ザ・グレート・展開予測ショー

横島とメドーサ(2)


投稿者名:不定期連載
投稿日時:(03/ 5/30)

「でも横島さん気をつけてください。
あなたの命を狙っているのはメドーサだけじゃないんですから。」
「はい。」
そう、小竜姫様の言うとおり俺はアシュタロスの事件以降
いろいろな連中から命を狙われてきた。
あの事件から三年が過ぎてるというのに未だに俺を狙う者が後を絶たない。
俺を狙ってくる主な理由はあのアシュタロスを倒した男を殺れば
裏の世界でいろいろと仕事がやりやすくなるからというからということのようだ。
無論俺はその全てを撃退してきた。
あの事件の後すぐに妙神山に向かったことが大きいようだ。
俺はそこでめきめきと力をつけ小竜姫様をはるかに超え、
霊力も五千マイトを突破した。
俺は力がほしかった。
愛するものを守り、あのような悲劇を二度と繰り返さないためにも....。
しかしそんな俺でも斉天大聖にはまだ勝てないでいる。
だが三年という月日で変わったのは俺だけではなかった。

美神さんは世界最高のGSとして(世界最強はちなみに俺)S級をとり美神隊長のような冷静さが仕事以外でも、そして仕事では今まで以上に発揮された。

おキヌちゃんは六道女学院を卒業して世界で四人のネクロマンサーの一人としてその名を世界に轟かせ、現在ネクロマンサーの後継者育成のために世界各地を飛び回っている。

シロは霊刃刀をよりいっそう磨き上げ刃わたり2メートルほどのものを出せるようになった。現在は元服のために里帰りしている。

タマモは妖孤としての色気が体中からあふれ出すようになった。
狐火も幻術もさらに強力なものになり以前の玉藻前としての力を取り戻しつつあるようだ。現在は除霊の仕事で遠くまで行っている。

しかし三年という月日はいいことばかりを運んでくれはしなかった。
あの事件以来GSという職業は世間に広く知れ渡ったがそれだけに力のない者の除霊中の事故、および妖怪に詳しくないものが害なきものを除霊したために起こる反作用の事件が急速に増加した。
そのため各地の妖怪達の人間に対する怨みは来るところまできていた。
これを機に魔族の過激派が行動を起こそうとしているという噂など毎日のように俺の耳に飛び込んできた。
そんな中過激派で有名なメドーサの復活は世界全体に対して脅威を与えるのには十分過ぎる話だろう。
これを契機に人間と妖怪と魔族の間で大戦争が起こるのではと危惧しても不思議はなかったろう。


「小竜姫様、この話はどれぐらいの人が知っているんですか?」
「Gメンの幹部以上のものと一部の神族、魔族だけです。
民間人で知っているのはあなたたちくらいです。」
「そうですか....。」
なるべく大勢の力を借りたかった俺にとっては事情を知る者は少しでもほしかった。だが、少数にしかこの事実を話さなかったのは正解だろう。
並のGSに話しても尻込みするだけだろうし、
かえって混乱を招く恐れもあった。
「それじゃ美神さん俺仕事いってきます。」
「な、何言ってるんですか、横島さん
私はあなたに仕事をキャンセルして落ち着くまで安全なところにいるよう言いにきたんですよ。」
「でもどうせメドーサは二、三日中は来ないしメドーサが現れたらこういう除霊もできなくなるわけですから。」
「しかし....」
「俺なら大丈夫ですよ。大概のやつなら返り討ちにできますから。」
「でも...や「わかったわ。横島君行ってきなさい。ただしこれが最後の除霊よ。
そして終わったらまっすぐに帰ってくること。いいわね?」
「はい。」「ちょっと美神さんまで....。横島さんをお願いですからとめてください。」
「それじゃ行ってきます。」
「ちょっと横し「いってらっしゃい。」の話を...」
そこで俺の耳から二人の声は途切れた。
事務所を出る瞬間になって不意に俺の脳裏にシロとタマモがでかける前に俺に言ったあの言葉
「気をつけてね。」がふとよみがえってきた。
この言葉の意味はあの時は分からなかったが今は手に取るように分かった。
あいつらはこのことを言っていたのだろう。
....

俺は行きの飛行機の中でメドーサの復活した理由についていろいろと考えてみた。
しかし結局分からなかった。
....

依頼場所で待っていたのは一人の痩身の女性だった。
なんでも村に妙な魔物が時折やってきては悪さをするから退治してほしいとのことだ。
俺はすぐにその妖怪を退治するために依頼者からなるべく細かい情報を聞き出した。
するとその妖怪はなんでも山奥のほうにねぐらがありそこに普段はいるとのことだ。
俺は美神さんや小竜姫様を心配させないためにもなるべく早く帰りたかった。
美神さんも口では心配していないように見えるが心の奥底では心配しているというのがなんとなくだが分かった。
そして妖怪のねぐらに着いた。
そこにいたのは熊の妖怪だった。
俺は襲い掛かってくる熊の横を跳び横から霊刃刀で一刀両断にしてやった。
胴体を真っ二つにされて蠢く熊に俺は文殊に
:逝:
の文字を思い浮かべ熊の妖怪に使った。
そしてその妖怪は跡形もなく消え去った。
依頼者に仕事完了の報告を伝えようと思い穴から出て下山しようと思った、

その時、


ズドーーーーーーーーン

という音とともに俺がついさっきいた場所に大きな穴が開いていた。
俺はとっさに飛びのき何とか助かった。

「さすがだねえ。あれを避けるなんて。」
振り返ったそこには....




メドーサがいた。

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