ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その7)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 7/ 6)

跡形もなく消え去ったエードリッヒ城を、横島と西条、そして、リナとアリスが、丘の上から眺めていた。
「危なかったな・・・・。」
「あぁ・・・。」
ヒュッ!!
「へ?」
ドバキャッ!!
「ぶべらッ!?」
某世紀末アクション漫画みたいな声を出しながら、ぶっ飛ばされる横島。
「あぁ・・・、じゃないわよ!!このセクハラ怪人!!」
横島の血で赤く染まった自分の拳を、リナはシルクのハンカチで拭いていた。
「ず、ずびばぜん・・・・・。」
血まみれの状態で、地に這いつくばった横島は言った。
どうやら、自分を抱きしめたまま、城から脱出した横島の行動に、怒っているようである。
「責任、とってもらいましょうか!」
「せ、責任!?も、もしかして、俺の体っスか!?それなら、こっちから先にーーーー!!」
「何を考えてるの!!このエロダニがーーーーーー!!!」
ギュルルルルッ!!
ドバキャーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
リナの超回転コークスクリューパンチが、横島の顔面に命中した。
「ぶべっ!?」
ぶっ飛ばされた横島は、そのまま、巨木と激突した。
「いい!?今日、たった今から、アンタは私の下僕だからね!!」
「は、はひ・・・・・。」
その様子を見て、アリスは微笑む。
「フフッ。仲がいいこと・・・・。」
「ちょっと、違うと思いますが・・・・。」
苦笑しながらアリスに呟く西条。
その時である。
プルルルルッ!
突然、西条の携帯の着信音が鳴った。
「ちょっと失礼します・・・・。はい、西条です。」
アリスから少し離れた所で、通話スイッチを押し、電話に出る西条。
「・・・・・・・なんだって!?メタリア王国が!?」
西条は驚愕の表情を見せた。





ピッ
「何だって!?メタリア王国が征服された!?」
ピッ
「あぁ、丘のところにいた時、ICPOから連絡があってね。メタリア王国が、バルチザン王国に制圧されたようだ。
武力によってね・・・・・。」
ピッ
「それで、あの城ごと2人を消そうとしたわけか・・・。」
ピッ
「そうだ。そして、僕たちの任務内容も変更になった。」
ピッ
「変更・・・・?」
ピッ
「あぁ、リナ王女、アリス王女の救出から、2人の護衛へと変わった。」
ピッ
「また肉体労働かよ・・・・。・・・・・げっ。」
シャカシャカ
ピッ
「我慢しろ。これも任務だ。・・・・・うっ。」
シャカシャカ
ピッ
「う〜ん・・・・・。」
「横島クン、悩んではいけない。時には、決断しなくてはならない時だってあるんだ。」
「決断しなくてはいけない時・・・・・、か。」
ピッ
「・・・・・げっ。」
「フフフフフ。」
ニヤリと笑う西条。
2人は、ホテルの一室で、ババ抜きをしていた。
隣の部屋では、リナとアリスがいる。
シャカシャカ
手持ちの札をシャッフルする横島。
「引けばいいぞ。」
「・・・・・。これだ!!」
「フッ。」
ニヤリと笑う横島。
「く、くそ・・・・・!!」
悔しがる西条。
西条が取ったのは、もちろんジョーカー(ババ)である。
「くっ!さぁ、取りたまえ!!」
シャッフルされた西条の手札から、一枚抜き取る横島。
「・・・・よっしゃ!あがり!!」
「く、くそ!!」
心底悔しがる西条。
一方横島は、鼻歌交じりで、メモ帳に横線を描いた。
「これで俺の20勝目。お前とは10勝も差があるぞ。」
「くぅ〜!!なんという屈辱だ!!この僕が!!」
「お前・・・・、その台詞、今回で20回目だぞ。」
「う、うるさい!」
すでに、男2人のババ抜きは、2時間以上経過していた・・・・。





「不公平だーーーーーーー!!」
「我慢したまえ。決まったことだ。」
「ヤダヤダーーーー!!アリス王女と一緒がいいーーーー!!」
「えぇーい!君は聞き分けのない子供か!!」
じだんだを踏む横島を怒鳴る西条。
「決まったものは仕方がない。君は、リナ王女の護衛についてくれ。」
「西条、代わってくれ。」
「君は、"リナ王女の下僕"なんだから、君がリナ王女の護衛に就くのは当然だと思うが?」
「うっ・・・・。」
言葉を詰まらせる横島。
「とにかく、もう決まったことだ。頼んだぞ、横島クン。」
「ちっ、分かったよ。」
「では、アリス王女。参りましょうか。」
「そうですね、行きましょう。」
西条とアリスは、まるで恋人のような雰囲気で、ホテルから出て行った。
「とても護衛をしているようには見えないけどな・・・・・。」
「コラーーーーーー!!横島ーーーーーーー!!」
「はいーーーーーーーーー!?」
リナの怒鳴り声に驚き、直立する横島。
「なにボーッと突っ立っているのよ!!とっととここから出るわよ!!」
「は、はい・・・・。」
こうして横島は、リナの下僕として、リナと一緒にホテルから出た。





「ちょ、ちょっと買いすぎなのでは・・・・?」
「うるさいわね!!アンタは黙って、荷物を運んでいればいいの!!」
街の歩道を、リナと大量の荷物を持った横島が歩いていた。
「それに、街での買い物は楽しいのよ。」
「楽しいって、前に街とか行ったことはないんスか?」
「7歳の頃、一度だけね。」
「・・・・・・。」
「毎日、城の庭園で遊んでたわ。
けど、いつも遊んでくれるのは、メイドとお姉さんだけだった。
街に行きたくても、行けなかった。
私は、自由じゃなかったのよ。」
そう言ってリナは、哀しい表情になる。
「けど、今は自由じゃないっスか。」
横島は、笑顔を作り、言った。
「・・・・・そうね、ありがと。」
微笑むリナ。
そんな時、リナは誰かとぶつかった。
「わっ!」
「きゃっ!?」
互いにぶつかった2人は、その場で転んでしまう。
「ちょっと、ちゃんと前を見なさいよ!!」
「それはこっちのセリフ・・・・・。」
リナとぶつかった者は、横島の顔を見て、驚いた。
横島も驚いた顔をする。


「よ、横島クン・・・?」
「み、美神さん・・・?」


続く

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