ザ・グレート・展開予測ショー

あね・いもうと


投稿者名:斑駒
投稿日時:(03/ 7/15)





姉さん。ことによると私は、ずっと姉さんのことが羨ましかったのかもしれない。

姉さんは、私が手にすることのできなかったものを、持っていたから。

私はいつも表面上は姉さんと対立していたけど、

それも本当は、ただ姉さんの背中を追いかけていただけだった気がする。




姉さんと初めてやりあった夜。

私は姉さんを止めるために必死だった。

でも、あのときだって、

口では色々とゴタクを並べていたけど、ただ単に嫉妬していただけだったのかもしれない。

誰かを愛する気持ちを持った姉さんに……




あれから私も、姉さんと同じように、誰かのことを想う気持ちを手に入れた。

地獄の底までだってつい行く。

そんな強い気持ちを。

それだって、姉さんに影響されてのことだったのかもしれないけれど。

それでも、無いよりはマシに思えた。

これでやっと姉さんに追いついたのだと。

でも……




再び姉さんとやりあう事になったのも、やっぱり夜だった。

戦いに際して、ソッチは二人一緒で、一方のコッチは単独行動。

そのときも、私は、

高速で姉さんたちを追いかけながら、やはり嫉妬を感じずにはいられなかった。

いつでも誰かに傍に居てもらえる姉さんに……




私はずっと孤独だったのかもしれない。

私が想う人はいつだって遠く、手の届かないところにいた。

姉さんが手にして、私が手にできなかったもの。

それは、傍にいてくれる人のぬくもり。

そのためにきっと、私は戦ってきたのだと思う。









ゴメン、姉さん。

姉さんとはいつも対立してばかりで。

私はいつだって姉さんと対当みたいに振舞って来たけど。

本当はずっと姉さんに追いつきたくて、一人であがいてただけだったかもしれない。

でも、今回、姉さんに追いついて…

それで、ちょっと…追い越してしまった……みたい………



サヨナラ、姉さん。

霊波の直撃を受けたせいで、もう……助かりそうも無い。

私は、私が想う人のためにいなくなるけど。

姉さんはせいぜい、姉さんが想う人と生きてよ。

姉さんは私みたいに、一人じゃないんだからさ。

……くっ、意識が、もう………。墜落、す…る…………。

……………………。



















地面の上に、転がる、何か。

その何かの上に、群がる、小さな使い魔たち。

そして……



















「ぽ―――――――――――ッ!!」

掛け声と共に、巻き起こる大爆発。

「近づく?」
「ノー!!」

妹の一途な想いにもかかわらず、
姉との距離は、いつだって遠いのだった。

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