―っていうかさっきからルシオラちゃんルシオラちゃんって……
 そもそもヨコシマに最初に目を付けたのは私なんでちゅよっ!?」
「いいっ!?」
「わ か っ て る ん で ちゅ か っ !?」


 横島の胸ぐらを掴んでがっくんがっくんと揺さぶるパピリオ。


「わ、わかっ―わかったから―パピ―ぐぇ―っ」
「いーや、絶対解ってないでちゅっ! やっぱりここはもう一回ご主人様とポチの関係に―」
「こ、こらパピリオ! やめなさいっ!」


 慌ててルシオラが止めに入る。


「ぜーっ……ぜーっ……や、やるじゃねーかパピリオ……」
「ふん……成長したら目にものみせてやるでちゅよ」

 
 パピリオの顔が赤いのは怒りのためか?
 彼女のこの台詞を聞いて、表情を見て、ルシオラは何だかいやぁーな予感がした。
 女の勘とでもいうのだろうか。


「ま、まさか……ね……あはは……は……」


 冷や汗を一筋垂らして、ルシオラは呟くのだった。



  ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※



「さて、ではそろそろ行きましょうか」
「はい」
「え〜、もうでちゅか〜?」
「我侭言わないの、いつでも会えるんだから」


 ぐずるパピリオを諭すルシオラ。
 でも自分だってヨコシマと離れるのはツライ。
 いつでも会えるといっても……いつもではないのだから。


「いつでも……そうだよな……いつでも会えるんだよな」
「ヨコシマ……」
「……」
「……」
「……なぁルシオラ」
「……なに?」







「それはそれとして、やっぱり別れる前に思い出をーっ!!」

「「「「「あほかぁーっ!!」」」」」」


 かくてルシオラに飛びかかった横島は、
 その場にいる女性陣全員からの総攻撃で再び床に沈むのであった。

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