ザ・グレート・展開予測ショー

傲慢。


投稿者名:hazuki
投稿日時:(03/ 8/17)

夜の東京は眠らない─

どんな時間でも人間は起きており、闇を畏れるかのようにけばけばしいネオンが夜の街を彩る。
そして、その不自然な明るさの代償を払うかのように、淀んだ闇の集まる場所にその女性はいた。
よほど、プロポーションに自信がなければ、きる事のできないだろう服を身に付け、亜麻色の髪は、腰に届くほど長くそれを結ぶこともせずにたらしている。
世間一般的に美女と、それも『極上』のという言葉をつけるに相応しいスタイルと器量の持ち主である。
が、しかし
その女性の一番の特徴を挙げるとするならば、
瞳であろう。

およそ普通の女性には見当たらない、覇気をそなえた瞳である。
柔らかい、清楚なという言葉とはまるで無縁な、圧倒的な存在感と力強さをそなえている。
だがそれゆえに、その女性は華やかでそして、美しい。


その女性、美神令子といい、この業界屈指のGSである。


「ふんっ口ほどにもない」
とはその女性。
美神のお言葉である。
はなを鳴らし、ふんぞりかえって云う言葉はこのうえもなく憎らしく、そして美しい。

今日のお相手は、口ばっかり異常に達者な悪霊だったのである。
やたらと、大言壮語なことばっかり言うと思ったらあらびっくり
その半分の力もなかったというところ。

びしばしっとまるで苛めのよーに神通昆でしばきあげての、除霊だった。


なんだかわが身を思い出し、しみじみと横島(荷物もち)はため息をつき、云う。
「けど、どっちかというと美神さんのほうが偉そうでしたよ」

「あたりまえでしょ」
きっぱしと美神。
即答である。

「…………そうですか、あたりまえですか」
物凄い脱力感に覆われながら、横島。

「だってワタシのほーが格上だし」
ふふふんっと美神。


「いやまあ……」
まあこのひとのこんなところがこのひとたる所以なのだけれども─
少しだけその自信がはなに付かないのかといわれると…

(なんだかなあ…)
いささか複雑な面持ちで、横島は視線を移すと

ふと

右手にざっくりと入っている傷が目に入った。


「美神さんっその傷」

「ん?さっきざっくりとやられたの」
なんでもないことのように、美神。

「手当てしないとっ!!」
なに、血だらだら流してるのですかっと怒鳴りつけ横島。

「ベツにたいしたことないわよ。この程度」
この程度はベツに日常茶飯事でしょ?という。
そしてリュックから救急箱を出し、手当てをするときに目にはいるそれ。

白い柔らかな小さい手や腕にある無数の傷跡。
どれも目立つようなものではないけど、確かにあるそれ。

「出血も止まったし、大丈夫なのに」
うーんっと首を傾げ云う。



「美神さん…傷おおいですよねえ」

「ん?そりゃねこんな仕事してるんだし。」
さっくりと、当たり前のように美神。

「女のヒトなのに」
だけど…となにやら納得いかないかのように横島。

「何言ってるの?アンタだって傷だらけでしょ?」
そんな横島に美神はくすくすと、笑う。

「俺は、男だからいいですけど」

「なぁに、それじゃワタシのこの美貌がこんな傷で損なわれているとでも言いたいわけ?」
ぎろっと、横島を睨みつけ美神。

「いや!そんなことはないですけどっ」
ぶんぶんっと手を振り横島。

「ま、それなりのことをしたんだから、これくらいの代償はありでしょ」
まあワタシの魅力を全然損ねないけどねっと笑い美神。

にっこりと笑うその全開の笑顔に、横島はしばし見ほれ呟くように

「物凄い自信ですねえ…」

そう、云う。

すると美神は


「山ほど自信がなけりゃ、こんな命がけ仕事してないに決まってるでしょ?」


それこそ、傲慢なまでの笑みでそう言った。




おわり。

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