ザ・グレート・展開予測ショー

竹は何でも知っている。


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(03/ 7/ 8)

俺はこの町に生まれてウン百年の竹だ。
ちぃと、霊力の有る奴なら俺の話もわかろうってもんだ。
でだ。
まったく毎年毎年、この時期には俺を飾り付けてな。
と、いっても悪い気はしないがな。
ほら、今日も朝からきてるじゃねーか。
ん?女の子二人ずれだが、女の子といっていいのかな?
「すてーきがたべたい」
「きつねうどんがたべたい」
あちゃー、きょうびこんなお願いをするのが、いるのかよ。
俺よりも、ママかパパに頼みなよ。
あん?何時もと同じこと書いてるって、喧嘩始めたよ。
あーあ、餓鬼の喧嘩は何時見ても・・ほほえましいねぇ。
おんや?今度は親子連れだな?
「二人の娘が幸せになれますよーに」
か。はぁ、人ってのも大変だな。
おんや?子供の方も何かかけたな。どれどれ」
「〜〜〜−−00|」
・・・・・。楔形文字?象形文字?
判らん。全くもってわからん。
「あー、あんたも書いたの?どれどれ?綺麗になりたい、ですって」
大丈夫よ、私の娘だから、だと。
はん。親ばかだねぇ。面白いってか。
おっと、次は視線の鋭い男の子じゃねーか。
「背が伸びますように」
ふむ。見た目は高校生だな。だが、そんなに小さいって程ではないがなぁ。
おやや?誰かと待ち合わせだったのかな?向こうから女の子がきてるじゃないか。
はーん、なるへそ、そういうことか。
何って彼女の方が大きいのさ。
おや?でその彼女も何かかけたな。
「アイツがもう少し素直になりますように」
か。あぁ、こっちも痴話喧嘩してら。ま仲良くやんなよ。会えるうちがいいさ。
俺っとこのボスは会えないンだから、
おっと、次はなんとも奇妙な女だね〜。クソ暑いのに黒服かよ。
「商売繁盛」
はーん。これでも商売屋さんか、そういや、英国料理の匂いがするじゃねーか。
って、お前さん、その手に持ってるのって俺の親戚じゃんか?
あっ、飛んでいった。ありゃ魔女って奴だな。
そうそう、俺に願いをかけるのは何も人間だけじゃねーぜ。
ほれ、そこの幽霊、いや石神様って奴だな。
「今度の防衛線で勝つ!」
それは自分で努力してくれ。
お次は・・と。
「世界平和が訪れますように、アーメン」
・・・。俺の行事は一応仏教系なんだがね。まっよしとするか、神父さん。
あー、今度は爺と女・・?機械かな?
「世界征服!」
・・・あほか。
ンなチェックをしてるうちに何時もの奴がきちまったな。
毎年おんなじことを書きに来る奴。
「モテタイ」
無理!こんな他力本願じゃぁな。
って、おい、誰だ?あの髪の長い女の子は、おやぁ?十分ともててるじゃないか。
しかもこの時分にあわせて浴衣とは粋だなぁ。
願い事は・・と。
「何時までも皆で一緒にがんばりたいです」
あー、がんばりな、と言ってやりたいがね。その二人をこそこそ見守る、
亜麻色の髪の乙女は。
・・・竹の俺に隠れてもしょうがないと思うがね。さて、願い事はなんだい?
「お金儲け」
本当にそれかい?
「・・・アイツの助平が少しでも改善されますように」
あんたら次第だな。

FIN

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