ザ・グレート・展開予測ショー

ちだまり。


投稿者名:逢川 桐至
投稿日時:(03/ 8/30)




ちゃんっちゃちゃら〜♪(BGM)
注>今更、オマージュの更に二番煎じです。 hazukiさん、そしてトンプソンさんごめんなさい。
 と言う事で、まずはhazukiさんの『ひだまり。』とトンプソンさんの『木漏れ日』とをご覧下さい(__)



 諦めないといけない事がある。
 それは、誰が悪い訳ではない。
 だって、人の心だけはどうしようもないのだから。







 まだ日も高い午後。
 おキヌは、ぼんやりと公園のブランコに座っていた。
 きぃっと少しばかり軋んだ音を発てて、ブランコが揺れる。

「あーあ…」

 彼女には似合わない、なにやら胸の中に溜まったものを吐き出す様な、声。
 そこに淀んだものは見えないが、少しばかり疲れが見える。

 空は青く澄んでおり、日差しも暖かく、吹き抜ける風も適度に心地よい。
 こんな日は、外にいるだけで気持ちも明るくなるだろうに、おキヌのその表情は冴えない。

 目の前の道路を進む車をなんとはなしに見ていると、一際高級車と思われるオープンカーが公園の前で止まる。
 それは、こんな公園には縁の有る様な車ではない、ちょっとその辺では見られないような車である。

「あれ?」

 が、おキヌには見覚えの有りすぎる車だった。 だから、車から出てくる女性の名を呼んだ。

「美神さん?! どうしたんですか?」

 車から出てきたのは二十かそこらの美貌の女性。
 今時?と思われなくもないが、メリハリの付いた身体に良く似合う出で立ち。
 艶やかで手入れの行き届いた燃える様な長い髪は、腰の更に下まで伸びている。
 ここまで長いと人を選ぶ物だが、彼女の場合、醸し出す雰囲気と合わせて良く似合っていた。

 そしてその顔立ちはと言えば、キツめの、しかし

 車から出てきたのは、二十かそこらの女性。
 女性としては低くはない身長。 痩せぎすでなく太り肉でない鍛えられたその身体は、メリハリの付いたプロポーションを見せ付けている。
 艶やかで燃える様な手入れの行き届いた髪は、腰の優に越えていた。 ここまで長いと人を選ぶ物だが、彼女の場合、見事にその容姿とマッチングしていると言っていい。
 そしてその容貌は言えば、キツめで威嚇する様な所が有るものの、充分以上の美貌を備えている。
 今時?と思わないでもないが、自身の見た目を意識した際どい衣装は、しかし高級なモノであると見た目にも思わせる。

「おキヌちゃんが買い物に出てる頃じゃないかなって、そう思ってたら目に入ったから」

 と、彼女……美神令子。

 戻るついでにと言う事である。
 少し照れてそっぽを向くその姿は、普段の彼女とは趣を異にして……ひどく可愛らしい。

「ありがとうございます」

 くすくすと笑うおキヌ。

「でも最近事務所に居ない事、多いですよね?」

 滅多になかったのに?、と首を傾げるおキヌ。

 そりゃそうだろう。
 何せ美神は、あの事務所の所長なのだ。 人手が無いならともかく、少なからぬ人数を抱えている。
 なのに何故?

 そうおキヌが言外で問うと、美神は口元に少しばかり苦い笑みを刻み、

「そろそろ自分に引導を渡さないと、ね」

 と言った。

「…あ、すいませんっ」

 はっと息を呑むおキヌ。
 自身の迂闊さに舌打ちしたい気分になる。
 自分だって同じ事を考えていた癖に。

「いいわよ。 寧ろ気にせずそうしててくれた方が」

 美神は、苦い笑みを貼り付けたままそう言う。



 つい一週間前、なんだかんだで横島とタマモが付き合い始めた。
 同僚以上の意識を、持っていなかった筈の二人だったのに。
 彼女達の目が離れていた『その時』に、何時の間にかそうなっていたのである。

 まぁ付き合うと言っても、今までの関係とどう違うのか?、と聞かれたら困るくらいに対応は違わないのだが。
 それでも、『それ』を感じる瞬間はあって。

 互いがそれぞれを思っていると傍目にも判るし、二人がシアワセになってくれればいいなあとも思うけど。



 それでも、すこぉしだけ…
 ほんの少しだけ、苦しいのだ。

 まるでもう塞がった傷口の下にトゲを置忘れたみたいに。
 そしてそんな自分がイヤなのだ。

 心から祝えない、自分が。



 多分、きっと美神も同じなのだろう。 彼らの交際を知って、初めて自分の気持に向き合えた様だから…



「…まったく」

「え?」

 突然の言葉にそちらを見ると、美神はくすっと
 まるで悪戯を思い付いた様に笑っていた。

「こんな美人達を放っておいて、あんな子供を選ぶなんてね」

 言葉は悪いが口調は驚くほど柔らかい。

「そう、ですね…」



 お互いに思い人には、はっきりとした意思表示をしていない。
 おキヌは、思いを告げるには横島は親しくなりすぎていたし、美神は、思いをつげるには素直でなさすぎていた。

 だけど、思いを告げていないからと言って、その思いが軽かったと言う訳ではない。



「本当に… そうですね」



 ゆったりと笑うおキヌ。



「元気出た?」

 ふわっと頭を撫でる美神。
 子供にする様な仕草だが、それがひどく心地よい。

「…はい」



「さ〜ってと。 そろそろ事務所に戻って、横島くんでもシバきましょうか」

「ほどほどに、して下さいね」

「何言ってるのよ、私はいつだって手加減してるわよ?」

「そうなんですか?」

「そうよ、私がそうだって決めたんだから」







 だけど、諦めたからって
 そこで何が終わるわけでも
 ないんだよ。







 美神以外には全力に見える八つ当たりを受けて、横島は真っ赤に染まった床へと沈んだ。

「…な…納得……いか…ん………がくっ」

 予定調和だ、諦めろ。



おわり



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……ぽすとすくりぷつ……

 うぅむ… 普段遣り取りの無い方の作品で、こう言う事するのは失礼な気も…(^^;
 改めてhazukiさん、トンプソンさん、ごめんなさい。

 いや某所のに詰ってまして、気分転換に落として置いたGTYを読んでたら、『ひだまり。』と『木漏れ日』を続けて読んでる内にピピっと電波が(苦笑) …なので、今更ですが(^^;

 遊びとしてはコピペが基本なのだと思うのだけど、書き方の都合上、現物見ながら手打ちしてます。 だもんで、改行とか文頭一字開けとか色々弄っちゃってます。 美神に変える都合で、描写の書き換えも激しいですし。
 重ね重ねごめんなさい、hazukiさん(__)

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