ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その6)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 6/24)

左の部屋にて・・・

「・・・・アンタ、誰?」
黄色いドレスを身にまとった少女が、横島を指差す。
「へ?いや、誰って・・・・。」
突然の質問に、戸惑う横島。
「アンタ、自分の名前も知らないの?バッカじゃない!?」
その言葉にカチンとくる横島。
「じゃ、アンタは誰なんだよ?」
「アンタですって!!アンタ、この私、リナ・ルア・メタリアをアンタ呼ばわりするとは、いい度胸してるじゃない!」
「へっ?リナ・・・・・。ってことは、アンタがメタリア王国の第二王女!」
驚愕する横島。
「そうよ!私がリナ・ルア・メタリア王女よ!そんな私をアンタ呼ばわりするなんって!!」
ツカツカツカ
横島に近づくリナ。
そして、


「この無礼モンがーーーーーーー!!!」


ドバキャッ!!
「ぶッ!」
リナの鉄拳は、横島の顔面に命中し、横島はぶっ飛ばされ、壁に激突した。
「ったく!!これだから凡人は嫌いなのよ!!」
「す、すんまへん。あん、貴女がリナ王女とは気付かなかったもので・・・・。」
「うわっ!あ、アンタ、生きていたの!?」
一瞬の内に全治した横島に、驚くリナ。
「丈夫なのが、取り柄っスから。」
「丈夫って・・・・、ゴキブリみたいね、アンタ。」
苦笑するリナ。
「ところで、アンタ誰なの?」
「俺っスか?」
「アンタしかいないじゃないの。」
「よ、横島忠夫っス。」
「邪ね・・・。どおりでスケベそうな顔してるワケね。」
「字、違ってますよ。」
「わ、分かってるわよ!!」
横島の指摘に、慌てるリナ。
「で、その横島が、私に何の用なの?」
「何の用って・・・。あ、思い出した。貴女を助けに来たんスよ。」
「は?私を?」
「えぇ。貴女を救い出すために、俺がここに来たんスから。」
「イヤ。」
リナが言った。
「は?」
「だ・か・ら!イヤだって言ってるの!!なんでアンタみたいな不細工な男に助けられなきゃならないのよ!
私を魔の手から救い出してくれるのは、白馬に乗った王子様って、昔から決めているの!!」
「いや、そんなコト言われても・・・。」
「うるさい!!とにかく、とっとと、ここから出て行って!!」
その時である。
ドゴゴゴ!!
「!! 危ない!!」
「キャッ!?」
リナの手を握り、横島は、リナと一緒に、窓際へと移動する。
次の瞬間、先ほどまで、横島とリナがいた場所に、黒い壁が数枚現れた。
「火角結界!しかも、この大きさだと・・・・。」
「とっとと離しなさいよ!!」
バキッ!!
「ぶっ!?」
自分の手を握ったままの横島に、鉄拳を喰らわすリナ。
「す、すんまへん・・・。って、こんなコトやってる場合じゃない!!」
横島は、リナを抱き上げる。
「ちょ、ちょっと!!」
「あと5秒!!しっかり捕まって下さい!!」
横島は、窓を蹴破り、そこから飛び降りた。
「キャァァァァーーーーーーーーーー!!」



横島が、左の部屋に入ってから1分後の時、右の部屋にて・・・

「ということは、貴方が、私を助けに来たというわけですのね。」
「え、えぇ。まぁ・・・・・。」
西条は、右の部屋にいたメタリア王国第一王女アリス・レア・メタリアを、紅茶の時間(ティータイム)を過ごしていた。
「まぁ・・・・・。」
驚いた表情を作るアリス。
「それは大変ですわね。」
「あの・・・・。話の内容、分かっています?アリス王女。」
「えぇ、貴方、いえ、西条様が、私を助けに来たというお話でしたわね。」
「え、えぇ。貴方の妹君のリナ王女も、僕の部下が助けに行っています。」
「まぁ・・・・・。」
再び驚いた表情をするアリス。
「と、とにかく、このままボーッとしていても仕方ありません。早くここから脱出しましょう。」
「分かりました。それでは、おんぶしてくれませんか?」
「・・・・・・え?」
「私、走るのが苦手なんですの。」
ニコリと笑うアリス。
普通なら、苦笑するはずなのだが・・・・。
「はぁ・・・・。」
西条は、その場でしゃがみ、アリスをおんぶする。
そして、部屋を後にし、階段を下りていく。
カツカツカツ・・・・
ゴゴゴゴ
「ん?」
西条が後ろを振り向くと、土で作られたような壁が現れていた。
「土角結界だと!?くっ!!」
西条は、階段を下りるスピードを上げた。
ドドドドドド!!
後ろでは、次々と土角結界が現れ、先ほど、西条がいた段にも出現していた。
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
怒涛のごとく、階段を駆け下りる西条。
途中で、扉を見つけ、そこから外へ出た。





「西条、無事だったのか!?」
「横島クン!!」
西条は、外でリナを担いだ横島と合流した。
「感動の再会・・・じゃないが、話は後だ!とっととここから逃げようぜ!!」
「あぁ!!」
庭園を抜け、城の敷地内から脱出する横島と西条。
それと同時に、エードリッヒ城が、巨大な爆音と共に、跡形もなく消え去った。



「・・・あの2人、なかなかやりそうね。」
1人の女性が呟いた。
「フッ。ブタもおだてれば、木に登るといいますからね。」
長髪の美形の男が言った。
「ケケケケケ。」
仮面をつけた少年が、ケラケラ笑う。
「せいぜい、姫を守る騎士になってもらいましょう。フフフフ・・・。」
1人の少女が笑った。
メイド服が、よく似合う少女だった。


続く

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