ザ・グレート・展開予測ショー

絶対可憐チルドレン After Story


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 7/13)


『 普通の人々 』による事件から3日が経った―――




とあるマンション。

ここに1人、疲れたサラリーマン風のさえない男が帰ってきた。



はあ〜〜〜
「 う〜〜〜しんどー、あの事件の事後処理で結局本部に泊り込みだったしなー。 」



メガネをかけたこのさえない男は【水元 光(みなもとひかる)】20歳。

内務省特務機関 超能力支援研究局(通称・バベル)に勤める若き主任である―――



「 今日はさっさと風呂に入って寝るか・・・。 」



がちゃっ・・・自宅のドアの鍵を開け、中に入った。



「 おかえりなさ〜い あ・な・た☆ 」

「 ご飯にします? お風呂になさいます? 」

「 それとも、夜のお勤めかしら〜〜〜ん♪ 」




ずどしゃ―――っ  =☆




盛大にこける水元の前に、3人の幼い少女がエプロン姿で出迎えていた。




「「「  どこから入ったーーーお前らーーーーー!!!!!  」」」




「 いやだわ、葵のテレポートに決まってるじゃありませんか♪ 」
「 うちら水元はんが帰ってくるのを待っとったんやで。 」
「 ほらほら、ちゃんと掃除もしてやったんだぜ! そしたらこんなものが☆ 」

ぴらっ・・・
赤髪の少女は水元に、いわゆる“Hな本”を見せた。

「 !! 」
「 あんたも好きねえ〜〜〜♪ 」

赤髪の少女がニヤつきながらそう言うと、水元は顔を真っ赤してその本をとりあげた。

「 やかましい!! お前ら不法侵入という言葉を知らんのかーーー!! 」

「 だってうちらまだ小学生だし――― 」
「 そんな難しい言葉知らないし――― 」
「 それにわたしたちと水元さんの仲じゃないですかー☆ 」


「 うぐぐぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ〜っ。 」



水元はあきらめた。



『 ・・・とまあ、彼女たちが、僕がお世話役として預かっている特務エスパー部隊の少女たちだ。

  このおっとりした子が接触感応力者(サイコメトラー)の【三宮紫穂】、
  人に触れることで人の心を読むことができる。

  僕と同じように、鼻にメガネをかけた関西弁を話すこの子が【野上葵】、
  瞬間移動能力者(テレポーター)だ。

  そしてこの赤髪のオヤジくさい子が念動力者(サイコキノ)の【明石薫】、
  人や物を動かすことができる。

  この3人は国の宝といわれるほど強力なエスパーなわけなんだが・・・・・・  』




赤髪の薫は別の雑誌を2人に広げて見せていた。

「 わ♪ 紫穂も見てみ、この女の人ばいんばいんやん! 」
「 はわ〜〜〜/// 」
ニタ〜〜〜ッ
「 こういうのが好みなんだな。 」

かあっ
「 だから子供がそんなもの見るんじゃない!!!! 」



『 如何せんこの子たちはまだ10歳の子供なんだ!
  異能力を持ってる故に普通の子供とは遊べず、大人の中で育ったからってこんなマセガキに・・・!

  あ〜〜〜もう、誰か叱ってやれる大人はいないのか!?
  いくら貴重なエスパーだからって甘やかせすぎだ!!

  そうだ! 僕はこの前こいつらにガツンと言ってやったじゃないか!
  もっと強気になるんだ!

  そしてこいつらに今度こそ大人の威厳というものを―――――― 』

「 「 ・・・大人の威厳というものを見せてやる!
    ビシバシしばいて、このクソガキどもをまっとうな子供に矯正してやるんだ! 」 」

「 はっ!? 」
「 !! 」

いつのまにか、水元に触れていたサイコメトラーの紫穂が、水元の心の中の声を代弁していた。

ズンッ!

サイコキノの薫が念動力で水元を床につぶしていた。
重力がじわじわと水元に襲いかかる!

「 クソガキだと!? まだ懲りてねえみたいだな!
  この前は大人しく殴られてやったが、今度そんなこと考えたらサソリの毒を目に叩き込むぞ!! 」

ミシミシ・・

「 ちょ、ちょっと待て、僕はそこまで考えてはなかったぞ・・・。(汗) 」

紫穂はしゃがみこんで水元に微笑んだ。

「 うふ♪ ちょっとしたお茶目なのー♪ 」
「 キミのお茶目のために、毎度僕が死にそうな目にあわされるのは勘弁してもらいたい・・・。(泣) 」







 ★   ★   ★





―――で、翌日。


チュンチュンッ

ベランダで鳴くスズメたち。

Tシャツとパンツでベットに寝ていた水元がうっすらと目を覚ます。

ふあああっ
『 朝か・・・・・・今日は休みだし、昼まで寝られるな。
  なにせここんとこ忙しかったからなー。
  おまけに昨日はあいつらがきて大変だったしな・・・ 』


昨晩あの後、子供たち3人が用意した晩飯・・・といっても子供の彼女らが満足に料理ができるワケでもなく、
台所は見るも無残な状態となっており、冷蔵庫はほとんどカラの状態になっていた。
結局は3人がお湯をそそいで準備した即席料理(カップめんとも言う)を食したのである。

