ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その10)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 7/22)

「殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺スコロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!ケーーーーーーーーーーーー!!!!」
ミケロは、骨の鞭を、横島と西条目掛けて、振り下ろした。
「くっ!」
横島は左に、西条は右にステップして、これを避ける。
「ケケケッ!!」
ミケロは、笑いながら、鞭をあらゆる方向に振り回す。
ヒュッ!
シュッ!
空を切る音が、2人の耳に聞こえた。
ビュッ!
「!」
ピッ!
ミケロの鞭が、2人の頬をかすめた。
ツゥ・・・・・
頬に、一筋の紅い線が現れ、そこから血が滲み出てくる。
「くっ!よくも僕の顔に傷を!!」
「ナルシストか、お前は!!」
怒る西条に、ツッコミを入れる横島。
「ケーーーーーー!!」
その間にもミケロは、鞭での攻撃の手を緩めない。
「このヤロっ!!」
横島は、ミケロに向かって、サイキック・ソーサーを投げつける。
「ケケッ!!」
バシンッ!
「げっ!」
横島は驚愕した。
ミケロが、自分の持っている、骨の鞭で、横島のサイキック・ソーサーを弾き返したのである。
ビューン!!
「なんのっ!!」
横島は、迫ってくるサイキック・ソーサーを、マト○ックスのように、背中を反って避ける。
「えっ?」
ドゴーーーーン!!
サイキック・ソーサーは、いつの間にか、横島の後ろにいた西条に命中した。
「お、おい、西条!・・・・・・死んだか?」
「横島クン〜〜〜〜〜〜・・・・・・・。」
鬼のような形相をした西条が、ゆっくりと立ち上がった。
「それほどまでに、霊剣ジャスティスに斬られたいようだね・・・・。」
「お、おい!!落ち着け、西条!!あれは不慮の事故・・・。」
「問答無用!!」
西条は、横島に向かって、剣を振り下ろす。
「のわっ!」
かろうじて避ける横島。
「・・・避けたね?」
「当たり前だ、バカヤロー!!」
冷や汗をダラダラ流しながら、怒鳴る横島。
「フフフフフフ。今宵のジャスティスは血に飢えている。」
「お前は新撰組の隊長か!?」
命の危機だというのに、ツッコミを入れる横島。
「死ねーーーーーー!!」
「ケーーーーーーー!!」
西条のジャスティスと、ミケロの鞭が振り下ろされるのは、ほぼ同時だった。
「死ぬんやーーー!!もうアカンーーーー!!せめてパツキンのグラマーねえちゃんに囲まれながら、尾崎豊の『15の昼』を歌いたかったーーーーーーーー!!」
泣き叫ぶ横島。
頭の中では、イヤな思い出、特にバレンタインデーの惨劇の場面が、走馬灯のように駆け巡っていた。




バシィッ!!
「グハッ!!」
ミケロの鞭は、横島ではなく、西条の体を叩き付けた。
突然の衝撃と激痛に、西条は膝をつく。
「くっ!横島クンをどうやって殺そうか考えるのに夢中で、すっかり忘れていた!!」
「忘れんなーーーー!!」
ツッコミを入れる横島。
バシンッ!!
「ぬあっ!?」
突如走る衝撃と激痛。
ミケロの鞭が、横島の脇腹に当たったからである。
その場に倒れる横島。
「ぐっ!」
すぐに起き上がろうとするが、脇腹に激痛が走る。
(不味いな・・・・。アバラを2、3本やられたか・・・・。)
横島は、西条の方を見る。
「ぐっ・・・・・。」
西条の右腕から、大量の血が流れていた。
どうやら先ほどの攻撃で、右腕をやられたらしい。
ビシィッ!!
「ぐはぁっ!!」
「西条!!」
再び、ミケロの持った鞭を受けた西条。
何とかしのいだようだが、もう一撃加えられたら、やられてしまう。
「ケケケケケケ。」
ミケロは、鞭を持った右手を振り上げた。
(ここまでかよ・・・・・・。)
そして、ミケロは、勢いよく鞭を振り下ろした。
「ケーーーーーーー!!」





バシィッ!!
「!?」
ミケロの鞭が、突然飛び込んできた光り輝く鞭によって弾き飛ばされる。
「今よ!!」
どこからか、女の声が聞こえた。
横島には、聞き覚えのある声だった。
しかし、今は思い出す暇はない。
横島は、西条に向かって叫んだ。
「今だ、西条!!撃てぇ!!」
「!!」
瞬時に西条は、ホルスターからベレッタM93Rを抜き、ミケロの額に構える。
「間に合えーーーーー!!」
横島は、西条の前に目掛け、3個の文珠を投げる。
その文珠が銃口の前に来た時、西条は引き金を引いた。
"超" "加" "速"
ダーーーーーーン・・・・
超加速した銀の弾丸は、ミケロの額に命中し、そのまま後頭部を突き抜けた。
パリッ
ミケロの仮面が割れ、地面に落ちる。
顔は、とても可愛らしい少年の顔だった。
「ケケケケケ。」
笑いながら、ゆっくり倒れるミケロ。
その間に、顔は老い、皮膚は爛れ、肉も爛れ、倒れた時には、白骨と化した。
「ケケケケケ。」
骨になっても、ケラケラ笑うミケロ。
「ケケケケ、ケ、ケ、ケ・・・・・。」
笑い声が止まった。それは、ミケロの最期を表すものであった。
「・・・・・笑えねぇよ。」
横島は、ミケロの死体を見て、そう呟いた。


「・・・・あんな風には、なりたくないわね。」
右手に、神通棍を握った亜麻色の髪をした女性が、その場から去って行った。


続く

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