ザ・グレート・展開予測ショー

魔人Y−FINAL


投稿者名:NAVA
投稿日時:(03/ 8/16)






長い、長い、横島の独白。
既に知っているカオスはともかくとして、令子には衝撃が大きすぎた。

「正直、何を聞いて良いのか分からないわ。だけど、まずはひとつ聞かせて。これから横島君とリグレットはどうなるの?」

本来、精神のみが残るはずだった横島。本来、この場にいるはずも無かったリグレット。
横島の予定とは大きく異なる点。それが今後に与える影響は何なのか。それは令子ならずとも気になるポイントだった。
しかし、横島の返答はあっさりとしたものだった。

「分かりません。」

「はぁ?」

「ですから、分かりませんよ。俺はともかく、リグレットがここにいるのは、本当に予想外なんですよ。ある意味、俺と精神を共有しているからこそなんでしょうが………。」

横島の返答に脱力するも、そこは美神令子である。
その問題は先送りして、次の疑問を提議する。

「ま、わかんないものは仕方ないわ。もうひとつの問題――――最高指導者達による干渉はどうなってるのよ?」

「………………。」

「分かんないわけね。」

溜息ひとつ吐いて、更に質問を重ねる。

「あとどれくらいで連環は終了なの?」

「もう、ほとんど時間はありませんよ。今から美神さんだけは確実に――――あ………。」

「???」

間抜けな声を出した横島の視線を追う令子。
その先には、カオスとマリアが居た。
ただし、カオスは何らかの術を行使しており、マリアはセラフィムモード(令子達は初見だが)を発動している。

「………何だ………何をしている?!」

横島が慌てて力を発動させようとする。
何をしているのか。横島には半分は分かっており、半分は分からない。
カオスが行っているのは、連環そのものに干渉する何かの術。
分からないのは、その術で連環にどんな干渉をしようとしているのか。

「さらばじゃ、リグレット。」

カオスは落ち着いた様子で、唐突にリグレットに別れを告げた。
横島が何かを言おうとした瞬間、彼女の身体は霧散し、未だ逆回転を続ける地球に降り注ぐ。

「「カオス?!!!!!」」

令子と横島が即座に襲い掛かるが、マリアがそれを完全に防ぎきる。
それを見たカオスはニヤリとした笑いを浮かべ、更に術を行使した。

「裏切るか?!!!!!!!」

まずは横島が霧散し、リグレットと同じように地球に降り注ぐ。

「横島君?!!!!!!」

「慌てるな。」

「………何のつもり?場合によっては………。」

片手の神通棍が激しい光を帯び、その出力に耐え切れずに鞭状に変化する。
だが、それを見てもカオスは動じない。

「救済じゃよ。リグレットも、横島も、悲劇を迎えた存在に対するな。」

「救済?」

「行けば分かる。」

「クッ!!!!覚えてなさいよ――――――――?!!!!!!!」

かわす間も無く、カオスの術によって霧散する令子。
やはり同じく地球に降り注いで行く。







「このワシとて例外ではない。覚えているのは、お主だけじゃよ。初めから歪みを大きくしすぎると箱庭が壊れてしまうからのう………。小僧が他の奴とした約束なぞ知ったこっちゃない。それにしても、人使いの荒い奴じゃ。サタンめ………。」





残されたカオスはそう呟いて、やはり同じように霧散して、マリアと共に地球へ降り注いで行った。


















時は19××年。
それは麗らかな春の日。
別の言い方するなら、美神令子が事務所開きをしたその日。
更に細かく言うなら、美神令子がバイト募集の張り紙をしようとした瞬間。



「………ん。」

美神の闇に閉ざされた視界にゆっくりと光が差し込む。
少しだけ立ちくらみがしてヨロっと体を揺らすが、両手を前のガラスに手をつき、足を動かしてバランスを保った。

「ここは………私は………?」

まだ少しだけ靄のかかった思考のまま視線を泳がせる美神。
その目に止まった一枚のビラ・・・

『アルバイト募集 
 ゴーストスイーパー助手 ………美人GSが優しく指導………』

間違いない………あの日、美神が自分の事務所を開いた日付のビラだった。
つまり………今美神がいるのは事務所ビルの入り口。

「本当に………時間が………?」

別に『連環』の作用を信じていなかったわけじゃない、
ただ、実際に発動とその効果、事実を目の辺りに少しだけ呆然とするしかなかった。


その時………




ドンっ!




