ザ・グレート・展開予測ショー

零式といっしょ。 ―彼女の犬―


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 8/ 2)





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  ※ネタバレ注意!!
   原作を未読の方でも大丈夫だとは思いますが、
   できれば先に原作を読まれてからこちらを読むことをオススメします。

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とある公園。 ベンチには、ごく平凡な男子高校生が1人座っていた。

どっどっどっどっどっどっどっどっどっどっどっどっ

―――俺は今、彼女と待ち合わせをしている。
3回目のデート・・・・・・今日の俺はとてつもない野望を胸に抱いていた。 それは―――





ど――――――ん
「 今日こそ赤城を俺の家に招待するっ!!! 」






「 ・・・・・・・・・・・・若いのオ。 」
「 ママ〜、なにあれ〜? 」
「 しっ、関わっちゃいけません! 」

突然立ち上がり、ガッツポーズをしながら大声で叫ぶ男子高校生。
公園にいた数人の人々は、不信がっていたりする―――

たったったったっ
「 わんわんわんわんっでござる―――っ♪ 」
どしゃ――――っ
「 こらーっ!! 止まれと言っとるのがわからんのかこのバカ犬ーーーっ!!!!!(泣) 」
ぴくっ
「 んっ!? 」

男子高校生の目の前を、猛スピードで横切る者たちがいた。
自転車に乗り、頭にバンダナを巻いた同い年ぐらいの少年と、
その自転車と自分の体にロープを繋ぎ、自転車をぐいぐいと引っ張るようにして走っていく少女。
男子高校生は自転車の少年が言った、“バカ犬”という言葉に反応していた―――

『 ・・・? 何故に“バカ犬”?
  確かに女のほうにシッポがあったように見えたが・・・。(汗) 』

男子高校生はその2人を見て不思議に思っていたが、すぐ頭を振り、冷静さを取り戻そうとした。

「 き、気のせいだよな。 最近どうも“犬”という言葉に対して反応していけねえ。
  これもすべて赤城んとこの、あの“バカ犬”のせいだ! あいつのせいで俺の赤城が――― 」

「 中島くーん!! 」

うつむいて呟いていた所に、赤城の声が聞こえた。
瞬時に振り向いて、「赤城っ!」と笑顔で答えようとしたその時―――

どごっ!!
「 ぶふっ!!?? 」

男子高校生(中島)の顔面にケリが入った!
しかもそのケリをいれたのはなんと、丸々と太った大きな犬“コーギー”であった!

《 フッ、犬佐である自分を侮辱するとは言語道断。 自分の聴覚を舐めないでほしいであります! 》

あたかも自然に喋る犬。
倒れて鼻を押さえていた中島の所に、髪を肩まで伸ばした黒髪の美少女、赤城千鶴(あかぎちづる)が駆け寄った。

「 いたたた・・・! 」
「 中島くん大丈夫!?
  ゼロがいきなり飛びだして行っちゃうから、「危ない」って言おうとしたんだけど・・・ 」




―――そう、こいつだ! 赤城いわく、“バカ”で“ぐーたら”で“大食らい”で“わがまま”という、
なんとも親近感を覚えてしまうこのタヌキ犬!
この“零式=ゼロ”というバカ犬こそ、俺と赤城の間に割ってはいる最大の恋敵!(?)

なにしろあいつは――――――

























◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

                     最終兵器(?)☆ 彼女の犬

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

※このお話は、ハートフル動物コメディーです。




ヒュオオオォォォ―――ッ
《 中島どのとやら、貴様とは一度決着を付けねばならぬようだな! 》

じゃきん・がしゃっ・ぎゅるるるーっ
ゼロは体中至る所から、ロケットやドリルなどの武器を開放した!

「 や、やるっていうのかこのバカ犬! も、模擬弾頭なんかにゃ負けねえぞ!! 」
「 ちょっとやめなさいよ2人(?)とも! 」

互いを睨みながらけん制する1人と1匹。
中島は内心ゼロを恐れていた。
ゼロの武器は殺傷能力が低いとはいえ、あたるとかなり痛いことを知っていたからである。
だが赤城の前で、そう何度も無様な姿を見せるわけにはいかない!
中島は小学生の時、3ヶ月だけ習っていた空手の構えを見せる!
※もう一度いいます! このお話は、ハートフル動物コメディーなんです!

「 か、かかって来いバカ犬!! 」
《 貴様2度もっ! そのセリフを言っていいのは千鶴どのだけだあ〜〜〜!!! 》

じゃきんっ
ゼロがミサイルを発射しようとしたその時―――




ふみっ!
「 いい加減にしなさいっ!! 」 《 はうっ!! 》





千鶴が後ろから、ゼロをぐしゃっと踏みつけた。

《 ち、千鶴どの〜、イタイであります〜。 》
「 あんた何回言わせれば気が済むのよー!
  まず1つ、散歩中にいきなり走りだして私のもとを離れるんじゃない!
  それが原因で一度死んだってこと、もちろん忘れてないわよね〜!(怒) 」
《 はうっ! 》
「 2つ、公衆の面前でそんな物騒なもん見せるんじゃない! 軍事機密でしょそれ!! 」
《 し、しかしこいつが――― 》
「 3つ、人に迷惑をかけない! しかもまた中島くんに迷惑かけて・・・! 」
《 じ、自分は赤城家の番犬としてその使命を果たしたまででありましてっ!
  こやつの魔の手から千鶴どのをお守りするため、こうして事前に排除をうぐぶっ!! 》

