とら、トラ、虎!29) 第4章!事務所編スタート!
投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 5/30)
■魔法料理 魔鈴 本日貸切■
10月4日、GS資格試験の夜、魔鈴の店でGS合格パーティーが行われていた。
美神が乾杯の合図をとる。
「 ―――とまあ、水樹ちゃんとアンちゃん、ついでにカオスとメゾピーは残念だったけど、
おキヌちゃん、早苗ちゃん、聖羅さん、
それから首席のタイガー、GS資格試験おめでとう! 乾杯ーーー!! 」
「「「「「 かんぱ―――――い!!!!! 」」」」」
がつがつっ
「 こらうまい! こらうまい! 」
「 あ、それは拙者の肉でござる! 」
「 みなさーん、どんどん食べてくださいね〜! 」
《 ・・・なんか毎回出だしが同じのような気がするニャ〜。 》
貧(もと貧乏神)とシロが魔鈴の料理にがっつく中、魔鈴の使い魔の黒猫はそう思った。
そして隣りのテーブルでは、おキヌが美神や弓に祝福されており、
更に隣りのテーブルでは、ピートの左右の席に、アン・ヘルシングとエミが座っていた。
「 ピートおにーさま! あーんして☆ 」
「 おたく、ピートから離れなさいよ! 」
「 ふ、2人ともちょっと・・・!(汗) 」
その様子を見ていた六女D組の春華と、唐巣の弟子の聖羅は・・・
「 あんたも大変ね。 これからあんなコ(アン)が妹分になるなんて。 」
「 ううっ、それを考えると頭が痛いですわ。(汗) 」
そのアンを見て、聖羅はため息をついた。
一方で、タイガーの周りには、一文字やD組の洋子、六女G組の生徒が集まっていた。
「 それにしてもまさか首席合格とはなー! 正直また2回戦で負けると心配してたんだぜ! 」
「 いやー一文字サン、自分でもびっくりしとりますジャ! 」
「 ほんとあなた、強くなったわよ。 1年前とは大違いね。 」
「 仙香サン・・・。 」
去年の資格試験2回戦でタイガーと戦い、勝利した仙香が言った。 そこに学校妖怪の愛子が加わる。
《 それでタイガークンはこれから除霊事務所を起こすんでしょ?
GS資格試験首席という肩書きがあれば、すぐに有名な事務所になっちゃうんじゃない。 》
「 そうや、なんならうちを従業員に雇わへんか? 」
「「 えっ!? 」」
洋子の発言に、一文字と水樹が驚いたように反応した。
「 あと半年でうちらも卒業やし、それまではアルバイトってことで。
どうせうちはまだ、どこの事務所にも属しとらんからな。 」
「 あ、だったら私も! 腕のいい助手は必要だろ? 」
「 い、一文字サン・・・。 」
「 あ、あのー私も――/// 」
『『 がんばれー水樹ー!! 』』
照れながら挙手する水樹を、同じクラス(G組)の仙香と亜美は、陰で応援していた。
「 じゃ、じゃがワシー、まだ持ち合せがなんもなくて、人を雇う余裕なんか――― 」
「 そんなのわかってる。 しばらくは弟子入りってことでかまわねえよ。 」
「 一文字サンそんな! 先に資格を取ったのは、一文字サンたちのほうじゃし――― 」
「 んなの気にする必要ないって。 実力じゃあ、私たちより上なのはわかってるから! 」
「 う・・・そうやノー、どのみち1人じゃ除霊仕事はできんからノー・・・。 」
「 だろだろ! 」
「 ん! こんなワシの所でよければ、ワシのほうからお願いするですジャ! 」
「 よっし、決まったー!! これで就職活動の心配もないしな♪ 」
「 あなたねー。(汗) 」
一文字の言葉にあきれる弓。 その隣りで洋子は、タイガーのグラスにシャンパンを注いだ。
「 所長! シャンパンやけど、まあ飲め飲め! 」
「 よ、タイガー所長! イッキ、イッキ!! 」
