ザ・グレート・展開予測ショー

魔女の苦悩


投稿者名:NGK
投稿日時:(03/ 7/20)

―――苦しい。

苦しい。

焦がれる想い。

決して口にしてはイケナイ事。

でも―――その想いを、その事をココロの奥に封じ込めてから一年になる。


・・・辛いよ。


胸が張り裂けそうになるくらい。


ともすれば、アノ人に口にしてしまいそうになる。


「うっ・・・」


漏れそうになる言葉を必死に飲み込む。


「先輩―――どうしたら良いんでしょうか?」

心の中に居る西条に呼びかけた。

「魔鈴くん、如何かしたのか?」

実在する体。西条が其処に居た。

「あ・・・先輩!?」
「悩み事なら・・・僕が聞いても・・・って大丈夫か!?」


西条先輩は同郷の出身であるためか、大学のゼミ内でよく面倒を見てくれている。
普段からその笑顔、その表情がとても爽やかで・・・。
ぎりっ とくちびるを噛み締める。


このヒトにだけは私の想いを知られてはならない。
このヒトのあの笑顔を消してはならない。
―――このヒトの幸せを無くしてはならない。


「・・・なんでもありません」


そう言って魔鈴は立ち去ろうとする。


「待ってくれ魔鈴くん!君の様子が気になるんだ!悩みがあるなら・・・!?」


―――魔鈴は泣いていた・・・。



「ったく・・・どうしたんだ!?・・・僕には言えないのか?」


魔鈴は押し黙ったまま反応しない。


「まぁ・・・確かに、僕は頼りないかもしれないが・・・」
「違いますっ!・・・そんなんじゃありません」


思わず魔鈴は声を張り上げていた。


「先輩は・・・何も悪くはありません!悪いのは―――私です」


そう言うと魔鈴は再び、表情に暗闇を落す。


―――こんな事、気づかなければ良かった。


気づいてから、一年。胸の葛藤と、慟哭と、戦ってきた。


「何をそこまで・・・君は何を抱えているんだ?」


言えば楽になる事は分かっている。

けど―――言えば破滅が待っている。


「言うんだ、魔鈴くん。・・・楽になった方がいい」


どう見ても魔鈴の様子は尋常では、ない。


「君が抱えているのは全て吐き出すんだ」


―――その言葉に癒されていく自分が、居る。


「言って・・・良いんですか・・・?」


魔鈴が西条に、問う。


「本当に、良いんですか?」
「あ、ああ・・・」


西条の霊感が囁いていた。

―――嫌な予感がする、と。








「私は気づいてしまったんです・・・」
























魔鈴の瞳はキラキラ光っていた。




























「先輩が・・・・・・」





















彼女は、おそらく、ずっと胸に閉まっていた事が言えることを確信しているのだ。































「先輩がカツラだってことっ!!」




―――告白の後、魔鈴は気分が快調になり、西条は鬱になってしまったと言うが、それは又、別の話である。




――――――完――――――

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