ザ・グレート・展開予測ショー

お手紙


投稿者名:えび団子
投稿日時:(03/ 7/14)



お元気ですか?学校の方は上手くいっていますか?この頃は夏らしくなり、
すっかり暑くなりましたけどお体の方は大丈夫ですか?たまには外に気分転換に行った方が良いですよ。そうしなくちゃ勉強も上手くいきませんよ?!
あっ・・・ごめんなさい!!私、その・・・つい偉そうに言ってしまって・・・
本当にごめんなさい!!・・・・・・・・・・・――――――――――――――













あ、あの〜・・・怒ってません?え、えっとこの前、お手紙頂いた時は本当に嬉しかったんですよ!?だって、あれからずっと連絡なかったし、どうしてるのかな?って思ってたんですよ!変に思うかもしれませんけどあなたが学校で嫌な事はなかったかなって真剣に考えてたんですよ!?日給30円だったけど、お金を貯めていつかみたいにご飯・・・作ってあげようと思ってたんですよ!味見はできないんですけど。けどっ、今なら味見もできますよっ!?私、幽霊だったんですけど生き返らせてもらえたんですよ!!もっと美味しくつくれちゃいますよ!?作りましょうか?作りましょうか?・・・気が早いですね。(汗)あっ、それと遊園地に行きませんか?あの時みたいに・・・。





――――――・・・・・・っキヌちゃん?!・・・・・・――――――――





わ、私・・・子守唄だって歌いますよ!?『ドキドキ、ドキドキ』
何でしたら、お部屋の掃除もしますよ?洗濯物だって・・・『ドクン、ドクン♪』
どうですか?ダメ・・・ですか?『ドキドキドキドキドキドキドキドキッ♪』
私もお手紙・・・書きますね?いいですか!!??『♪♪♪♪』



――――――・・・・・おキヌちゃんっ!?・・・・・・・―――――――――




きっと、楽しい夏になりそうですね♪実家って何処なんですか?海はありますか?山はありますか?虫の音色は聴こえてきますか!?花火祭りはありますか!!??夜の風は心地いいですか?太陽は眩しいんですか??聞きたいことはたくさんあります、けど・・・一番はあなたに逢いたい。





――――――――パチンッ!!!!!!!!!!―――――――――――
誰かの手のひら同士が衝突した音がした。





人間・・・頑張ればどんなことだってできますよ!!生きてるんですものっ・・・

涙が彼女の瞳に込上げてくる。と、その時・・・




「おキヌちゃんっ!!おキヌちゃん!!!!どうしたの!?大丈夫?!」




目の前で美神さんが、おキヌちゃんの肩を抱いて心配そうに見つめている。
どうやら、意識が少しの間なかったようだ。



「あ、美神さん・・・!私っ・・・一体どうしたんですか?」


「分からないわ。突然、眠ったように倒れたのよ!もうっ、心配させないでよっ・・・!!」


美神さんの顔に安堵の表情が伺える。本当に心配してたようだ。割とこういった所は冷血女ではないらしい。おキヌちゃんはしばし、じ〜んと感激していた、自分の身を任せておける人に。



「あれ、その手紙は何なの?おキヌちゃん?」



不思議そうに見つめる美神をよそにおキヌは・・・


「な、何でもないですよっ・・・!!」



           ――――――?――――――














〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜そして夏が来た、熱い夏が・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「じゃあ、行ってきます♪美神さん、よこ・・・!?」

どうやら横島くんの姿がないらしい。

「あれっ?さっきまでいたんだけど・・・。まあ、あのバカはほっといて・・・」

あはは・・・ちょっと、かわいそうにも思いながら横島亡き事務所を後にし彼が新しく居るアパートに足を軽快に運ぶ。一歩一歩を確かめるかのように確実にそして着実に彼との距離を詰めていく。鼓動は最高潮だった。ただ・・・一つ不安が。












「こ、こら!離れろ少年っ!!」

「う、うるせー!浪人のクセにおキヌちゃんをてごめにしよーたあどう言う事だっ!!!!」

そこには、アパートの扉前で戦闘体勢にはいっている・・・いや、もう戦っている二人の男の姿があった。

「なにをっ!僕はもう浪人じゃないんだよっ!」

「貴様〜っ、合格したからっていきなり標準語っぽくなりやがって!しかもなんだっ、眼鏡からコンタクトか?!髪型も変えてやがる!!やっぱり、てごめに・・・」

「黙れ少年!漫画みたいな生活しおって!!貴様の行動などオラが数式で弾き出してくれるわっ!」

感情が昂ぶると昔の言語になるらしい。一部

「絶対てめえには、おキヌちゃんはわたさねえ!この世の全ての女は俺のモンじゃあ〜〜〜〜!」

「自分勝手なっ!君は彼女を愛しているのか?!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ええい、やかましいわい!とにかく、おキヌちゃんは渡せないっ!」

「何だあの間は!ええ、あの間は!?」

こうして、延々と争いは続く。しかし彼女はそんなことに気付く訳でもなく心を弾ませながらやってくるに違いない!ああ、無念。彼女の魅力により狂っていく男達
今一度、夢を見させてくれたもう。・・・そして彼女は




「もうすぐですね♪早く逢いたいなあ・・・けど、横島さんは何処に?」




              チャンチャン♪ 

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