その後彼女たちは、テレビゲームやらなんやらで水元と遊びまくった後、葵のテレポートでそれぞれの自宅へと帰ったのである。


ふあああ・・
『 もいっぺん寝よ・・・・・・ 』


もぎゅ


『 ・・・ん? 』


もぎゅもぎゅ


『 ・・・・・・・・・・・・? 背中に違和感が・・・!?(汗) 』


ばっ

水元は布団をめくると、後ろにはパジャマ姿の葵が眠っていた。 ちなみにメガネははずしている。

「 ・・・んあ? 」
「 な・・・な・・・・・・! /// 」

困惑する水元を見た葵は穏やかに微笑んだ。

にこっ・・
「 おはよ、ダーリン☆ 」

「 な、何でおまえがここにいるんだーーーっ!? 」

葵が目覚めると、寝室の扉を開けて紫穂と薫が入ってきた。

「 お、やっと起きたか。 」
「 おはよう、水元さん。 」

「 お、お前らうちに帰ったはずじゃ・・・! 」

「 ああ、帰ろうと思ったんだけど、水元今日仕事休みだろ。
  せっかくだから、あたしらがおめえを東京デジャヴーランドに連れてってやろうかと思ってよ! 」
「 朝食用意してますよ。 トーストとコーヒーですから、今度は大丈夫ですよ♪ 」
「 ダ〜リーン、目覚めのちうなんてどや〜〜〜☆ 」


薫、紫穂、そして水元に抱きつく葵が言うと、水元は右手で頭に押さえた。


『 何からつっこんだらいいものか・・・(汗) 』

「 もちろんレディにおごらせるつもりはないよな! 」
「 ダ〜リーン、昨日のあんたは凄かったわ〜〜〜☆ 」


ぶちっ!


「「「  お前らいい加減にしろーーーーーーー!!!!!  」」」



ちちゅんっ!

ばさばさっ

ベランダのスズメが羽ばたいた。





 ★   ★   ★





―――で、ここは東京デジャヴーランド。


「「「  きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!  」」」


3人の少女はジェットコースターに乗っていた。
水元はベンチで財布の中を覗いている。


「 はあ〜っ、今月は贅沢な生活はできそうにないな。 」

「 水元〜〜〜! 」

薫たちが走ってくる。

にぱっ☆
「 のど渇いた、アイス代くれ。 」
「 お前ら遠慮というものを知らんのか。(怒) 」

水元は千円札を薫に渡し、薫たち3人はアイスを買いに行った。

はあーっ
『 休みの昼に子守りとは・・・僕は何をやっているんだ・・・ 』



一方で3人娘は・・・



「 ソフトクリーム4つくださーい! 」
「 はーい、ちょっと待ってね! 」



「 ・・・ねえ葵。 」
「 なに、紫穂。 」
「 水元さんもやっぱり、ばいんばいんのほうがいいのかな〜? 」

「「 は? 」」

紫穂は自分の胸に手をあてて言った。

「 だって水元さんの家にあったあの雑誌、そういう女の人ばっかだったじゃない。 」
「 そりゃ健全な男たるもの、そんなの普通やろ。 」
「 それはそうかもしれないけど、水元さん、私たちのこと子供だと思ってるのよねー。 」
「 まーあたしら実際子供なんだしな。 」

と、薫が答える。

ぼそっ・・・
「 ・・・私、水元さんのこと好きだな〜。 」


ずざざっ

紫穂の衝撃発言に薫と葵は一歩引いた。


「 だって私、この力のせいで親にも抱かれた記憶がないんだもん。
  私が触れても水元さんイヤな顔しないし〜。 あ〜あ、私が大人だったらよかったのになあ。 」

「 紫穂、本気か!? 」

薫が驚く。

「 ・・・ま、ウチも嫌いやないな。
  なんだかんだいって、うちらをここに連れてきてくれとるし。
  確かにうちらを本気で叱って、あんだけ心配してくれる人は他におらんやろーなー。 」
「 葵まで・・・だけど水元だぜ! 止めといたほうが・・・ 」
「 あんただって、はたかれて反撃せんかったの、水元はんが初めてやないとちゃうかー? 」
「 あ、あんときは・・・! 」

薫は顔を赤くし、戸惑った。

「 ま、嫌なヤツとは一緒にデートできへんってことやな。 」
「 え? デートなのこれ? 」
「 そーやー紫穂、うちはそのつもりやけど。 」


「 はい、ソフトクリーム4つどうぞー。 」


3人はソフトクリームを受け取った。


「 ま、なんにせようちらは子供や。
  子供は子供なりにやってくしかないやろ。 あと5・6年もすれば、立派な大人になる。 」
「 それまでに水元さん、彼女作らないかなー? 」
「 あははは! あの甲斐性なしが彼女作るなんてありえねえよ! 」



離れたベンチから3人を見ていた水元は―――



『 ・・・ったく人の気も知らないでケラケラ笑いやがってー、どうせ僕の悪口でも言ってるんだろうなー。 』



こうして、水元の貴重な休日は過ぎていったのである・・・・・・











―――そして更に離れた所から、双眼鏡で3人の少女たちを覗いていた黒い影があった。



「 間違いない、特務エスパーの3人娘だ! 」

「 あいつらがおとなりさんを・・・! 」

「 いくぞ! 我ら、『 “普通の人々”の隣の住人 』 がおとなりさんのカタキを討つんだ! 」



3人娘に迫るサングラス集団!  果たして『 “普通の人々”の隣の住人 』 とは!?













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―――――――――絶対可憐に続かない♪


 

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