ゼロといっしょ。 ―日記―
投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 8/ 6)
・・・ぱらっ
8がつ4にち はれ
きょう、おとうさんがこどものわんちゃんをつれてきました。
ちゃいろのぽてっとしたわんちゃんです。
とってもかわいいです。 おとうさんは、しっかりめんどうみろよとわたしにいいました。
いわれなくてもわたしがめんどうみるんだもん。
8がつ5にち はれ
きょう、おかあさんがわんちゃんに、なまえをつけてあげたらといいました。
わたしがわんちゃんがいいというと、おかあさんはこまったかおしていいました。
もっとちゃんとしたなまえをつけてあげましょう。って。 わんちゃんって、へんななまえかなあ。
8がつ6にち はれ
きょうはずっとわんちゃんのなまえをかんがえていました。 でもおもいつきませんでした。
ゆうがた、わんちゃんとてれびをみていると、ちくわをくわえたわんちゃんのあにめがありました。
それをみていたわたしは、わんちゃんのなまえはちくわにしようとおもいました。
でもおかあさんは、またこまったかおをしていました。 ちくわがいいのに〜
8がつ7にち はれ
きょうのおやつはちくわでした。 たぶんわたしが、ちくわちくわといいつづけたせいかな。
ちくわとわんちゃんって、いろもかたちもそっくりです。 やっぱりちくわがいいなあ〜。
8がつ8にち はれ
きょうのおやつもちくわでした。
ちくわのあなをのぞいていたら、まあるくみえました。 すうじのぜろにみえました。
おかあさんに、なまえはぜろがいいというと、おかあさんはちょっとこまったかおをしたあと、
じゃあかたかなにしましょうといいました。
だからわんちゃんのなまえは、「ゼロ」にきまりです。
ゼロ、これからもよろしくね。
ぱらぱらぱら・・・
『 ・・・ちくわになんなくてよかった。 ありがと、お母さん。 』
千鶴は次のノートを手にした。
4がつ8にち はれ
きょうはしょうがっこうのにゅうがくしきです。
ランドセルでいこうとしたら、ゼロがランドセルをひっぱるんです。 ゼロもがっこうにいきたいみたい。
5がつ25にち はれ
がっこうからかえってくると、いつもどおりゼロがはしってわたしのところにとびこんできました。
すっかりわたしにあまえてます。
しかたないから、きょうはゼロといっしょにボールあそびをしようとおもいます。
7がつ7にち はれ
きょうは七夕です。 ねがいごとはもちろん、「いつまでもゼロといっしょにいられますように。」
8がつ3にち はれ
おとうさんとおかあさんとゼロでうみにいきました。
ゼロはいちどうみにつかると、びっくりしたようにすぐにひきかえしました。
そしてわんわんと、うみにむかってほえました。 どうやらゼロはおよげないみたいです。
8がつ21にち はれ
おとうさんが花火をかってきてくれました。
いつもあそんでいる、きんじょのこうえんで花火をしたら、ゼロは花火にむかってほえました。
うるさいのでのでしーっとだまらせると、ゼロははなびとじーっとにらめっこしてました。
ゼロって花火がこわいのかなあ。
ぱらっ・・・
『 ・・・楽しかったなあ。 』
千鶴は5冊ある同じノートの、「その5」と書かれていたノートを手にした。
1月6日 はれ
はじめは小さかったゼロも、いまではすっかり大きくなりました。 というか太りました。
もうわたしひとりでは、とてももちだきあげることはできません。
ちょっとダイエットさせないといけないかも。
3月10日 はれ
ちかごろゼロはますます太り、いばってばっかりです。
さんぽにつれていっても、みちのまん中ででねたり、いきなり走ったりします。
わたしはリードをつかんでいるのでせいいっぱいです。
ゼロももうすこし、いうこときいてくれたらいいのになあ。
3月15日 はれ
今日はじゅういさんにゼロのことでそうだんしました。
じゅういさんは、犬はきちんとそだてないと、わがままになるんだっていってました。
わたしのそだてかたがいけなかったのかなあ?
