ザ・グレート・展開予測ショー

〜君とワルツと星影と〜 (マルチENDのお話です)


投稿者名:かぜあめ
投稿日時:(03/ 5/25)

このシリーズは第5話目から、ルシオラ・美神・おキヌ・シロ・タマモの5つのルートに分岐いたします(笑) それでは本編をどうぞ。
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『人は二つのことから過ちを犯す、絶望と希望から』




―――・・・。
       
   
            
                   
               
               
― prologue ―                


あるうららかな午後のこと。

事務所を訪れた西条が・・開口一番こう言った。

「みんな。ダンスパーティーに行かないか?もちろん横島君ぬきでね。」

「・・この野郎・・・。」





〜『君とワルツと星影と』 (1)〜




・・陽気が差し込むその場所に、妙な空気が立ち込めた。
場の雰囲気が二分されて・・、
かたや・・、
「どういうこと!?西条さん。ダンスパーティーって・・。」

「Gメンのパリ支部から招待されてね・・。たまたま余分にチケットをもらったんだ。」

「パリですか!?すごい!」

・・・であり、かたや、

「このブルジョワどもがああ!!どっ畜生おおおおお!!オレは・・
 オレは・・どうせ一人で深夜番組見て喜んどるような・・そんなキャラやーー!!」

・・などという、対極かつ哀れなほどの温度差が広がった。

西条にしてみればこれはチャンスであり、勝負であり、スキを見て美神をパックンチョというそんな状況。

横島にしてみればこれはピンチであり、危機であり、
女性たち全員の着替えやシャワーを覗く計画がおじゃんになるというそんな状況だった。

「悪かったね横島くん。予約を一つ取り忘れてしまって・・。許してくれたまえ。」

「みんな、だまされるなああ!!!コイツ・・コイツ絶対なにか企んでるぞ!!」

目を血走らせ・・、語気を荒げる横島は・・、見苦しいとしか言いようがない。
その反応にほくそ笑み、西条は・・最後のカードをつきつけた。

「おっと・・。もうこんな時間だ。急ですまないが、支度を整えてくれないか?」

「・・・どういうことだよ・・。」

「なに。飛行機が今日しかチャーターできなくてね。ああ!!もう3時間しかない!」

・・・時間的余裕は冷静な判断力を生む。そんなものはこの際無用だ。
そう・・今必要なのは若さと・・情熱だ!

「3人とも!すぐ用意するわよ!!」 
「で・・でも横島さんが・・。」
「タマモ?ダンスパーティーって何でござる?」 
「・・・・めんどくさい・・。」

上から順に美神、おキヌ、シロ、タマモ・・。
・・・・・・・。
(一部を無視して)効果は上々だった。
さわやかな微笑をうかべながら、西条は心のなかで小踊りする。

(チェックメイトだな横島君!!!フハハハハハハハハハハハハ・・・)

・・・。
・・・・・・。
・・その時だ。
突然バタンと音がして・・、

「あら?残念ね・・。西条くん。これからお仕事が待ってるんだけど・・。」
・・という声が聞こえた。

聞き覚えのありすぎるその声に・・

(ハハハハハハハ・・・・・・・・は?)

西条の笑顔が凍りつく。
いつの間にやら・・、ドアの前には美神美智恵が立っていた。


「・・せ・・先生・・。」

「令子?パリには4人でいってらっしゃい。」

「で・・でもママ・・。」

「ほら。飛行機に乗り遅れるわよ!行った行った。」
・・・・なんて話が展開されて・・、

バタン。

ドアが再び・・、空しく閉まる。

・・後には・・床に倒れる屍が二つ。

「あ・・あんまりや・・。」 「・・・言うな横島君・・。泣けてくる。」

一応言うがどちらも自業自得である。
起き上がる気力もないのだろう。2人は全く動こうとしない。

「ほら。2人とも立ちなさい。仕事をお願いするって言ったでしょ?」
苦笑しながら美智恵が言って・・、横島が驚いたように顔をあげる。

「オレもですか?西条だけじゃなく・・?」

「そう。あなたたち2人に・・悪魔を一匹封じて欲しいのよ。」

!?

次に驚いたのは西条だ。Gメンに・・民間ゴーストスイパーが関与する・・、
これは・・異例の処置といっていい。

さすがに彼も起き上がった。
「・・悪魔・・ですか。」

「そ・・。強くはないけどかなり厄介な類のね。」
美智絵の言葉に2人は顔を見合わせる。
・・いや・・そんなに見合わせたくない顔ではあるのだが・・・とにかく同時に息を呑んだ。

「・・でその悪魔ってのはどこにいるんです?」

ためらうような横島の問い。笑みを崩さず・・、次に彼女はこう答えた。

「・・パリよ。よかったわね横島君?」
                   
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「本当に・・よかったんでしょうか?美神さん?」
少し沈んだおキヌの言葉に・・、美神令子が苦笑した。

「仕方ないじゃない。せっかくだから招待されましょうよ。」
4人は現在飛行機の中、空から日本を見下ろしていた。

「いやでござるーー!!先生ええ!!しかも高いでござるーーー!!」

(・・誤算だった・・。あのまま事務所に残れば・・、横島を落とすチャンスだったのに・・)

めいめいが・・勝手なことを考えて・・、パリへの旅は続いていく。
彼女たちがこれから起こることなど知るはずもなく・・、

(まあ・・、誰もいなきゃあ・・悪い虫は付かないだろうしね・・)
美神自身、のん気にそんなことを思うのだった。



〜(2)へつづきます〜    

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