ザ・グレート・展開予測ショー

最後のシロタマの惑星(前編)


投稿者名:アフロマシーン改
投稿日時:(03/ 7/18)



(眠れない)

パタン

冷蔵庫から、よく冷えたあぶらあげを取り出すと形の良い唇でくわえた。
寝不足の目に朝の日差しがまぶしい。

ガヤガヤガヤガヤ
騒がしい音が外から近づいてきた。

(ようやく来たわね・・・・・・)

タマモはブラインドごしに確認すると、
口にくわえた好物を無造作に食いちぎった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――



          シロタマの惑星/女王



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「あんな罠にひっかかるなんてやっぱり馬鹿ね」

「ばか犬のにおいがぷんぷんするけど・・・・・・」

横島は捕獲されるやいなや、雨あられと憎まれ口をあびせられた。

「もう一度あえいだげよーか♪バカ横島」

横島はとまどっていた。

(ううっ、なんでそろいもそろって、俺の名前を知ってるんじゃ?)

両腕に縛めをつけられ、連行される横島の前後左右には数え切れないほどみっしりとタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモ横島タマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモタマモがひしめいている。

・・・・・・がこの頃の横島はまだタマモを知らなかった。

( ちっ、ガキどもが……ああ、でもあと五年、あと五年あれば射程内なんじゃ〜〜!!そうなれば・・・・・・あーなってハーレムむふふふ)

危機的状況にもかかわらず、妄想の世界に飛びたつ横島。

不気味な笑みを浮かべる横島を、無数のタマモの目が冷ややかに観察している。

「アダルト・タマモさま!!」

「アダルト・タマモさま!!」

「アダルト・タマモさま!!」

横島の妄想は、スコールのような少女たちの合唱で突然に断ち切られた。

「その言い方はおやめといったでしょ?」

どこか見たことのある建物の前に、ブラウス一枚はおっただけの美女が立っていた。他の美少女より10歳ほど大人びている。

「ずっと前から愛してましたーーーーー!!」

横島は、縛めを一瞬でとくと、飛びついた。

「なつかしい・・・・・・この感じ」

横島を見てタマモはぷるぷるっと身を震わせた。

「でもあたしの事は覚えていないようね」

タマモは微笑みながら合図した。

「おやり♪」

タマモ達の狐火が横島へいっせいにとんだ。

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

「あー死ぬかと思った!!」

横島は、事務所の屋根裏部屋でむくりと起き上がった。
見慣れたいつもの事務所。
やけどを負ったはずだが、傷も残っていない。

(あ〜夢だったのか、結局、ん?)

横島は、自分の唇に残る風味に気が付いた。

(油揚げ?・・・・・・の味がする)

月に出かけて以来、これまでのことがなにもかも夢のような気がしてきた。

(ヤバッ!ここにいるってことは、今バイト中?美神さんに見つかったら、しばき倒されて減給されかねん!!)

横島は青ざめるとあわてて、階下に降りた。

「美神さーん!おキヌちゃーん!」

所長室、居間、台所・・・・・どこにも人の気配がしない。
なんとなく、家具などの配置に違和感を感じたが、横島の煩悩がそのシグナルを打ち消した。

「風呂!そうだ美神さんはきっとシャワーを浴びているに違いない!ぐっふっふっふ」

案の定、シャワールームから、水をつかう音がかすかに聞こえる。
横島は音を殺して、忍び込むと手馴れた手つきで、扉の隙間から覗き込んだ。

(ごっつぁんです♪)

煩悩少年の鼻先には、銀色の水しぶきに包まれたいつものターゲットがいた。
美神令子の豊満なバストラインを背後から確認すると、横島の鼻息から蒸気がシュポシュポ噴きだした。
美神は鼻歌を歌いながら、尻尾をふりふりさせている。

(おおっ、前が見えん!こっち見さらせ!)

横島は鼻血を噴出しながら脳内で叫ぶ。

(チチ!シリ!フトモモ!シッポ!・・・え?しっぽ・・・・・・)

くるん♪

シャワーを浴びていた美神が、リズミカルに横島のほうを向いた。

(シロ!?)

横島は、衝撃のあまり声をあげそうになり、ついでシロの身体を確認すると叫んでしまった。

「アダルト・シロ!!」

横島の鼻と耳から、赤いシャワーが噴出した。

「せっ先生のえっちっちーでござるぅ!!」

両手で前を必死で隠したシロが顔を真っ赤にして非難の声を上げた。

「ごっ誤解じゃー!!シロのは覗くつもりはない!てゆーか育ってるぅ!?興味ないわい!!さすがの俺もどっきどっきだぁ!!」

横島は混乱してわけのわからない弁解の言葉を発した。

「先生〜!!拙者のプリチーな裸を覗いといて、その気はないとはなんという無情な言葉でござるか!!さあ、責任をとってくだされ!責任を〜!!」

シロは、目を閉じるとややあごをあげて、横島のまえにひざ立ちになった。

「さあ、せっ・・・・・・拙者を押したおすでござるぅ!!」

横島は、ガツンガツン床に頭をぶつけて流血しながら土下座した。

「出来心やったんや〜〜!、しかたなかったんや〜〜!!」


「くすくすくすくす・・・・・・」

「あっはっはっはっはっは♪」

横島の謝罪もとい言い訳は、バスタブから発せられた笑い声にさえぎられた。

「あ〜〜おかしい、自業自得とはこのことね」

泡だらけのバスタブから、ザバリとすらりとした白い手足がつきだされた。
タオルを頭に巻いた美女が、挑戦的な瞳で横島をじっと見つめている。

(・・・・・・さっきの夢のイイ女か!?いやあのフトモモに見間違いはない!)

横島は心の中で断言すると同時に、シロ(アダルト・シロ)の姿が見えないことに気が付いた。

「タマモさん・・・・・・とかいいましたね?シロは?」

「アンタ、あいかわらずにぶいわね。からかったのよ♪挨拶代わりにね」

タマモは満足そうに答えると、ペロッと小さな舌をだして見せた。

「どういうことだ?」

「こういうことよ」

ふうっとタマモは息を吹き付けて、胸元のあわあわを横島に向けて飛ばした。



・・・・・・


カポーン!

(あ〜〜〜えー気持ちや、疲れがとれる)

横島は、露天風呂の湯にひたっていた。

ガラガラガラガラ!

(んっ誰か入ってきたのか?・・・・・・ああシロか?気持ち良いぞこの湯は・・・・・・シロ!?)

「せんせー!!お背中流しっこするでござる」

(あっ、ちょっとこら、なんちゅー格好してるんだシロ・・・、シロシロシロシロシロシロシロシロシロシロシロシロシロシロシロシロまたいっぱいじゃあ!)

(コラ、そこはさわっちゃいかん!駄目だっておいおいおいおいおい)

ぴと

横島の背中ごしに、まあるいものがくっついた。
そのまま耳の中へ熱い息をふきこんでくる。

(どどど、どういうことです?タマモさん!!)

「うふっ♪こ・う・い・う・こ・と」

タマモはにっこり笑いながら唇を寄せてきた。

(僕は、ぼかーもう、うおおおおお!!横島不肖17歳お願いしまーす!!)

横島はタマモに飛びかかった。

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