ザ・グレート・展開予測ショー

ジャッジメント・デイ 1


投稿者名:たつる
投稿日時:(03/ 8/26)

コミックス34巻「ジャッジメント・デイ!!(その11)」より。
こんな展開になったら……


「魂が再生されながら外へ出てく……!! 逆操作成功よ!! 身体に戻れる!!」
「やった!!」

 エネルギー結晶に触れていた美神の魂が見えなくなっていく。
 恐らく外にある身体に収束しているのだろう。

「複雑なイメージは無理だけど、単純で強い思いなら―」

 早口で美神は喋り続ける。

「ここからでも現実化できる! ルシオラを復活して―可能ならこの装置も破壊―」

 そこで言葉は途絶えた。
 
「りょ、了解っ!!」

 そう叫ぶが早いか、横島はエネルギー結晶に手を伸ばす。

「よーし、ルシオラ! 今俺が―」

 だが、

― ヴンッ ― ゆ゙んっ ―

 横島の両脇に窓のようなものが開く。
 そしてそこから出てきたのは、

「え!?」

 プログラムワーム!?
 もうちょっとのところで……っ!!

「ぐあっ!!」

 横島は出てきたワームに両の腕を拘束される。

 ち、ちくしょうっ
 離せっ! 離せよっ!!

 懸命に振りほどこうとするが、ワームが離れる気配は無い。
 横島の表情に焦りの色が広がる。
 そこへさらに……

―調子に乗るな―

 今この場面で

―今のを見逃してやったのは―

 恐らく一番聞きたくないであろう声が

―私にはもはや あの女の生死など どうでもいいからだ―

 響き渡った。


 ゆっくりと姿を現すアシュタロス。
 自らが出現すると共に生まれた光に照らされたその魔族は……
 憤怒の形相で横島を睨みつけていた。

「あいつは外へ出た!
 残ったお前は私が放り出す!
 泳がせるのはここまでだ!!」

 最悪だ。
 今まで何度も危機には遭遇してきたつもりだが……
 ―なんていうか、史上最悪?
 このままアシュタロスに負けちまったら……

「アシュ……っ」

 不意に、横島は思った。
 もし、いまここで、こいつに負けたら……
 二度とルシオラに逢えないんじゃないか、と。
 弱気な考えは日常茶飯事な男だが、この瞬間に、この男はある種確信めいた恐怖を覚えた。

「くっ!」

 ワームにつかまれた腕はそのままに文殊を生成する。
 ―込める文字は!?

「遅いっ!!」

 タマゴの中から横島を弾き出そうと、アシュタロスが力を込めたその時。

「―ぃえっぐしゅっ!?」

 やたら場違いな、マヌケな声を発したのは……アシュタロス。




(効いたっ!?)

 心の中で叫ぶ横島、気づけばワームの力も緩んでいる。
 アシュタロスの集中が途切れたのが原因だろう。

「貴様っ―ぐしゅっ! 何を―っくしゅん!?」

 アシュタロスの足元に転がる、輝きを放つ文殊に刻まれた一文字
 『嚏』(くしゃみ)
 横島は手首のスナップだけでアシュタロスに投げつけたようだ。

 魔族もくしゃみするんかっ!?
 と、普段ならツッコミを入れたくてたまらないはずの横島だが、
さすがに今はそんなことをしている場合ではない。
 即座に『栄光の手』を展開し、ワームを振りほどいてエネルギー結晶を掴む。

―ルシオラ……

「―っくちゅん! き、貴様ぁぁぁぁぁぁっ!!」

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