「 ごくごくごくごくごく・・・・・・・・!! ゲホガホッ!! 」
「 タイガーさん大丈夫!? 」
むせるタイガーにタオルを持ってくる水樹。
『 トラ男の周りに女が群がってる・・・・・・人間って、不思議ね。 』
ジュースを飲みながら、人間観察をするタマモであった。
翌日、タイガー・水樹・早苗・メゾピアノの4人は、両親や師匠への報告に、それぞれの神社・学校へと戻ったのである。
◆
■神野神社本堂■
「「 申し訳ありません!! 神野師匠!! 」」
神野夫妻とタイガー・水樹は向かい合っており、タイガーは、師匠である神野父に土下座していた。
神野父は、タイガーと同じぐらいの大男で、心理攻撃に関してはかなりの実力者である。
「 タイガーさん、誤る必要なんてないわ。 勝負は勝負だったんですから! 」
「 いえ、お世話になった御恩を仇で返すような形になってしまい――― 」
「 ―――覚悟はできておるであろうな? 」
タイガーを睨む神野父。
「 はい! なんなりと罰は受けますですジャ!! 」
「 お父さん!! 」
くわっ
「「「 ならば、タイガー!! 」」」
びくっ
「「「 は、はいっ!! 」」」
「 責任とって、水樹のムコになれ。 」
ずどしゃっ =☆
頭から倒れる水樹。
「 ・・・は!?(汗) 」
「 だからね〜タイガーク〜ン♪ 娘を傷物にした責任をとってもらわんと〜。 」
神野父は、タイガーに近づき、あまい声をあげて言う。
実際、水樹の手や顔には、昨日の戦いでの傷が残っており、何ヶ所かバンソウコウが貼られていた。
「 この神社に来んかー? 水樹もまんざらでもないようじゃし――― 」
かああっ///
「 なっ、なにを言うだ父っちゃーーー!!! 」
ぱこん =☆
「 おとう! 若い子達をからかうんじゃないよ! 」
「 おう! 」
神野母に軽く殴られるオヤジ。
「 ・・・・・・ごほん! ま、ぎゃぐはこれぐらいにしておこう。 」
『 ぎゃぐ・・・(汗) 』
「 まずはGS資格取得試験首席合格、よくやった! タイガー! 」
「 ははっ! 」
「 水樹は残念だったが、来年また受けるがいい。 」
「 うんっ! 」
「 よし、話は変わるが、お前達、“心理の書”を読むことはできたか? 」 (“〜虎!”8話参照)
タイガーと水樹は顔を見合わせる。
「 いや、まったく・・・ 」 「 ・・・白紙のままです。 」
すっ
「 タイガー、おめえにこれをやろう。 」
神野父は、水樹が持っている心理の書と、同じ古い本を差し出した。
本からはわずかに神気が感じられた。
「 これは? 」
「 “心理の書・下巻”だ。 水樹に渡した上巻とあわせて効果を発揮すると言われておる。 」
「 やっぱり何も書かれていないわ。 」
「 ワシがもらっていいんですカイノー? 」
「 ああ、わしからの合格祝いだ。 それに、わしよりおめえが持っとったほうがええじゃろう。 」
「 え? 」
「 いや・・・まあとにかく、今日は泊まっていくがいい。 水樹も六道への転校の準備もあるじゃろう。 」
◆
■須藤駅■
翌日、タイガーと水樹は神野夫妻に見送られ、神社のふもとから須藤駅までは、早苗の運転する車で向かった。
駅には学校妖怪メゾピアノ(通称メゾピー)も見送りに来ており、あいかわらずバラをくわえ、紫のタキシードを着ていた。
「 早苗ねえちゃんの運転する車に初めて乗ったわ。 」
「 ははは、やっぱこんな田舎じゃ、免許持っとったほうが便利だからな。
タイガークンも事務所を構えるつもりなら、GSだけでなくて、車の免許も必要だべ。 」
「 そうジャノー、除霊道具をもって電車やバスに乗るのも格好悪いし、
エミさん時もほとんど車での移動じゃったからノー。 」
「 ま、ゆっくりとやっていくがいいだ。 」
