ひのめ奮闘記外伝U(その4(A))
投稿者名:ユタ
投稿日時:(03/ 8/21)
ドウシテ・・・・・
ドウシテ・・・・コンナニ・・・・
「不安になるんだろう・・・・」
横島が出かけて15分。
まだたった15分しか経っていない・・・・今日は時間の流れが遅い・・・。
そんなことを考えながら蛍は出しっぱなしのアルバムや写真を整頓すると、
もとにあった棚や引き出しに片付けた。
「よいしょ」
一通り居間が片付くと蛍はふぅと一息つきながらソファーに腰掛ける。
目の前にあるTVリモコンのスイッチを入れると32インチの液晶プラズマテレビに画像が浮かぶ。
午後4時前、このくらいの時間には大抵ニュースか、ドラマの再放送しかやっていない、
蛍もピッピッとチャンネルを変えてみるがどれも興味のない番組ばかりだった。
「・・・・・・・・・・」
今度はそばに置いてあるティーン雑誌を拾いパラパラとめくる。
同じくらいの年代の娘達が最新流行のファッションで着飾っている、普段は『この服いいかも〜』とか思うだが・・・
今日はなぜかそんな気分にはなることが出来なかった。
(・・・・・どうしたんだろう私・・・・)
ゴロンと3人用ソファーの上で横になる蛍。
聴覚が誰もいない家の静寂を感じさせ、視覚が白い天井を捉える。
静かに目を閉じ居眠りでもしようかと思うのだが・・・・・。
落ち着かない・・・・・
心がざわつく・・・・
僅かに心からにじみ出る焦燥と不安・・・・
それが蛍に安眠を与えること邪魔する・・・。
「・・・・何でこんなに落ち着かないんだろう・・・」
薄っすらと目を開けながら自問する。
いや、答えは分かっているのだ・・・・
(・・・・・・・・・ルシオラ)
聞いたことのない言葉・・・・・・・でも・・・・・
「・・・・誰かの・・・・・・・名前」
何となくそう思った・・・・・、いや、なぜかそう確信してしまう。
もしかしたら何かの商品名かもしれない、とある外国語かもしれない、いや、呪的用語や古代語かもしれない・・・・だけど・・・
勘・・・・・、蛍の感情が感覚がそう告げていた。
「・・・・・もしかしてパパの浮気相手!?」
一つの可能性を仮定として考えてみる。
横島の浮気・・・・・それを思い浮かべて近くにクッションをちょっと怒りながら引っ張ってみる・・・が。
「無理ね・・・・」
そういうとポイっとクッションを放り投げた。
父は母に夢中・・・・それが横島家の暗黙の常識、
というか仮に横島が浮気なんてしたら『離婚届』に判を押すだけじゃすまないだろう。
「もう!だったら誰なのよー!!」
ついにヒステリーを起こしソファーの上でムキーと手足をバタつかせる。
しかし、狭いソファーの上でそんなことをすれば・・・
ドタァ!
「あいたっ!」
落ちて床に体を叩きつけるのは常識だろう。
「はぁ・・・一体何やってんだか、私・・・」
蛍は冷たいフローリングの床に寝そべったまま呟いた。
どんなに悩んだって答えなんて出ない・・・ヒントすらないんだから・・・と思ったとき・・・
開いた居間のドアから見えたのは・・・・横島の私室だった。
その4(B)に続く
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くっ・・・削る削れない11kb (ノД`)
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