ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その5)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 6/19)

「痛ぅ・・・・・・。」
頭を擦りながら、横島はゆっくりと体を起こした。
辺りを見回すと、そこは巨大なドームであった。
「やっと目が覚めたみたいだな。」
横島が隣を見ると、口に咥えたタバコに、ライターで火を点ける西条の姿があった。
「西条、ここはどこだ?」
「城の地下ドームみたいだな。」
「どっから落ちたんだ?俺たち。」
「・・・・さぁな。」
そう言うと、西条は立ち上がり、吸っていたタバコを地面に投げ捨てる。
「横島クン、行くとしよう。」
「行くって・・・・、どこへ?」
「決まっているだろう。出口を探すんだ。」
「体力が消耗するだけだと思うんだけどなぁ。」
「・・・・ならば、隣にいる人と一緒に居たまえ。」
そう言って、西条は去っていく。
「隣にいる人・・・・?」
横島は、西条がいた方向とは、反対の方向を見る。
そこには、とてもグラマーで美人だった女性の・・・・・・・・・・・、


ミイラがいた。


「ーーーーーーーー!!ま、待ってください!!西条さん!!」
少し涙声になりながら、横島は、西条の後を追った。






2人は出口を探すため、巨大ドームにあった出入り口に入り、長い通路を歩いていた。
コツコツコツ・・・・
2人の足音だけが、通路に響き渡っていた。
カチッ
「ん?」
2人の耳に、スイッチを押した時の音が聞こえた。
それから数秒後、
・・・・・・・・ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
向こうから、大量の水が、濁流のごとく迫ってきた。
「「うわーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」
逃げる2人。
しかし、水流は、しつこく2人の後を追う。
逃げてる途中、通路は左と前に分かれていた。
2人は左に曲がり、横島は"壁"の文珠を使い、水流がこちらに流れるのを防いだ。
「し、死ぬかと思った。」
2人はそのまま、通路を歩く。
今度は、左右に通路が分かれており、、2人は右に曲がった。
カチッ
「ん?」
2人の耳に、スイッチを押した時の音。
そして、
♪ぱっぱらっぱ〜 ぱ〜ぱぱ〜
♪ぱっぱらっぱ〜 ぱ〜ぱぱ〜ぱ〜ぱ
某有名冒険映画のメインテーマソングが聞こえてきた。
「まさか・・・・。」
2人は後ろを振り向く。
ゴロゴロゴロ・・・・・・・
「「ギャーーーーーーーーーー!!」」
巨大な岩が、転がりながら、2人に迫ってくる。
脱兎の如く駆け出す2人。
少しずつ距離と縮めてくる巨岩。
「こうなったら・・・・!!文珠!!」
「ま、待て!!横島クン!!」
西条が横島の行為を止めようとしたが、遅かった。
ドゴーン!!
"爆"の文珠によって、四散する巨岩。
それと同時に、爆風によって吹っ飛ばされる2人。
通路の中は、爆発の際に出た煙でいっぱいになった。





「何故だ、何故僕がこんな死ぬような目に遭わなければならないのだ!横島クンだけならともかく・・・!!」
「だから!!悪かったって言ってるだろうが!!」
爆風によって、ボロボロになった2人は、通路を歩いていた。
『ギシャーーーーー!!』
「くっ!!ていっ!!」
ズバッ!!
『ギャーーーーーー!!』
「横島クン・・・。今ので何匹目だ?」
「さぁな。結構倒してきたからな。」
ふぅ、と溜め息をつく横島。
実は1時間前から、食屍鬼(グール)が現れるようになったのだ。
今のところ、横島が40匹、西条が48匹倒している。
西条の方が多いのは、キャリアの差というものなのか・・・・。
「しっかし、出口はまだなのか?もう長い間歩いているような気がするぞ。」
「何を言っているんだ、君は?ドームから出て、まだ40分しか経っていないぞ。」
「何だって!?」
「とにかく、先を急ごう。」
2人は、再び歩き始めた。
それから10分後・・・・・。
「また分かれ道か・・・・。」
今度は、左右に通路が分かれていた。
しかし、その通路は、今までと違っていた。
「階段が2つ・・・・・?」
左右の通路の奥に、上り階段があったのである。
「・・・・・・・西条。」
「ん?」
「俺は左の階段を上る。お前は右の階段を上ってくれ。」
「君に命令を受けるのは気にくわないが・・・・、いいだろう。」
「決まりだな。生きてたらまた会おうぜ。」
「僕としては、君が死んでくれた方が嬉しいがね。」
「俺もお前が死んでくれた方がいい。」
「ふっ、嫌な奴だ。」
「テメェもな。」
2人は、軽く笑みを浮かべた。
その後、横島は左の階段を、西条は右の階段を、それぞれ上っていった。






数分後、それぞれの階段を上った横島と西条。
階段の先にあったのは、扉だった。
2人は、自分の目の前にある扉を開ける。
扉を開くと、そこは大きな個室だった。
そこにいたのは・・・・。


「・・・・アンタ、誰?」
「へ?いや、誰って・・・・。」

「あら、お客様?」
「貴女は・・・・。」


続く

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