千鶴はまだしゃべりかけのゼロを、更にむぎゅっと踏みつけた。

「 4つ! 大声でしゃべるな! 人に聞かれたら明らかに不信がられるでしょ!! 」
ぼそっ・・・
《 ・・・おっしゃるとおりであります。 》 

ゼロは、犬を踏みつける女子高生も不信がられるのではと思ったが、あえて触れなかった。
そして千鶴はボーゼンとしている中島のほうを見た。

「 中島くんも犬相手に本気にならないでよ。 ハタから見たらすっごく『変』よ。 」 

ぐさああっ!!
ハートに矢が刺さるぐらいのショックを受ける中島。 イメージ的に。

「 そんな・・・(泣) 」




―――そう、彼女(千鶴)が言うには、ゼロは10年前に交通事故で一度は死んだのだが、
その後防衛隊の研究員たちにより、サイボーグ犬として蘇ったらしい。
そして俺も、軍事機密のゼロの秘密を知ったことにより、
防衛隊の陸曹長とかいう若い女の人が来て、ゼロのことを聞かされ秘密を守るよう堅く言い渡された。
最終兵器とはいいすぎだが、生きた兵器には違いない。 しかも喋るしコイツの場合―――




く〜んく〜ん
《 千鶴どの〜、自分が悪かったであります。 反省してるであります・・・。 》
「 もう〜、わかったならいいのよ。 また問題起こして防衛隊に連れ戻されたりしたらヤだからね。 」

しょぼんとして千鶴の足にすりすりするゼロに、千鶴はしゃがみこんでゼロを優しく抱いていた。
そしてゼロは、千鶴の腕の間から視線を中島のほうに合わせると・・・

二ヤッ★ 「 !!! 」
『 こ、こいついま笑いやがった!(怒)
  俺はまだ千鶴の手すら握ったこともねえのに、動物の特権を利用しやがって〜!!
  ちくしょちくしょ〜 俺も千鶴の足にすりすりしてえ〜〜〜!!!(血の涙) 』(←バカ)




―――そう、このバカ犬、俺に対してだけ異様なまでに敵視してるんだ!
どうやら俺と赤城が仲良くしているのが気に食わないらしい。 そりゃこっちもだ。
赤城も赤城であの日以来、学校での会話の半分以上はゼロの話ばっかだし、第一コイツは犬だ!
まさか犬にヤキモチ焼いてるなんて言えねえ! つーかそれでは人間としての俺のプライドがあ―――っ!!!




千鶴はしばらくして立ち上がり、何やら苦悩している中島のほうを見ると―――

「 中島くん。 」
「 はっ!? 」
「 じゃ、いこっか☆ 」

―――と、優しく微笑んだ。

は―――ん!
『 カッ、カワイイ!! 俺はもっ、サイコーに幸せだぞ赤城っ!! 』

涙をだばだば流しながら、幸せに浸る中島であった。
・・・だが、千鶴がゼロのリード(引き綱)を持つのを見ると―――

「 ちょ、ちょっと待て赤城、まさかそいつも一緒なのか? 」
「 そうだよ。 」
「 そうって、今日はデートのはずだろ!? 映画は? 買い物は? 犬は連れて入れないぞ! 」
「 あ、ごめん。 今日はどうしてもゼロといたいのよ。 」
「 ? 何で? 」
「 ・・・ゼロの休暇は3週間なのよ。
  夕方には防衛隊の人達がゼロを迎えにくることになってるの。
  だから今日がゼロといっしょにいれる最後の日なの・・・ 」

千鶴が少し、落ち込んだように話すと中島は―――

「 ・・・わかったよ。 それじゃあ今日はそこいらをサンポでもするか。 」
「 ありがと、中島くん! 」
『 ちくしょ〜、家への招待はおあずけか〜! 
  ・・・だが焦ることもないな、明日からこのバカ犬はいないんだ!
  こいつさえいなくなれば、俺と赤城の間を邪魔するものは何もない!! 』

メラメラと犬に対抗意識を燃やす中島。
だがまだ彼らは知らない。
これからは休暇の度に、ゼロは赤城家の番犬として帰ってくることを。









☆OMAKE☆

―――さんぽ道。 中島と赤城の会話。

てくてくてくてく
「 ・・・なあ赤城、前から聞きたかったんだけど。 」
「 なに? 」
「 その〜、なんで俺と付き合うのOKしてくれたんだ? 」
「 う〜〜〜ん・・・・・・ゼロに似ているからかな? 」

ずどっ =☆
コケる中島。

「 なんか中島くんといると、ゼロといっしょにいるみたいなのよねー。 」

ぐわーんぐわーんぐわーん
『 ゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょ
  ゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょゼロといっしょ・・・・・・ 』

中島の頭のなかで、千鶴の言葉がエンドレスされていた。

『 ゼロといっしょ・・・俺は赤城にとって、ゼロと同レベルの存在なのか?(汗) 』




その後、フォローする千鶴の姿があったが、中島が立ち直るのはそれからしばらくしてのことだったりする―――




 

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