ザ・グレート・展開予測ショー

AFTER DAYS!!(12)<蛍と狐の協奏曲>


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(03/ 7/ 6)



「………というわけなのよ。
 今はその眷属を使って通信してるわけね。
 ヨコシマ、聴いてる?」


自分が連れさらわれた理由を話し終えたルシオラ。


「それって神族が名誉を挽回する為にルシオラ達をさらったてことだろ!?
 しかもロクな弁護もしないで裁判にかけるって………
 ………待ってろよ!
 すぐに付けに行くからさっ!!
 まっ、とにかくルシオラにケガとかが無くて安心したけどな。」

「うん♪
 待ってる。絶対ヨコシマが助けに来てくれるって信じてるから。」







「……こほん。
 お話、終わったかしら?」

俺とルシオラの顔が近づいていいムードに………その瞬間にタマモが間に入る。

お茶を濁されて憎々しそうにタマモを見つめるルシオラと
それを意に介さないようにツーンっとそっぽを向いているタマモさん。


ルシオラとタマモが対立するたびに気が気じゃない。

「あ、あのさ………
 そんなことより早くここを脱出して美神さんの所に文珠を取りに行かないと………」



じろっ×2



ヒィッ!!

二人の視線が同時に『そんなことぉ?』と俺に語りかけてくる。
実はこの二人、相性がいいんじゃないのか!?


「ま、その辺の話は後で『ゆっくりと』聞くとして…
 どうやってこの包囲を抜けるかが問題よね。」

「そうね、そういう話は後で『しっかりと』ケリをつけるとして…
 役人達の包囲はそう簡単に破れそうにないわね。」


ルシオラとタマモの目線の間に火花が破裂して
バチバチと音を立てているように見えるのは気のせいだろうか・・・?


「さっきタマモがやったみたいに幻術を使って突破できないねーか?」


そう、タマモが武装したオカルトGメンに幻術をかけて追っ払ったように
広範囲にかけて幻術をかければここから脱出することができるはずだ。


「うーん・・・いいアイデアだと思うけど
 そこまで広範囲の幻術が私に使えるかしら・・・」

と、うつむきながらタマモ。

「範囲については眷属を呼べばなんとかなるけど
 今、ヨコシマの霊力に依存してるじゃない?
 そんな霊力はちょっと・・・・」

と、苦い顔をしながらルシオラ。



うん?

効果範囲に不安があるタマモと霊力に不安があるルシオラ・・・
二人で多重幻術をかければいいんじゃないのか!?
タマモがかけた幻術をルシオラが眷属を使ってこの辺り一帯に増幅。
西条のヤツもここまで予測はしてないだろう。


イケル!イケルぞっ!!


「なあ、ルシオラとタマモの多重幻術ってのはどうだっ!?」






・・・・・・・。
沈黙。





ああっ!またなのか!?
なんでこの二人、こんなに仲が悪いんだ!?!?



「・・・・・言っとくけど、ヨコシマの為だからね。」

「・・・・・当然よ。」


そういうとタマモが幻術を発動させ霊力を練り込みだした。
タマモの霊力が多数の幻に変換されタマモの姿が何人にも見える。

それに続いてルシオラが眷属を使ってこの辺り一帯に幻術を増幅させる。
ルシオラの眷属である蛍の光が妖しく光り
タマモの幻が更にいくつにも増えて広範囲に拡散した。



―――――数分。
たった数分でさっきまであれだけいたオカルトGメンの気配が急になくなった。
ルシオラが増幅させた幻術には催眠効果もあるからだ。
今頃Gメン達は夢の中で俺達を追いかけ回してるんだろう。


す、すごい・・・
ルシオラの幻術がすごいのは知っていたけど
タマモの幻術と併せるとここまでになるなんて・・・
やっぱり、この二人相性がいいんじゃないのか・・・?


「―――ふぅ。
 まさかこんなに上手くいくなんて・・・
 さっ、先を急ぎましょ!!」

「あ、ああ・・・そうだな!!」










―――――静まりかえった山の中では
幻術にかかったオカルトGメン達が寝息を立てながら倒れている。
その中でゆっくりと立ち上がる人影が・・・


ザクゥ!!


自らの手で振り下ろされた聖剣ジャスティスが西条の太股に刺さり
吹き出した鮮血が辺りに飛び散る。

幻術による催眠で強制的に睡魔が襲ってくる。
それに耐えるには更に強烈な刺激を与えてやればいい。
―――――例えそれが激痛だとしても。


「グゥ・・・ッ!!!!
 まさかここまでの幻術使いがいるなんて・・・
 ・・・・だが!!
 ボクはこんなところで倒れるわけにはいかない。
 横島クンを止めるためなら右足の1本くらい惜しくはないっ!!!!」

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