ザ・グレート・展開予測ショー

カツ丼


投稿者名:hazuki
投稿日時:(03/ 8/ 6)

今この世で一番、食べたいものは?と聞かれると、ただいま布団でへたっている横島は、即座に答えるだろう。

胃に優しい梅と白いご飯のおかゆだと。





うーっ
布団にころがりながら、横島は未だ痛む胃を抑え、唸っていた。

「まだ…胃が痛え…」

、三日前の豚のまるやきの後遺症だろう。
と、いうか自分の胃袋の多少の頑丈さには自信があったのだがその自分をここまで追い詰めるとは、シロ恐るべしである。
「……でもまあ、なんとか明日からは…出れそうだよなあ」
ごろっと布団のなかで向きを変え、横島はそう独りごちていると、たたたたたっという足音が聞こえてきた。
これは聞きなれているものであり─
そして今最も聞きたくないたぐいの、足音だったりもする。


「………をい」
布団の中で硬直すること五秒。
横島は、胃の痛みもなんのそのがばっと起き上がり
だらだらと顔面に汗を流し、

「逃げ様!」
と、一言漏らし起き上がる。
が、遅い
ばんっという音とともに、ドアが空く。

「せんせー看病にきたでござるよっ」
ふりふりのエプロンをつけ、満面の笑顔で、シロ。
手には買い物袋を下げとてつもなく可愛らしい。
きっと世の彼女なしのよろーからしたらこんな可愛い子がきたら嬉しいだろう。
が、横島には全然嬉しくない。
まるで悪魔でもみたかのよーに顔を強張らせている。

「ああっせんせーやっぱり、顔色が悪いでござるよ?」

具合が悪いんでござるね?っと心配そうにシロは言う。
いやまあ、心配してくれるのは嬉しいのであるが、その原因がシロだったりする。

「待ってているでござるよ♪拙者が、せいのつくものを作っておくでござる」

くるっと周りシロがにこやかに言うが
それははっきし言って横島にとっては死刑宣告である。

ざあっと顔を青ざめ
「いいっ!」
とぶんぶんと両手をふりいう。

そんな横島の様子に、きょとんっとシロは目を見張り

「大丈夫でござるよ?今日はせんせいも、食欲ないでござろうから、軽くとりのからあげでござる」
とにっこしと笑い言う。

いやとりのから揚げのどこが軽いのか、一時間ほど問い詰めたいが、横島は首を振り

「いや、からあげは食べれねえよ」
げっそりとした面持ちで言う。


「そうで、ござるか?」
フシギそうな顔のシロに真剣な面持ちで横島は頷き─

「俺は飯が、米が食べたいんだ」
といった。
それはもちろん、おかゆのことである。

「お米でござるか?」
「おー」

その横島の答えを聞くとシロはにっこしと笑い、まかせておいてでござるっと笑った。
「美味しい白いご飯をつくるでござる」

出来たら呼ぶでござるから、横になってるでござるよ。
と言う。
それは、心からの気遣いのこもった言葉で、横島はひどく安心した気分で横になった。


数時間後。

「せんせーご飯できたでござるよ」
控えめに、呼ぶ声とともに横島は起き上がる。
ひくひくとはなを動かすといい匂いがする。

「あー」
ありがとな。といいもそもそと起き上がるとそのちゃぶだいにあるのは、


カツ丼である。


「えーっと」


「美味しい白いご飯でつくったカツ丼でござるよ♪」
遠慮なく食べるでござるよっ
一生懸命つくったでござる。




その日はらはらと涙を流しつつカツ丼を食べる横島の姿にしろは感動し、その話を聞いた
タマモは横島に心のそこから同情したという。

おわり。

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