3月21日 くもり
今日はおかあさんといっしょに本やにいきました。
そこで、「犬の育てかた」という本をみつけました。 1200円でした。
わたしのおこづかいではちょっとたらないので、おかあさんにおねがいしました。
そしたらおかあさんは、たりないぶんをだしてくれました。
やっぱりおかあさんは、さいこうのおかあさんです。
3月22日 あめ
今日はずっと「犬の育てかた」の本ををよんでいました。 かん字がむずかしいです。
わからないところは、おとうさんによんでもらいました。 それでわかったことがあります。
犬はあまやかして育てると、じぶんがいちばんえらいとおもっちゃうみたいです。
ゼロがわがまなになってきたのはこのせいだったんです。
3月23日 くもり
今日からゼロを、きびしくしつけることにしました。 でも・・・
やせさせるためにごはんをへらしたら、ワンワンとほえてごはんをさいそくするんです。
ほんっとにず―――っとほえつづけるので、きんじょの人たちにうるさいとおこられました。
おかあさんがきんじょの人たちにあやまってるのを見ると、わたしはとてもかなしくなりました。
けっきょく、ほえるのをやめさせるため、ゼロにごはんをあげました。
するとゼロはうれしそうに食べていました。
ゼロのバカ。 ゼロのせいでおかあさんがおこられたんだよ。 ちゃんとはんせいしてよね。
3月26日 くもり
ゼロのわがままぶりはひどくなるいっぽうです。
サンポもきぶんがのらないときは、うごこうとしません。
なんとかリードをひっぱって外につれだしたら、わたしとは、はんたいほうこうにいこうとするし、
食べもののおみせの前をとおると、おみせのものを食べようとするんです。
わたしはリードをひっぱってゼロをとめるのでせいいっぱいでした。
ゼロの食いしんぼう。 わたしはずかしかったんんだからね。
3月27日
< ・・・何も書かれていない。 >
3月28日
< ・・・何も書かれていない。 >
3月29日 くもり
・・・おととい、ゼロがトラックにはねられました。
わたしがリードをはなしてしまったたせいです。
かなしくて、きのうまでごはんがのどをとおりませんでした。
おかあさんがごはんを食べるようにいったので、きょうはおちゃわん半分のごはんを食べました。
でもゼロはもう食べられません。 もういないから。 しんじゃったから。
だからもうゼロのことは、かくことはできません。
ごめんね、ゼロ。 だいすきだったよ。
ゼロといっしょにいれたこと、ほんとうにたのしかった。
ごはんいくらでも食べさせてあげるから、すきなだけわがまま言っていいから、
だからおねがい、かえってきてよ、さびしいよ、つらいよ
< そのページは一部、水滴で紙がしわしわに歪んでいた。
おそらく涙の跡だと思われる。 >
3月30日
< ・・・何も書かれていない。 >
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2003年
7月10日 晴れ
ゼロが帰ってきた。
いつも通り学校から帰って玄関の扉を開けたら、10年前と変わらぬ光景が私の目に飛びこんできたのです。
それは私がかつて失った、大切な家族の
「 千鶴ー ご飯よー 」
「 は―――い! 」
ぱたむ・・・
千鶴が閉じたその古いノートの表紙には、鉛筆のこすれた文字でこう書かれてあった。
―――ゼロといっしょ。―――
『 続きはゼロとご飯食べてから書こうっと。 』
☆―日記―完☆
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★あとがき
|д゚).oO(平仮名ばっかで読みづらくないかな・・・)
原作では千鶴とゼロがいつ、どのくらいの期間一緒にいたのか不明でしたので、日付に関しては憶測です。
大体幼稚園から小学校1・2年生頃の、1〜3年間ぐらいでしょうか?
ひらがなが多いのもそのせいなんですよ〜(汗)
・・・あ、名前の由来、ここだけの話にしといてください。
原作読まれてない方、ちくわなんてどこにも出てきませんからね!
今までの
コメント:
- 実は・・・自分、原作は読んでないんですが!(をい)
素直に感動できました、大好きです。この話。こんな事しか言えないんですけど。
優しくて、ほのぼのとさせてくれる・・・穢れた心が浄化されてくような・・・自分が悪霊だったら間違いなく成仏しますね(どういう褒め言葉だ!!)
綺麗です。素敵です。無敵です。ええ!!
ですゆえに、勿論、賛成です!! (veld)
- うう…こういうのに弱いんですよぅ…
いいお話でした。 (MAGIふぁ)
- 駄目忍者犬の名前ではなく、その好物の名称を採用しようとする感覚が、何だか微笑ましいですね。
相変わらずぐーたらでも(笑)、人語を話せるようになっても(汗)、内部に兵器満載でも(ノД`)、ゼロは家族の大事な一員。
どうかこの一人と一匹の間に、日記帳を涙で濡らすような事が二度と起こりませんように。
投稿お疲れ様でした。 (dry)
- ほのぼの&しんみり系。
個人的にこういった物は大好きです。
ゼロ、愛されてますねぇ。
さて。
がんばれ、中島!
