ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その4)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 5/29)

ブツブツブツ・・・
「・・・・・・・。」
ブツブツブツ・・・
「・・・・・・・。」
ブツブツブツブツ・・・
「えぇ〜い、さっきからブツブツブツブツと!!キミはそれしか喋れないのかね!?」
「それが人に荷物を背負わせる奴の言う言葉か!?」
リュックを背負った横島が、西条を見て言った。
「いつもやってることだろう?」
「俺は荷物持ちじゃねぇ!!荷物持ちじゃ・・・・。」
否定したくても、否定が出来ない横島。
その表情を見て、西条は勝ち誇ったように笑う。
「・・・・・ちっ。」
軽く舌打ちをした横島は、前に向かって歩き出した。
乗っていたビートルは、かなり年季物だったらしく、
すぐにエンストを起こし、止まってしまった。
仕方なく2人は、歩いて古城まで行かなければならないハメになったワケである。
「これだから中古品は気に入らねぇ。」
文句を言う横島。
もっとも、アパートにある自分の部屋には、
1本500円で売られていた中古AVが数本ぐらいあるのだが・・・・。
どうやら、それら全部気に入らなかったようである・・・。





「見えたぞ、あれだ。」
西条が指差す方向に、大きな古城が建っていた。
「でけぇなぁ・・・・。」
「300年前に建てられた、エードリッヒ城という城らしい。」
「あそこに王女様が閉じ込められているってワケか。」
「そうらしい。」
それを聞いて、横島はニヤリと笑う。
「よっしゃ!!待っていてくださいね、王女様!!」
横島の様子を見て、西条は溜め息をつく。
「意気込むのはいいが、くれぐれも、僕の足を引っ張らないでくれたまえ。」
皮肉を込めた言い方をする西条。
「お前こそ、俺より先にくたばるなよ?」
一瞬ムッとしたが、すぐに言い返す横島。
そのまま2人は、エードリッヒ城へと向かった。





エードリッヒ城の周りは、大きな庭園となっていた。
その庭園にある歩道を歩く横島と西条。
庭園には、いろいろな花が咲いている。
スタスタスタ
城へと向かって歩く2人。
ピタッ
突如動きを止める横島。
「どうした、横島クン。」
「行け、西条!」
ドンッ!
「なっ!?」
突然、西条の背中を押す横島。
横島の突然の行動に、驚く西条。
ズボッ!!
「ぬぁっ!」
落とし穴にはまる西条。
落とし穴には、十数本の槍が刺してあった。
西条は、なんとか隙間の中に入って、無事だった。
「よ、横島クン、君って男は!!」
「すまないな西条、俺が王女様を救ってみせる。
待っててください、王女様〜!」
スキップしながら前へ進む横島。
カチッ
「へ?」
ドゴーーーーーーーン!!
「地雷まで埋まっているのか!?」
落とし穴から這い上がってきた西条は、驚きの声をあげる。
目の前には、全身黒焦げになりながら、体をピクピクさせる横島の姿があった。
西条は、横島の傍へと近づく。
「さらばだ、横島クン。令子ちゃんのことは、僕に任せたまえ。」
「誰がやるかぁー!!あの女は俺のやー!!」
突然起き上がる横島。
体には、数箇所の小さな火傷しかない。
「ちっ、生きていたか。」
舌打ちをする西条。
「てめぇ!!・・・・・・!!」
西条に怒りの言葉をぶつけようとした横島は、何かを感じた。
「・・・・・西条。」
「・・・・・あぁ、分かっている。おびただしいほどの霊気だ。」
2人は、辺りを見回す。
そして、数秒後・・・・。
『ウゴォォォォォォーーーーーーーーー!!』
悪霊の大群が、突如現れ、横島と西条に襲い掛かる。





「くっ!」
霊波刀を出し、悪霊を斬り裂く横島。
「とうっ!」
同じように、悪霊を、霊剣"ジャスティス"で斬る西条。
しかし、数が多すぎた。
数百もの悪霊を、2人で全滅させるのは、とても厳しかった。
息を切らす2人。
「くっ!このままじゃきりが無い!!横島クン!!」
「文珠出ろ!!この辺りを浄化してくれ!!」
ブォンッ!
横島の手の平に、"浄"の文珠が現れる。
横島はそれを、悪霊たちに向かって投げつけた。
バシュッ!!
『ギャァァァァァァーーーーーー!!』
悪霊たちの叫びが、辺りに響く。
「やったか?」
西条が言う。
しかし、再び悪霊の大群が出現したのである。
「どうなってるんだ!?」
「このままじゃこちらが持たない!!横島クン、城に逃げ込むんだ!!」
2人は、城に向かって走り出す。
その後を追いかけてくる悪霊たち。
「くっ!間に合うか!!」
2人は必死になって走り、城の中へ逃げ込む。
城の大きな扉は、なぜか開いていた。
いかにも、罠がありそうである。
しかし2人は、そのようなことは考えず、城の中に入った。
しかし、足元に、床は無かった。
「「うぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー・・・・・・」」
奈落の底へと消える横島と西条。
果たして、2人は王女である姉妹を救い出すことが出来るのだろうか・・・。


続く

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