ザ・グレート・展開予測ショー

とら2nd! 1) 新章!新入所員3人娘!


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 8/21)


簡単なあらすじ ☆ タイガー寅吉(19)が除霊事務所を構えました♪




■4月1日 タイガー除霊事務所■

エミの事務所や魔鈴の店などがある町より、電車で1時間ほど離れた町の片隅、
築20年、5階建てビルの2階の1室にそれはあった―――

【タイガー寅吉除霊事務所】と書かれた南面の窓をバックに、タイガーが所長のイスに座っていた。
隣りに高校生アルバイトの少女、目の前には3人の新入所員がならんで立っており、
3人共丈の短いスカートをはき、どこで用意したのか同じオフィス服を着ていた。


「 六道女学院卒業! 一文字魔理です! 」


一文字魔理、18歳。 3年前のクリスマス合コンをきっかけにタイガーと知り合う。
その後タイガーの最も親しい女友達として、現在に至る―――


「 同じく六道女学院霊能科卒業、神野水樹です! 」


神野水樹、18歳。 心理攻撃を得意とした、もと1年G組の長い黒髪の少女。
高2から1年近く、タイガーと共に実家の神野神社で修行を行った。 時折の逆境には弱い。


「 右に同じく、御剣洋子です! 」


御剣洋子、19歳。 前髪が長く、普段は目を隠しているもと1年D組の少女。 
当時のクラス対抗戦では、あの美神に唯一強いと言わせ、驚かせた少女である。
人付き合いがよく、普段は極めて明るい彼女だが、戦闘時やたまに見せる怒りはちょっと怖い。

するとタイガーの隣にいた長い髪の金髪少女が、魔理の服装を見て―――


「 魔理の事務服・・・くくっ、似合わねー!(笑) 」
「 よけーなお世話だ、あかね! 」


その少女は白石茜、高校3年生の17歳。
タイガーの暴走を封じるための笛、獣の笛(エミが吹いていた笛のこと)を吹くことができることをきっかけに、
タイガーの最初の助手となる。
一文字魔理とは中学時代に幾度となくケンカをし、おキヌには以前、幽霊の時に体を貸した経歴がある。


一通り挨拶が終わると、タイガーは立ちあがって3人に頭を下げた。

「 まーとにかく、何かいまさらって気もするんじゃが、こちらこそよろしく頼みます。
  特に魔理サンと洋子サンは、ワシより1年早くGS免許をとっとるし、3人共除霊の名門、六道女学院出身。
  むしろワシのほうこそ、教えてもらうことが多いはずジャ。
  まだ事務所を設立して半年もたっとらん、依頼もたまにしか入ってこんような幸先の見えん所じゃが、
  給料のほうもなるべく頑張らしてもらうケエ、皆さん長い目でつきあってやってツカーサイ!!
  年も一つしか違わんし、呼び方も、所長でなくても今までどおりでええから。 」

「 そうかー。 そんじゃそうさせてもらうぜ、タイガー! 」

と、魔理が軽く了解する。

「 それじゃあさっそく除霊の仕事が入っとるケン、皆サン霊衣に着がえてツカーサイ! 」
「 着がえるったって、どこで着替えるんだ? 」
「 はっ!! 」

タイガーの除霊事務所は10畳程の広さしかなく、パテーションで区切られた2畳ほどの台所、
そしてトイレがあるだけで、別室というものがなかった。

「 だいたいここ、所員の机も置いてないようなとこやしな。 」
「 あ、机ならとりあえず2つ注文してるぜ。 この狭い所に3つは無理だしな。 」

辺りを見回す洋子に茜が答えた。

「 あのー、台所で着がえましょうか? 」
「 そこしかねえだろ。 」

水樹の提案に魔理が同意する。
するとタイガーは顔を赤くし、部屋の入口のほうへと向かった。

「 ワ、ワシ先に隣りの駐車場で待っとるケン、準備できたら降りてきてツカーサイ! 」

がちゃんっ・・・タイガーは事務所を出た。

「 なんか悪いわね。 」
「 ひょっとしてこれから私達が着がえるたびに、あいつ外に出るつもりじゃないのか? 」
「 寅吉ならありえるな・・・。 」




◆   ◆   ◆




タイガーが駐車場で待つこと10分、魔理たちが降りてきた。

榊の枝を持ち、巫女服を着た水樹。

木刀を持ち、特攻服にサラシを巻いた魔理。

獣の笛を持ち、Gパンにトレーナーの茜。

神通棍を持ち、オフィス服のままの洋子。


「 ・・・みんな個性的な格好ジャノー。
  魔理サンやあかねサンはまだいいとして、洋子サンはそのまんまじゃ・・・(汗) 」
「 着がえ持ってきとらんし、うちは無信教やしええやろ。 」
「 着がえるのが面倒なだけじゃねーのか? おめえ対抗試合のときも1人だけ制服のまま戦ってたろ。 」

魔理がつっこむ。

「 あー 明日からは服装は好きにしていいケエ、除霊の時はなるべく動きやすい格好にしてツカーサイ。 」
「 オッケー! 」

洋子は軽く了解した。

「 ・・・まあええか。 そいじゃあ行こか! 」




◆   ◆   ◆




■除霊現場 県道のトンネル■

タイガーが運転する車で移動すること2時間、タイガーは現在通行止めになっているトンネルの前に車をとめ、
車から魔理たちが降りてくると、タイガーは今回の仕事の内容を再度説明した。