明らかに千鶴の心の天秤はゼロに傾いているっぽいぞ!
『中島クンとのらぶらぶ日記』を愛しの彼女に書いてもらえるその日まで
君の闘いは続くのだ!
とかなんとかどーでも良いことを言ってみたり(ホントにどうでもいいよ)。 (L)
- 僕も原作見てません。どこにも無いのだ!同じバカ犬でも「彼女の犬」に特別出演してた少女とはかなり違うみたいですね。いい雰囲気のSSでした。 (なかんだかり)
- ☆皆様コメントありがとうございます!
>veldさんへ
読まれてください!(挨拶)
原作ほうがもっと素敵に無敵ですよ〜、私も読んでて穢れた心が浄化されました。(笑)
楽しんでいただけてよかったです!!
>MAGIふぁさんへ
前回の“彼女の犬”がお笑い系だっただけに、今回はかなりしんみりになってしまいましたが・・・
それでもこの話、受け入れていただき、ありがとうございます!!
>dryさんへ
やっぱりバレた駄目忍者犬!(バレバレですよね・・・)
体型は似てるんですけどね〜
私も子供の頃その忍者犬を見た記憶があり、なぜか“ちくわ”だけが印象に残っていたり。(笑) (ヴァージニア)
- >Lさんへ
“彼女の犬”と“日記”のせいで、中島クンがゼロに負けてしまってるような印象が・・・(汗)
いや、千鶴も中島に「らぶ」なはずなんですよ! 原作では逆にゼロが中島に妬いてたぐらいですから。
千鶴はすでに、『らぶらぶ日記』を書いているのかもしれませんね♪
>なかんだかりさんへ
探してください日本中!!(無茶な・・・)
千鶴とゼロが表紙の、サンデー超増刊がきっとどこかの書店にきっとあるはずです!
是非ともその違いを比べてみてください。 ゼロとシロ、名前は似てますがいろいろ違いますからね♪
(例・口グセ)→「ござる」「あります」 (ヴァージニア)
- ゼロ読みたい・・・(泣)日記でこんなに感動したの初めてだよう〜 (えび団子)
- ちくわ……かわいいじゃないですか?(ぇ?)
まー、とりあえずちくわは置いといて。……ええと、最初から最後まで面白かったです。どこら辺がどう面白かったか言えないぐらい。
お疲れさまでしたっ!! (紫)
- >えび団子さんへ
手元にある超サンデーを今、あなたに届けたい……
こうして見ると、読んでない人って結構多いんですね〜やっぱり部数が少ないのが原因か。(哀)
それでも感動していただいてよかったです〜。
>紫さんへ
ちくわ……もし千鶴がそんな名前をつけてしまったら、タイトルが「ちくわといっしょ。」になってしまう!!!
(…それもいいな♪) コメントありがとうっ!!
―――さて、思わぬところで「絶対可憐」や「ゼロ」にハマり、3つほど短編を書いてしまいました。
今回の“日記”にはいろいろ苦労しましたけどね♪
そして次は、「とら」の続きを送りたいと思いますのでヨロシク☆ (ヴァージニア)
- 付いた名前がシロでなくて安心?(ぇ
日記は最良の独白の一つだと思ったりしてしまった訳です!
犬って家族なのです。過ごした時間が短くとも、長くても。
居なくなってしまった家族を取り戻せた千鶴をちょっと羨ましく思いつつも、幸せな一人と一匹に乾杯です♪ (志狗)
- コメントの遅さに自分でも恐ろしさを感じています(笑
本当にごめんなさい〜
それにしても上手いです・・。
ゼロの名前の由来のところが・・ほのぼのしててすごく好きです〜
ちくわ・・・・(笑
次回作もぜひぜひがんばってくださいませ〜。 (かぜあめ)
- >志狗さんへ
子供の頃に書いた日記、大人になって読み返したら、色々忘れていたことを思い出しますよね。
日記は自分の本心を書く人がほとんどですし、それが子供の頃なら尚更ですから。
この一人と一匹が、共に幸せであることを願いましょう。
>かぜあめさんへ
ありがとうございます! コメントくださった皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです!
ホントにちくわはここだけの話ですからね〜〜〜!
|д゚).oO(ホント何で『ゼロ』なんだろ? 千鶴が名前をつけたとも限りませんし・・・謎だ。) (ヴァージニア)
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