ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その13)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 8/23)

美神が、マチュアと遭遇していた頃、西条とアリスは、公園を散歩していた。
「いい天気ですね。」
「えぇ。こんなに長く、街の中を歩いたのは久しぶりです。」
木の上に止まっている鳥が鳴いているのを見て、アリスは呟いた。
「私は、鳥が戯れる様子を見るのが好きなんです。可愛らしくて。」
アリスは、西条の方を見る。
「私って、変ですか?」
「いえ、アリス王女らしいですよ。」
ニコリと微笑む西条。
それを見て、アリスも微笑んだ。





「あれ?西条先輩?」
後ろの方から、どこかで聞いたことのある声がした。
「・・・・・まさか。」
西条は後ろを振り向く。
そこには、三つ編みの魔女が居た。
「ま、魔鈴くん・・・・。」
「奇遇ですね、こんな所で出会うなんて。」
魔鈴めぐみは、ニコリと笑って言った。
「誰なんですか?可愛い子ですね。」
魔鈴の姿を見て、アリスは言う。
「あれ?西条さん、また新しい彼女を作ったんですか?」
「ま、魔鈴くん!」
「新しい彼女?」
「えぇ、イギリスでも、たくさんの女性とデートしていたんですよ。」
「こ、こら!誤解を招くような発言は!!」
「まぁ・・・・・。」
アリスは、西条の方を見る。
「じゃあ私は、何番目の彼女かしら?」
ドテッ!
その場でずっこける西条。
「そうですね・・・・。55番目だと思います。」
ゴンッ!
何とか立ち上がった西条だったが、魔鈴の言葉を聞き、思い切り、頭を樹木にぶつけてしまう。
「まぁ、そんなに彼女がいるんですか?」
「えぇ、いつも連れてる女性が違ってたんですよv」
すでに西条は、ひき潰された蛙のように、地面に倒れていた。
「ところで、貴女のお名前は?」
「申し遅れました。私、アリス・レア・メタリアと申します。」
「アリスさんですか。私、魔鈴めぐみといいます。」
その後、いろいろな会話をするアリスと魔鈴。
その間、西条はずっと倒れたままだった。





「まぁ、そうなのですか。」
「えぇ、そうなんですよ。」
路地を歩きながら、楽しく会話するアリスと魔鈴。
その後ろを、疲れ果てた西条がついて来る。
「どうしたのでしょうか?西条さん、元気なさそうですが。」
「さぁ?」
(君たちのせいだよ・・・・。)
心の中で、西条は呟いた。
その時、余所見していたアリスは、大柄の男にぶつかる。
「キャッ!?」
その場で尻餅をついたアリス。
「アリスさん、大丈夫ですか?」
魔鈴は傍に駆け寄り、アリスを起き上がらせる。
「おい、ねーちゃん!人にぶつかっといて、謝りの言葉もないのか?」
「あ、すいません。」
ペコリと頭を下げるアリス。
「そんなんですむと思っているのか?」
「やっぱり、そうですよね。」
そう言って、アリスはニコリと笑う。
「・・・ねーちゃん、俺を馬鹿にしているのか?」
「とんでもありません。他人を侮辱することは嫌いですから。」
「どう考えても、俺を馬鹿にしているようにしか思えねぇがな。」
「まさか。」
微笑んだまま、アリスは言う。
「ねーちゃん、俺を怒らせたみたいだな。」
パキッ、ポキッ
「やめて下さい。暴力は嫌いですから。」
「そうさせたのはアンタだろうが!」
「・・・・・ハァ〜。」
アリスは、深く溜め息をついた。
「ケガしますよ。」
「何言ってやがる!ケガするのは、お前」
ヒュッ!
「へ?」
バキィッ!!
「ぶっ!?」
男の顔面に、アリスの拳がめり込んだ。
アリスは、その場で回転し、男の側頭部に回し蹴りを喰らわす。
「うげっ!!」
吹っ飛ばされ、男は地面に倒れた。
「「・・・・・・・・。」」
呆然とする西条と魔鈴。
「ふぅ・・・。魔鈴さん?」
「は、はい?」
「この人の手当て、お願いできますか?」
「は、はい・・・・。」
魔鈴はただ、アリスの言うことを聞いて、男を治療するしかなかった。






「美しくない・・・・。」
ギルファは溜め息をつく。
「くそ・・・・。なんで、この魔族一美しいこの私が、あんな醜い者を相手しなくてはいけないのだ!」
不機嫌な表情をするギルファ。
「しかし、アリス王女。貴女だけは美しい・・・・。」
ギルファは、胸につけた薔薇を手に取る。
「美しい者には、美しい薔薇がよく似合う・・・。」
ギルファは、口元を歪ませ、笑みを浮かべる。
「フフフフフ。フハハハハハハハハ!!!!」


続く

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa