ザ・グレート・展開予測ショー

彼の大きさ(10−0.5)


投稿者名:ANDY
投稿日時:(03/ 7/ 5)

 病院にある会議室に、異様な外見の面子が集まっていた。
 ギブスなど痛々しい姿をしている男たちと、これといった外傷が見られない入院着の女性たちだった。
「ったく、一体何が起こったってんだ?」
「雪之丞さん。そんな全身ギブス姿で言っても迫力はないんじゃガノー」
「ほっとけ!お前だって、その巨体で車椅子に乗るな!それ何台目だ!」
「ひ、ひどいですジャー!」
「まあまあ。二人とも落ち着いて」
「ううう、ピートさん。じゃが、ピートさん、その透明人間のコスプレはどうかとおもうんじゃが」
「コスプレじゃありません!」
「う、うう」
「先生。大丈夫ですか?」
「ああ。大丈夫だよ」
「そ、そうですか?(全身ギブスのその姿で言われても)」
 そんな、病院らしからぬ空気の中に全員を集めた人物が現れた。
「皆さん、おひさしぶりなのねえ〜」
「ヒャクメ(様)?!」×11
「おひさしぶりです」
「ジーク?!」×11
「・・・久しぶりでチュね」
「パピリオ?!」×11
「よ」
「べスパ?!」×11
 ヒャクメを筆頭に、魔族三人が入ってきたことに、その場にいた全員が驚きを隠せなかった。
 若干、なぜか殺気をまき散らしているパピリオに対して、全員腰が引けていたが。
「ちょ、どうしてあんたらがここに?」
「警備のためです」
「警備?」
 令子の疑問に、ジークは答えた。
「はい。ジャッカル一派から、あなたたちがまた狙われた場合に対処するためです」
「ま、私達がいりゃあそうやすやすと遅れはとらないからね」
「そういうことなのねえ」
「う〜〜〜〜〜〜」
 状況説明をする三人の側で、ひたすら唸っているパピリオ。
 どうしたことか、と思っているところに、疑問の声が上がった。
「あの〜」
「はい?ナンナノネ?オキヌちゃん」
「シロちゃんとタマモちゃんは?もしかして、二人とも怪我がひどいんですか?」
 オキヌの言葉を聴き、全員がヒャクメたちを真剣な表情で見た。
 その視線を受けて、ヒャクメたちは頬を引きつらせていた。
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 訂正。パピリオは唸り声をより強く上げていた。
「え〜と」
「その」
「なんだ」
 どうも歯切れの悪い三人。
 そんな様子をいぶかしんでいるところに、パピリオは爆弾を落とした。
「う〜〜〜。やっぱり私もいく出チュ!」
「こら!パピリオ!!」
「離してくだチャイ!べスパちゃん!!敵にさらわれた、バカで低脳で迷惑をかけるしか能のないあの二匹を助けに行くんでチュよ?何でとめるんでチュか?!」
「・・・して、その心は?」
「あの二匹だけが私のヨコチマに会うなんて、たとえ最高指導者が許しても私は許さないでチュ!!だから離してくだチャイ!!!」
「だから、だめだっていってるだろう!!」
 そんな姉妹ケンカを見ている面々は次の瞬間叫んでいた。
「横島(君)(さん)だってえええ(ですってえええ)?!!」×11
「うわ?!」×4
 突如として発生した超音波攻撃に四人は耳を抑えて蹲った。

〜十分後〜
「さあ、きりきりと説明してもらいましょうか」
「何をなのねえ?」
「とぼけないで!!さっきパピリオが言ったことよ!!!・・・横島君は、その、帰ってきたの?」
 前半は大声で、後半になると、縋るような、泣きそうな声で、令子はヒャクメに尋ねた。
「・・・ふう。まあ、意地悪はここまでにして、お答えするのねえ。美神さんが聞いたことについてなんですが、横島さんは帰って来たのねえ」
「本当?」×11
「本当なのねえ。ちなみに、皆さんを助けたのも横島さんなのねえ。誰か思い出しましたかなのねえ?」
「へ?どういうこと」
「まあ、それは後で説明するとして、今の状況を説明すると、犬塚シロとタマモの二人は、敵の手につかまってる状態なのねえ。で、その二人を救出するために、小竜姫、ワルキューレ、そして、横島さんのドリームチームが出向いてるのねえ」
「異議ありでチュ!!ワルキューレや小竜姫なんかよりも私のほうがドリームチームにふさわしいでチュ!!!」
「だあ!パピリオ、頼むから黙ってな!!」
「な、なぜでちゅか?!べスパ・・ムグムグ!!」
「ああ〜、続けてくれ」
 なぜか、小さな女の子一人が丸々納めることができそうな袋を結界用ロープでぐるぐるに縛っているべスパに、その場にいた全員は目を合わせないようにした。
「え、え〜と。つ、つまり。横島さんは帰ってきたには帰ってきたんだけど、今出かけててここにはいないのねえ。何か質問は?」
 額に流れる汗をぬぐいながら、ヒャクメはたずねた。
「ねえ」
「はい、美神さん」
「あんたがさっきから言ってる、あの時って?何があったのか教えてくれない?」
 令子の質問を全員が持っていたのか、皆いっせいにうなずいていた。
「う〜ん」
 その言葉を聞き、ヒャクメは何か思案する顔をしたが、すぐに自分の端末を取り出した。
「百聞は一見に如かず、なのねえ。あの時何があったかお見せするのねえ」
 そういって、ヒャクメは操作をした。
「ちょっと待った!」
「?なんなのねえ?」
「みんなコーヒーでいい?」
  ズテーーーーン!!
 いつの間にか携帯片手に、どこかに飲み物の注文をしている令子に、皆ついていけずこけてしまった。

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