とそこに電車が来て、タイガーと水樹は電車に乗った。
「 それじゃあ早苗サン、メゾピー! お元気で! 」
「 また正月には里帰りするからね! 」
「 ああ、2人とも元気でなー! 」
ピ――――――――ッ プシュ〜ッ がたんごとん がたんごとん
窓を開けて、水樹とタイガーは早苗に手を振っていた。 ・・・やがて2人の乗った電車は見えなくなった。
「 さてと、帰るか! 」
《 ・・・早苗クン、実はここで、残念なお知らせがあるのだ。 》
メゾピーは神妙な顔つきをしており、早苗は一応たずねた。
「 ・・・・・・何だべ? 」 《 実は・・・ 》 「 実は? 」
《《《 僕たちの出番は今回で最後なんだ!!!!! 》》》
「 ・・・それで? 」
《 いや、それでって早苗クン・・・(汗) 》
「 わたすはわたすのペースでかってにやっていくだ。 おめえも教師としてかってにやってけろ。 そんじゃな〜 」
早苗は全く興味がないかのように行ってしまった。 そして残されたメゾピーは・・・
《 ・・・フッ、まあいい。 しばらくは僕も休ましていただこう。
しかーし! いつか僕は必ず再登場する!
その時はタイトルを、【とら、トラ、虎!】から【メゾ、ピアノ、ティーチャー!】に変更し、
タイガークンにかわり、僕が主役になってみせる! 待っててくれたまえ、ファンの諸君!
ふはははははははははははははははははははははははは!!!!! アディオス!!!!! 》
◆
■東京の道端■
・・・東京へ再び戻ってきたタイガーと水樹。
水樹は六道女学院の女子寮に行き、タイガーはエミの除霊事務所へと向かっていた。 その途中―――
ぶつぶつぶつ・・・
『 そういえばワシ、合格してからエミさんとまともに話してなかったな。
エミさん褒めてくれるかノー。 おとといはみんながおったから、きっと照れくさかったじゃろうし・・・ 』
<どんっ!> 「 キャッ! 」
考え事をしながら歩いていたタイガーは、高校の制服を着た、金髪の髪の長い少女とぶつかった。
「 おっと、あ、スマン、大丈夫カイノー。 」
キッ!
「「「 ぼけっと歩いてんじゃねえ!! このスカタン!! 」」」
「 は、はいっ!! 」
金髪の少女は、鋭い目つきでタイガーを睨んで言うと、すたすたと歩いていってしまった。
ぶつぶつ・・・
「 ―――ったくどいつもこいつもー!! 」
どきどきとき
『 ・・・おっかないおなごじゃのう。(汗) 』
・・・ぴたっ
「 ・・・ん? あの男、確か魔理と一緒にいた・・・ 」
後ろを振り返る金髪の少女。 そこにはすでにタイガーの姿はなかった。
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今までの
コメント:
- ■29話 後書き■
メゾピアノのセリフは気にしないでください。 タイトル変わりませんので。(笑)
お待たせしました。 事務所編の始まりです。
お忘れかもしれませんが、“心理の書”はこの話の中でのオリジナルアイテムです。
といっても、この本の再登場はかなり先なので、今は忘れて頂いて結構です。(「おい!」)
次回はGSタイガーの初仕事です。 (ヴァージニア)
- 王道を行くのが素敵ですね〜。
彼がこれから本当に事務所を開くのか、
それとも、神主になるのか(似合わない気もするが・・)
新たな仲間も出来て、これから、これから。
PS
本当に事務所を開くなら是非、横島を入れたほうがいいと思う。
彼奴の性格を差っ引いても高校生ですら、美神所長の代行を
彼女以上に勤めた才覚は秀逸。
流石はあの両親にして、この子有り!
あと、自分の為に蛍の光でも弾きな。13世! (トンプソン)
- △トンプソンさんへ
再読ありがとう! 素敵に感じていただけてよかった〜!
