ザ・グレート・展開予測ショー

かていりょうり〜RUIさんに捧げます(笑


投稿者名:hazuki
投稿日時:(03/ 6/20)

好きに、続きがあるのしってます?


美神令子は不機嫌だった。
もう、不機嫌度MAXである。

とんとんと、机を指で叩きながら頬ずえをつきおもいっきし座った目で目の前の光景を見ている。

今日は天気も良好。
仕事も大きな儲け話を一個片付けたばっかしで、懐具合も上々である。
明日にも仕事は入っているし商売繁盛である。
おきぬちゃんの作る料理は美味しいし、シロタマコンビもやかましいけどなんだかんだで馴染んできた。

なのに、である。
なのに、面白くない。

別に特別なことを何をしているわけでもないのである。

おきぬちゃんはいつものとおり、美味しいご飯を用意してくれてるだけなんである。
それを横島くんが美味しそうに食べたりして、あまつさえ、
「料理の出来る女の子っていいよね〜」
と満面の笑顔でいったことぐらい。
どうでもないったらどうでもないのだ。

別に自分は料理が下手なわけではない。
─が、横島には(ある魔法料理対決の時以外)つくったことがないだけで。

自分が料理を作るとこを、横島が見たいなあっと言わない事なんてどうでもいいのだ。

ただ、なんとなく面白くないだけなのだ。





「…でも何年もちゃんとしたのしてないから…なあ」

「なにがですかっ」

ぼそっと美神が呟くと同時にふってくる声。

「えっ?」
ふと顔を上げると、目の前に横島がフシギそうに覗き込んでいた。

「なんでいるの?」
おきぬちゃんと買い物の手伝いにいくって言ってたのに?と言うと
「もうそんなん終わってますよ」
と横島は笑いながら言う。

「で、さっきからずうっと美神さんが機嫌わるそーだったからちょっと気になって」
ぽりぽりと、頭を掻きながら横島。

「別に、なんでもないわよっ」
美神は、ぷいっとそっぽをむく。
本当なら、ここで本当の理由(?)を言うのだろうが美神にそんなことできるわけもない。

が、そんな反応にも、恋に腐ったオトコ(笑)には可愛くそして果てしなく魅力的に見えるらしい。

思わず襲い掛かりたくなる衝動を抑え
(ここで襲った日には、十倍返しくらうこと間違いなしである)

「なら、いいんですけど」

とぐっと足を自分デつねったまま、顔だけはにこやかにそう言った。

一方美神は、年下の横島にそんなふうな態度をとられると、どうしていいのかわからなくなる。
と、いうかこんな態度を取ってる自分のほうが子供っぽく思えるのだ。

自分の方が年上なのに。
だけどこんな事言えるわけもない。

(アンタに自分の手料理たべさせてあげたいなんて─)

むうっと頬を膨らませたまま、美神は

「あんた、今度魔法料理の実験台になりなさいっ」

とのたまわった。

「……え?」
ぴしっとその言葉に横島の動きが止まる。
(どうやら嫌な事を思い出しているらしい)

「……………なに、なんか文句ある?」
そんな横島の表情を見てか、満面の笑みで美神。

鬼である。
惚れてる女にこんな顔されて断れるわけがない。


「……イイエヨロコンデイカセテイタダカイマス」

はらはらと涙を流しながら、横島はそう答えた。

「よろしい」



後日談
本屋にて、美神が「誰にでも出来る家庭料理」を購入していたりする。
さてさて誰に食べさせるのやら。


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