「 車の中で説明したからわかっとると思うが、今回の除霊はトンネル内にたむろしている複数の霊ジャ。
  はじめは1体だけだったようじゃが、その霊が周りの霊を呼んで今は数は5・6体になっとるらしい。
  ここを通った車は必ず事故に遭わされてノー、そのせいでこのトンネルは通れんようになったんジャ。
  霊力は高いが特殊な攻撃はなし、普通の除霊措置で成仏可能ジャ。 除霊の難易度はB。 」

「 えっ? Bランク以上の除霊はダメなんじゃ――― 」
「 エミさんとのその期限は3月までジャ。
  今日の所はとりあえず3人でやってツカーサイ。
  まあ大丈夫だと思うが、もし危なくなったらワシとあかねサンも加勢するケエノ。 」


タイガー除霊事務所にとって、Bランク以上の除霊を行ったことは1度しかない。
その際の除霊は失敗に終わり、タイガーは大怪我を負うことになってしまった。
つまり除霊仕事を始めてまだ日が浅い茜にとって、Bランク以上の除霊を成功させた例はないのである。


「 おもしれえ、そいじゃ一丁やってみるか!! 」
「 それじゃあうちと魔理が前衛で攻撃するから、水樹ちゃんは後方支援でええか? 」
「 わかりました! 」


魔理たちはトンネルの中へと入った。
トンネル内は封鎖されており、中にはドクロの姿をした5・6体の霊が蠢(うごめ)いている。
そしてひときわ大きい、ボスらしき霊が魔理たちに気づいた。


ヒュオオオッ
≪≪ ヌ・・・・そのチカラ、キサマラGSカッ!! 者ドモ、カカレ―――!! ≫≫

≪≪≪ ギイ―――ッ!! ≫≫≫

「 んじゃやるか洋子、最初からとばしていくぜ! 」 「 ホイ。 」

トンネルの外から、タイガーと茜は見守っていた。

『 ・・・そういや魔理が除霊するとこ見るの、中学の時以来だよな。
  どんだけ強くなったのか知らねえが、GSの力って奴を見せてもらうぜ。 』


ばっ!
「「「  霊体心理攻撃!!!  」」」


水樹は榊の枝を降り、心理攻撃で悪霊に魔理と洋子の幻影を複数魅せた! 霊たちは混乱している!


≪≪≪ !!?? ≫≫≫

「「「 うおりゃあっ!!! 」」」 「「「 ハアア―――ッ!!! 」」」


ズバッ スパッ ザンッ

魔理と洋子は、木刀と神通棍で次々と霊に斬りかかる!
そして2人が次々と斬りつけると、霊は徐々に動きを鈍らせていった。
そしてトンネル内にいた悪霊5体の霊が動かなくなってきた頃―――


「 水樹!! 」


魔理が合図すると、水樹がもつ榊の枝が光だす!


「「「 神霊よ、邪を祓え!! 御霊代(みたましろ)!! 」」」


パア――――−−‐ッ


≪≪≪   グガ―――――−−‐ッ!!!   ≫≫≫


御霊代―――かつてタイガーと共に修行していた頃に習得した技であり、
榊に神霊を宿し、精神攻撃を主体とする神野家が、対悪霊との戦いに開発した技である。
悪霊はボスを除き、5体とも全て祓われ成仏していった。


「 うそだろ、破魔札も結界札も吸印札も、お札を1枚も使わずに5体も祓いやがった! 」
「 なるほどー、弱らせた弱体の霊を水樹サンの神霊の力を使えば、
  吸印札使って専門の人に祓ってもらう手間も省けるかー。 経費の節約にもなるノー。 」

茜は驚き、タイガーは感心した。

≪≪ ソンナバカナ・・・! ≫≫

「 くっ・・・ザコ霊は祓えても、さすがにボス霊は祓えないみたいね! 」
「 充分だぜ水樹! さあ残るはてめえだけだ! 」

≪≪ オノレ〜〜〜!! ≫≫


とまどうボス霊は、半ばヤケクソ気味に魔理たちに襲い掛かってきた!
水樹は榊に霊力を込めてナギナタ状の霊気剣を作りだし、洋子は神通棍に霊気を込める!
そして魔理は木刀を置き、右手の黒いグローブをはめなおしてコブシに霊力を込めた! そして―――


「 成仏―――  「 冥府へ―――  「 あの世へ―――


キラン☆キラン☆キランッ☆


      して―――――  落ちい―――――  行きやがれ――――― !!!!!  」」」」」



ズガアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!



≪≪  グギャアアアアアアッ!!!  ≫≫



水樹は榊のナギナタを、洋子は神通棍を、魔理は霊気拳をボス霊に同時に叩きこんだ!
そして魔理はお札を取りだし―――

「 吸印!! 」 シュポンッ

―――ボス霊はお札に吸引された。

「 よっしゃ、初仕事終わりっ!! 」

魔理のもとに水樹と洋子が集まり、ハイタッチをして微笑み合う所に、タイガーと茜が歩いてきた。

「 皆サンお疲れさん! 」
「 へへっ、どうだ、私たちの戦いは? 」
「 ああ、びっくりジャ! 想像以上にみんな強くなっとるノー! 」
「 まあ今回は、ただ霊力が強いだけの悪霊やったからな。
  特別妙なワザもっとらんだけに、倒すのも苦労せんかったわ。 」

『 あたいにでもわかる。 3人ともマジで強えー、これがゴーストスイーパー・・・・・・ 』

3人の実力に驚愕する茜であった。



こうして所員数が一気に増え、戦力も増したタイガー除霊事務所は、次々と除霊の仕事をこなしていくこととなる。
そうして数週間がたったある日、エミの事務所に1人で訪れる茜の姿があった。





―――続く

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