ザ・グレート・展開予測ショー

喪失感


投稿者名:six
投稿日時:(03/ 8/ 1)


-喪失感-


それはあのアシュタロス事件が起ってから、数日後の夜。
時刻は午前三時をちょっと過ぎた頃。
場所は彼の狭いボロアパートの一室。

普通ならあの事件での、肉体的、精神的疲労が完璧に抜け切っておらず、
夜は深い眠りに身を投じていたであろう。

しかし、彼はふと無意識に言い知れぬ不安を感じたのか、下半身は
布団に入れたままで、目覚めていた。

あぁ、彼女が言っていた事が今なのか・・・?

そう彼は思った。

彼の命を救った、彼女の霊基構造の残留思念が言っていたことだ。

一時的に新しい技や、霊力が上がるか、それはすぐに無くなる。
ということだった。

その時必死だった彼は、はっきりと覚えていなのだが・・・。


数分間、彼は自分の右腕を眺めていた。

昨日まで作れていた双文殊。

作れた、と言ってもすぐに空気に溶けるように消えてしまう出来損ないだったが。

それでも・・・

それでもそれは、自分の中で彼女生きているがいるという事を、
感じれることだった。


じゃあ今は?
今俺の中の彼女はどうなったんだ?

自分の心の中で疑問を何度も反芻させる。

それでも心の中だけでは、答えは出ない。

時間だけが過ぎる。

時計の秒針がよく聞こえる。
チクタクチクタクと。

どれぐらい時間が立っただろうか。

一時間?二時間?


遠くから新聞配達のカブの排気音が聞こえてくる。
もう、窓の外はぼんやりと明るくなっていた。

ふと我に返ったように、彼は勇気を振り絞り決心をする。

軽く四本の指で手の平を隠しながら、そして
「文殊、出ろ。」
そう呟き、自分の右手に霊気を集中させる。

いつもの通りだ。

手のひらに集まった霊気がさらに圧縮され、形を作り、慣れ親しんだ
丸いビーダマのような感触を感じる。

彼は目を瞑り、手のひらを開き、今度は目を開く。

そしてそこにあるのはタダの文殊。

解りきっていたことだ。

目覚めてから纏わりついてはなれない、この喪失感。

認めたくなかった。


また数分間自分の手のひらの文殊を見つめる。

そして其の文殊から目をそらし、微笑を浮かべ。

「眠っちまったのか・・・。」

また呟く。


彼は起していた上半身を敷布団の上に寝かせ、持っていた文殊に文字をこめる。

『眠』

彼は最後に呟く。

「おやすみ、ルシオラ。」

そして彼は文殊を使い、再び深い眠りへと身を投じた。









始めまして、適当に思いついた名前ですがsixといいます。
最近GS美神にはまり、ここを見つけ皆さんの予想を読んで、
影響されてちょっと投稿してみました。

駄文申し訳ありません。

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