ザ・グレート・展開予測ショー

横島とメドーサ(6)


投稿者名:横叉
投稿日時:(03/ 7/ 8)

『ここがその幽霊屋敷ね。』

かなり大きな建物だが全体に寂れていてカラスが何羽も止まっている。
まだ昼間だというのにどこか薄暗く建物全体に妖気が立ち込めている。

『はい。そうです。昼間のうちに片付けてください。
夜になれば悪霊の力が強くなります。』

『それぐらい分かっているわ。こっちもプロよ。』

『それではお願いします。』

『それじゃあ横島君はおキヌちゃんのそばに絶えず付いていて。
横島君は何があってもおキヌちゃんのそばを離れないこと。
ネクロマンサーの笛で屋敷の中にいる悪霊の数そのものを減らして、
シロとタマモで弱った霊をやっつけて。
私は一気にボスの所まで行くわ。
いいわね!?。』

『大体どのくらいの数の悪霊がいるんですか?』

『詳しい数は分からないけど千はくだらないと思うわ。
なにせ屋敷全体が強力な妖気に包まれているから正確な数は分からないの。
でもいくつか強力な妖気があるのは分かるわ。』

『大丈夫でしょうか....。』

おキヌちゃんが心配そうな声で言う。

『なあに、例え何匹いようとも、
どれほど強かろうとも先生と拙者がいれば大丈夫でござるよ。
タマモ、お主に出番は無いでござるよ。』

『あっ、そう。』

(先生といっしょの除霊、
パワーアップした拙者を先生に見てもらうでござる。
そしてその後は.....えへへへ。)

本音はそんな所かしら。

『美神さん、一人で大丈夫ですか。
その悪霊本当に強いんですよ。』

『まあね。
とりあえず先に行ってこれ以上雑多な悪霊を呼び寄せないようにするだけよ。
本当に倒す時は全員で総攻撃よ。文珠も二、三持ってるしね。
心配要らないわよ。』

『なるべく早く行きますから、
無茶しないでくださいね。』

『私に言うなんて三年早いわよ。』

『ははは.....。』

『それじゃあみんな行くわよ。』

バンッ

私達は屋敷の中に駆け込んでいった。

『せいぜいがんばってくださいよ。美神令子さん。
あなた方の実力拝見させていただきますよ。』


そしてその男は消え去った。


しかしこの時誰もそのことには気付かなかった。



バタンッ

ドアがひとりでに閉まった。

その音にみんな後ろを振り向くが、さして驚いた様子は見せない。

この辺は経験の賜物というものだろうか。

見ると辺りは真っ暗だった。
屋敷の中に入り明かりをつけようかと思ったが、電気系統は見事に使えなかった。

そこで、文珠に;明;という念を込めさせて辺りを明るくさせる。

『いいっ。私は最上階のボス所まで一気に行くからみんなは雑魚をよろしくね。』

『『『『はいっ。』』』』

『さあ現れたわよ。』

早速雑魚妖怪が数十匹襲い掛かってきた。
いつも通りおキヌちゃんがネクロマンサーの笛を吹く。

ピューーーピュルルルリーーー

『『『『『『『『『『『『『『ギャーーーー。』』』』』』』』』』』』』』

その笛の音で何匹もの悪霊がこの世から消えていく。

その音に除霊されず、こちらに向かって来るものをシロが霊刃刀で、
タマモが狐火で除霊していく。

私はその間に階段を探し出しその階段を駆け上がる。

『でりゃあーーー。』

後ろで横島君が霊刃刀を振るっている声が聞こえる。

(強いわね.....。)

普段の除霊なら横島君が霊刃刀を振るわなければならないということはまず無い。
何故ならその前にかたがついてしまうからだ。
無論時には振るうこともあるが、
こんなに早くやらなければならないことは今までに無かった。
つまり、ここの悪霊は雑魚でも十分強いということだ。


しかしそれでも横島なら大丈夫、


私はそう信じていた。




バギャーーーーン

ドアをぶち破りそこからはゾンビが5匹ほど出てきた。

バシーーーン
私は神通鞭を振るい一瞬で一匹を地獄に送ってやる。
そして、もう一匹がその後ろから腕を振るって襲い掛かってくるが
それをバックジャンプでかわしつつ返す鞭でもう一匹の頭を吹っ飛ばす。

さらにその後ろからゾンビが飛び掛ってくるのを右に避ける。
右によけた所を目掛けてさらにもう一匹が私に向かって飛び掛ってくる。
それを後方宙返りで避けて地面に着いた後
すばやく振り返り首に鞭を巻きつけ首から上を吹き飛ばす。

残りの二匹が挟み討ちにしようと突っ込んで来る。
私は跳び上がりやつらの頭上を越え、
その上から鞭を使って二匹まとめて首から上を吹き飛ばす。

スタッ

私はゾンビを後にして、階段を探す。
しばらく探して階段を目の前に見つけた。
私がそこに駆け寄ろうとした瞬間、

『ギャルルルル』

ゾンビ犬が出てきた。
パワーは無いがスピードなら私よりはるかに上だ。
私は用心深く相手の出方を見た。

『グルルルルーーーー』

やがて奴が飛び掛ってきた。
私は神通鞭で眼を狙っていく。

バシーーン

眼に見事当たり、苦しんでいる所に間髪入れず、
頭目掛けて鞭を振り下ろす。

バシーーーン

ゾンビ犬もまたこの世から消え去った。

三階への階段を上ろうとする時、
横島君達が階段を上る音が聞こえた。
一階は全て片付いたのだろう。

三階は何も襲い掛かってこなかった。

しかし桁違いの妖気がフロア全体を包んでいた。

そしてその妖気はこの部屋から出ている。

私は覚悟を決めドアノブを握った。
扉を開けたその先には.......。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa