雨(その四)
投稿者名:NATO
投稿日時:(03/ 7/26)
誰もが言葉を失う。人工幽霊一号という霊的高等機器によって、ブラウン管を媒介に映し出される映像。それは、想像を絶するほどに陰惨で、残酷なものだった。
シロが息を吐く。それが合図だったかのように動き出す時。
「こ、これ、いったいどういうことなんですか!?」
まだ動揺しているおキヌ。無理も無い。このようなものを見て正常でいられるほうが普通ではないのだ。
「どうもこうもないわ。見たとおり。これが事実よ。」
気丈な美神でさえ、顔は青ざめていた。
「どうしてタマモが狙われたのでござるか!」
友のした事に驚くとともに、釈然としないシロ。
「・・・」
口ごもる美神。
その様子に引く二人。
今、彼女から引き出したものでさえ想像を絶するものであった。
それを見せてなお、口にするのをためらう美神。
引き出すものが恐ろしかった。何か途轍もないものを引っ張り出しそうで。
嫌な沈黙。しばらく後美神が口を開こうとしたとたん、
「オーナー。美知恵さまがおいでです。」
無機質ではあるがほっとしたようにさえ聞こえる人工幽霊一号の声。
場の空気が和む。ただ一人を除いて。
来訪の目的がわかっている美神だけは、うつむいたままであった。
どたどたと入ってくる数人の足音。応接室の扉が開き、先頭に立つ美知恵が口を開く。
「ICPOの美神美知恵以下三名、ICPO協力法に基づいて以下の証拠の提出を要求します。」
感情を廃した声、手からぶら下げる無機質な白い紙。後ろに控える西条を含む二人の冷たい瞳。
シロもおキヌも絶句する。これはどういうことなのか。証拠。まさか、いやおそらく。
「一、霊獣保護法に基づいたGS美神令子管理下の霊獣タマモ。当獣が犯したとされる
殺傷についての証拠である映像。
二、当獣の殺傷の被害者の遺体。以上。」
やはり・・・。しかし、こんなものを持っていかれれば、間違いなくタマモは手配され、見つけ次第殺されるだろう。青ざめるシロとおキヌ。
それに追い討ちをかけるかのように美知恵が言い放つ。
「・・・なお、当獣はすでに処分の対象とされているため、この証拠の提出において当獣およびその関係者に何らかの問題が生じることはありません。」
青ざめていた二人の顔がもはや白くさえなっていく。タマモは前から狙われていた。
それも処分の対象として。見る見るうちに血の気を失っていく二人の間で、青ざめてはいるが何とか保っている美神が彼女らしくも無く震えながらつぶやくように言う。
「GS美神令子管理下である霊獣タマモについて、保護責任下であることを考慮し、証拠の提出を拒否します。」
途端に眼の色が変わる後ろの一人。それに気づき押さえようとする西条。それよりも早く美知恵が口を開く。
「今の発言は、霊獣保護法とは別の問題としてICPO協力法に基づき、言責を追及するべき事柄です。あなたのGSとしての立場上、有利に働くものではありませんがよろしいですね。」
「前言について、GS美神令子としての判断であることを承認します。」
「わかりました。御協力感謝します。それじゃ西条君たちは先に戻っていてもらえるかしら。」
後ろに控えていた西条は一度敬礼すると今にもつかみかかりそうな部下を押さえつけるようにして退出していった。
ドアが閉まることを確認して、美知恵が口を開く。
「まずいことになったわね。このままじゃヤバイわよ。」
緊張がほぐれ何とか一段楽する四人。
「わかってるわよ。でも、どうすればいいってのよ。」
「まあ、方法が無いってわけじゃないわ。」
立ちすくんでいたおキヌもこの言葉に立ち直るとお茶を汲みに台所へと走る。
シロは先ほどの会話に中てられたのか、立ち直ってはいるものの何をしたらいいのかわからないという様子。
おキヌが戻りお茶がわたったところで、美知恵の話が始まった。
今までの
コメント:
- GSでハードボイルドを、しかもボケキャラ三人で!と言う無謀なことを考えたらこうなりました。しかもヒロインがタマモ!ダークな話にはならないはずですので、文章が汚くて読むに値しないという慧眼の人意外は、安心してください(?) (NATO)
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