雨(そのニ)
投稿者名:NATO
投稿日時:(03/ 7/25)
小さな子供が一度は問うもの。火とは何か。
大昔ならこの世を形作るものとでも言えたのだろう。
小さな子供にエネルギーなどといってもわかるはずもなく、
今は燃えるもの。燃やすものとでも言うのだろうか。
だが子供が聞きたいのは、どうして火は燃やすのか。と言う事である。
理不尽にも思える問い。しかし、答えはある。
奪わずして有る事が出来ず、奪われずしてなくなることの出来ないものだから。
奪われる為に燃やす。奪う為に燃やす。
化学反応によって起こらない火も、
いや心によって生じる火だからこそ、狐火もまたこれに順ずる。
昨日の雨に降られたか、目の奥までも濡れる狐が一人
誰もいない公園のベンチに腰をかける美少女は、たたずむだけで絵になっていた。
静かに両手を見つめながら今にももう一雨来るような目を湛え時が過ぎるのを待つ。
誰かが来てくれるはずなのか。誰かに去られた後なのか。
タマモは呟く言葉も忘れ、ただ手を見つめる。
時折人の声がするたびに、彼女はおびえたように、あるいは何かを期待するように辺りを見まわす。
そしてそのたびに、安心したように、あるいは落胆したようにまた腰を落とす。
その繰り返し。
何度続いた事だろう。
彼女は立ちあがり力なく歩き出す。
全てから逃げるように。
突然背後から声が掛かる。
「タマモ!!」
最愛の人のその声に彼女は振り向こうとし、立ち止まり身体を振るわせる。
しかし彼女は振り返らなかった。
必死に押さえようとした涙は止める事は出来ず。
心から頼みたいひとに振り向く事も出来ず。
「あ、おいタマモ!?」
横島の戸惑う声を、背に受けて。
考えたくなかった。横島が私のしたことに、何を思うかなど。
見たくなかった。私を恐れるヨコシマの顔など。
だから、私は逃げた。
アイツに知られることは、遠くないはずだから。
そのときに私は、そこに居たくなかった。
私を私として助けてくれた人に私が裏切ったことを知られたくは無かった。
だから、私は逃げた。
罪が軽くなるわけじゃない。
遠からず私は殺される。
その日ができるだけ早く来ることを願いながら。
彼女はその場を走り去った。
あっという間に走り去るタマモを俺は何も考えずに追いかけた。
体が勝手に動いていた。ここで追いかけなければ、もう追いつけない気がして。
タマモが泣いていた。
俺の前で本気で女が泣いたのは二度目だった。
そのときに誓ったはずだ。
もうこんな顔は見たくない。
たとえどんなことでも、そいつが泣く前に助け、守ってみせる。
シロのおかげで常人離れした速さで走れる事に感謝しながら俺はまったく成長していない自分にとてつもない憎悪を感じていた。
走る。
何のために修行したのか
強くなると誓い、強くなったと思っていたのは自分を慰めるための茶番でしかなかったのか
必死に遣り、ついに成し遂げた最年少S級GSの位も、いつも側にいる者一人にさえ頼られるに足りないのか
強いという言葉の意味を取り違えているとは思わなかった。
奇麗事ではすまないこともわかっていた。不可能であることも。
だが、あきらめたくは無かった。
何も失うことなく、周りが何かを得ることを邪魔されることが無いように。
守りたいと思った。傲慢だったとしても。
自分の選んだ強さが間違っているとは思わなかった。
ただただ自分が弱いのだ。
そのことに身震いするほどの憎悪を感じた。
今までの
コメント:
- 斑駒様。もっともですね。すいません。昔はこの名前で投稿していました。折角ですんでもとに戻します。通し番号、二から振っていきます。最後に文字数ですが、こればかりはその話によって長さが変わるのはお許し下さい。前書いていたものについてはこのハンドル覚えている人がいて、何書いたか知っている人がいれば、最初から書き直そうかなと思っています。(話の筋は覚えてるんで) (NATO)
- 続きだあ♪NATOさん!ええと、タマモは一体何をしたんでしょうか?
次回で核心に迫るのか?是非是非続きを!!!!書く量は・・・少しずつ多くしていけば♪って私も前に言われたことがあります(汗) (えび団子)
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