「一生ついていきます、おねーさま────ッ!!!」

「わああ!!!」

いきなり背後から訪れる衝撃と大声に素っ頓狂な声を出してしまう美神。

「何すんのよ!この変質………っ」

振り返りザマに右フックを叩きつけようとした右手がバンダナを巻いた少年の目の前で止まった。
少年はヘビー級ボクサーでも一発KOされそうなその拳を見て『あわわ』と震えている………そして、
その少年の顔を見た美神も震えていた。

「………………。」

「す、すんません!違うんです!!!雇って下さいというはずがあまりのフェロモンに我を忘れて………!」

少年は美神の様子がおかしいと必死に『警察だけはぁ!』とか
『通報しないでぇ!決して下心があっとぁけじゃあ!』と言い訳をしている。

(………………バカ。)

美神がさっきからうるさい心臓を胸の上から右手で押さえた。
変わらない………本当にあの時と変わらない少年の仕草に、表情に、態度に、言葉に………。
その一つ一つが美神の心を乱していく。

「………………………。」

「………あわわ!ホント違うんです!」

ツカツカと近寄ってくる美神に少年がビンタの一、二発を覚悟した瞬間。


ギュッ――――


「え!?」


いきなり美神が少年をきつく抱きしめた。
温かく、柔らかい感触に胸が高鳴り、思考がショートしそうになる。
『春!人生の春!!』と少年は涙を流し、調子に乗って背中に手を廻そうとしたとき………。

「………………もしかして………………………………………泣いてるんですか?」

少年は自分に抱きついてきた美女の体が微かに震えていることに気づいた。
さっき遠めから見たような、自信溢れるオーラが今は感じられない。
まるで母の温もりを求める子供のような美神。

そして。


「………………ホント………………ホントに馬鹿なんだから。」

































「さて、これでどうなるんでしょうね?」

「さぁて。どうなるんやろうなぁ?」

「何にせよ、美神令子は記憶を。横島忠夫は霊波刀を。未来から持ち帰らせました。」

「ま、今は知らんけど、すぐに霊波刀が使えることには気付くやろーな。他にもキーやんがやった細工もあったやん?」

「ああ、リグレットですね。」

「驚くやろうな〜。早くアシュとのバトルにならんかなぁ?」

「楽しみは後に取っておくものですよ?」

「ま、これでしばらくはこの箱庭で楽しめるっちゅ〜もんや。」























「良し!横島君!アンタにはGSとしての才能があるわ!この業界トップ(になる予定の)GS美神令子がビシバシ鍛えてあげる!!!」

「つ、着いていきます!!!」

「早速妙神山へGO!!!!」

「って、あれ?何で俺の名前を………?」


ここでハンズ・オブ・グローリー開眼。





「良し!横島君!いきなりだけど、死厨喪姫っていう妖怪をぶち殺しに行くわよ!!!」



この段階で、ネクロマンサーの笛を用意。





「良し!横島君!!!狐と犬を飼いたいわ!!!!」

「ほぇ?何でまた?」

「まずは殺生石よ!!!!」




油揚げで買収。





「というわけで、この小狼を一匹頂きますね〜♪」

「み、美神さん?それは誘拐と言うのでは?」

「何か言った?」

「い、いえ………。」

「あら?これって八房じゃない?」




ドッグフードで買収。
八房も回収したから、犬飼の乱も無し。





「って………え?」

「ふ、双子?」

「何で?何故?って………リグレット?!!!」

「ルシオラ姉さん、リグレットって誰のこと?」

「さぁ?でも、貴女のこと見てるわよ、パピオラ?」






何だかんだで、アシュ編突入。







「キィ――――ッ!!!!ここまで良い男に育てたのは、この私、ミ・カ・ミ・レ・イ・コ・よ!!!!アンタたちは遠慮なさい!!!」

「ウフフフフ………パピオラ………姉を敬う気持ちって大切よね?」

「姉さんこそ………妹を大事にするのは良いことよ?」



四角関係?




「な、何でちゅか?ルシオラちゃんもパピオラちゃんも………。」

「パピリオ………姉さん達は、もうアタシ達の知る姉さん達じゃなくなったのよ………。」




ヨヨヨヨッと泣いてるベスパちゃん。











などと、才能があるのを分かっていた横島を鍛え始めたのを皮切りに、いきなり死厨喪姫をぶち殺しておキヌを完全復活させたり、出くわした途端のカオスをボコボコに半殺しにしてみたり、まだまだ先に目覚める予定だったタマモを無理矢理起こしたり、シロをドッグフードで里子に出させたり、八房を強奪してみたり、記憶ではルシオラ、ベスパ、パピリオの3姉妹だったのが、ルシオラ、パピオラ(リグレット)、ベスパ、パピリオの4姉妹になって、素敵にラブコメが始まるのは、まだもう少し先のお話。




これも在り得るべき未来のひとつの形。














FIN



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