神主というエンディングもありかも? マルチEDならぜひ加えたいですね♪ (そこまでまだ考えてないです・・・)
横島は・・・・・・(悩) 入ってくれたら最強のパートナーになりそうですけど、
主役(タイガー)より目立ってしまうような気がして・・・ただ、横島については
34話あたりで動きがありますので、その時にまた、ご意見を聞かせて頂きたいと思います。 (ヴァージニア)
- おとーさん(漢字不明(笑))いわく、お前が持っていたほうがいいってゆーのは…ひょっとして、何が書いてあるのか…実はワシにも読めなくてなー。ってやつでしょうか? (MAGIふぁ)
- △MAGIふぁさんへ
再読嬉しいです! おとーさんは、神野水樹(じんのみずき)の父親なので、
神野父(じんのちち、又はオヤジでも結構です。)と表記しています。
名前は正直言って考えてません! もし、ご希望の名前があれば教えてください。 再登場した時につけたいと思います。
そして“心理の書”には、多分何かが書かれています。
文章中に詳しく説明してなかったので、ちょっと説明すると、200ページぐらいのA5の大きさです。
(GS美神の単行本2冊横に並べたぐらい?) 神野父が読めるかどうかは・・・不明です。 (ヴァージニア)
- こんばんは。ヴァージニアさん(笑)
今回もとっても面白かったです〜
神野神社でのやりとり・・最初の方を読んでいるとき、(おお!?ムコ!?)・・とメチャクチャ驚きました(笑)
メゾピアノ・・今回が最後の出番なんですね。ありがとう!メゾピアノ。さよなら!メゾピアノ。今までご苦労さま!メゾピアノ。・・って感じでしょうか(爆
次回も気になります〜がんばってくださいね。 (かぜあめ)
- ヴァージニアさん、初めまして(かな?)。TAITANと申します。以後よしなに・・・。
ついにGS試験編が終わりましたか。しかも、タイガーが主席・・・・。
第1回から読ませていただいておりますが、タイガーが主役の話らしかったので、内心ワクワクしていましたが、これほどまでに面白いとは、驚きました。(オイ)
しかし、まさかタイガーがこんなにモテるとは・・・・。
・・・・・・うらやましい!(オイ)
ま、そういうことは置いといて(オイ)、次回から事務所編が始まるようですね。
そして、今回の最後にぶつかった不良少女。
まさか、原作でおキヌちゃんが乗り移った・・・・。
とにかく、次回も楽しみにしております。 (TAITAN)
- △かぜあめさんへ
お、おはようございます。 寝てました。(笑) 再読感謝です!
神野オヤジの顔は、鬼道先生のオヤジを参考にしていただければ・・・性格は多少違うと思いますが、
ボケっぷりはある意味似てると思うので・・・
ついでにいえば、このオヤジの再登場も当分先(もしくはこれで最後?)になると思います。
メゾピアノ同様、面白いキャラが減ることになりますが、これからもよろしくお願いしますね♪ (ヴァージニア)
- メゾ、ピアノ、ティーチャー、案外見てみたかったりして…
ま、それより次回、金髪(恐らくおキヌに乗り移られたであろう)少女の展開が気になりますね。
意味ありげな終わり方してますし…
次回も期待してます (K.H. Fan)
- △TAITANさんへ
初めまして、TAITANさん!
過去28話全部読むのはたいへんだったでしょう。 でも嬉しいです!
毎回8〜9KB書きこんでますし、最初の頃は特にわかりづらかったでしょうから。
そう思い、1つ前に総集編をまとめ、大まかな流れを書かせていただきました。
そして最後の金髪の不良少女は・・・お気づきだと思いますが、原作にも、“〜虎!”の中にもすでに登場しています。
タイガーのほうは、もう忘れてるみたいですけどね♪ (ヴァージニア)
- △K.H. Fanさんへ
再読嬉しい限りです! 見てみたいですか〜彼の話・・・ご期待にそえたいですね。
いや、彼はきっと自力で登場すると思います。 原作より暴走してますから。(笑)
金髪の少女・・・ここのラストの登場に、もちろん意味があります。
彼女も原作には名前のなかったキャラですからね。 ですが、アニメのほうでは・・・ (ヴァージニア)
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