ザ・グレート・展開予測ショー

名もなき星(1)


投稿者名:キリランシェロ
投稿日時:(03/ 7/ 9)

「ここは・・・どこだ?」
周りを見ても闇が広がっているだけで何も見えない。
自分がその闇の空間に立っていることすら実感できない。
闇の空間に立っている自分が自分なのかがわからない。
手探りで自分の体を確認しようと思っても体が動かないのだ。
『横島忠夫』
「だ・・・誰だ!?」
横島は周りを見る。体は動かなくてもなぜか首だけは動かせる。
動かせるといっても180°首を回すなどということはできないため左右に首を動かす程度である。
しかし、首を左右に動かして見ても闇の空間しか存在しない。
『私の姿を確認しようとしても無駄ですよ。私は遠い遠い所から念を送って君の魂に語りかけているのですから』
「俺の魂に・・・?」
『そうここは君の心の空間だ』
「じゃあなんだ。俺の心はこんな真っ暗だっていうのか?」
『いや、それは私がそういうふうに演出しているだけだ』
「勝手に人の心をリホームすな〜!!」
『まあ、そのことは置いといて』
「置いとくな〜!!」
『細かいこと言う人なんて嫌いですよ』
「別に正体不明の奴に嫌われたってなんてことないわ〜!!っていうか好かれたくもない!!」
『正体?・・・そうでしたね。まだ私の自己紹介がまだでしたね。私の名は名無しのごんべいです』
「変な名前だな」
『っていうのは冗談ですよ』
「とっと俺の心から出てけ〜!!」
『私の名はティスリ、魔族ですよ』
「・・・魔族・・・が一体何の用だ?」
『忠告をしに』
「忠告?」
『今後君の命を狙ってくる魔族達が現れるでしょうからご注意を』
「な!!」
『そうそう、私もその一人なので用心しておいてください。では』
「ちょっと待て〜!!」

「何を待てっていうのよ?」
「へ?」
横島の目の前には美神がいた。見覚えのある場所だった。
「あれ?ここ事務所?」
「あんた何混乱してんのよ」
美神は呆れたという表情でソファーで寝ていた横島を見る。
「横島さん起きたんですか」
おキヌが部屋に入ってきた。
「まだ眠いや」
横島は欠伸をしながらこたえる。
「眠気ざましにコーヒーか紅茶飲みます?」
「じゃあ紅茶頼むよ」
おキヌはキッチンに行って紅茶の用意をしに行った。
横島はう〜んと伸びをして外を眺めた。
外は太陽の日差しが眩しい程晴れていた。
しかし、横島の脳裏には心に語りかけてきた魔族の言葉が残ったままだった。


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