ザ・グレート・展開予測ショー

さらば愛しき女よ(4)


投稿者名:山屋
投稿日時:(99/ 9/28)

 東京は廃墟と化していたが、不思議な活気にあふれていた。バラックに闇市、まるで終戦直後の
フィルムを見ているような光景であった。違うのは高層ビルの残骸くらいであったが、人々の顔は
妙に元気で輝いているようにも見えた。

横島は変装して情報収集する。
「あの馬鹿、一体何やってんだ。」

 その馬鹿は手当たり次第女の子に声を掛けまくり、女子更衣室を覗き、
果ては痴漢行為で捕まったかと思いきや、ゴキブリのように逃げ出していた。
成る程、これでは美神さんが成仏できなかった訳である。

 端から見ていると横島は本当にひどいやつなので、自分の事なのに、
自分の事は棚にあげて、ついにたまりかねて、横島は

「おい」
「何だ、あんたは」
「ルシオラはどうした、ルシオラは」
「ん?魔族か神族か。あんたには関係ないだろう。」
「美神さんも、おキヌちゃんも、もう帰っては来ない。成仏したよ。」
「成仏した・・・て?」
「あんたのこと、よろしくって頼まれたんだがね。」
「うそだ! おキヌちゃんならともかく、あの美神さんが成仏なんかできるわけないだろ。
 俺が死なせたんだからな。絶対に化けて出てくるに決まってるさ。」
「死んだ者はいずれ成仏する。帰っては来ない。」
「・・・・・・・」
「生きている者で生きていくしかないだろ。」

「それがどうした! 魔界に帰るルシオラがどうなろうと、俺の知ったことか。
 すかしてないで顔を見せろ。」
 横島はフードをつかみ、はぎ取る。
「おっ俺?」
「そうだ、お前だ。」
「何の冗談だよ。」
「こんな冗談かな。」
 横島は、『封』『印』の文殊で横島を文殊に封印する。動揺していた横島は
不意をつかれて抵抗もできなかった。

「お前みたいなやつに、ルシオラは渡せないよ。」


 横島がルシオラを探し出したのは、壊れ掛けた東京タワーの上だった。
「ルシオ・・・」
 夕日を眺めているルシオラの頬に、涙が流れていた。

「・・・ちぇ。」



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