ザ・グレート・展開予測ショー

主役はネクロマンサー3rd


投稿者名:K.H. Fan
投稿日時:(03/ 5/25)

気に入ってもらえるかどうかは分かりませんが、続きを書いてみました。



「「「通信衛星に妖怪!!?」」」
依頼主、TV局の代表者である人の持ってきた写真を見て、キヌ、美神、横島の声が重なる。
「今のところ大した支障はありませんが、完全に使用不能になると日本全土がパニックになり得る事も考えられます。
そしてこれは宇宙に行く仕事と言う事で危険極まりない仕事でもあります。
何とかして頂ければ私共、最低1億は払いたいと考えております」
局の人がそう言い、キヌは最低額の10分の1、1千万で仕事を受け持とうとした。
キヌが口を開こうとしたその時、美神が
「10億でお願いします!」
そう述べ、局の人は
「分かりました。では明日お願いいたします」
と言い残し、事務所を去った。
完全に局の人が見えなくなったところでキヌが美神に質問した。
「すいません、耳鳴りがしてしまいまして、いくらと仰いました? 美神さん?」
「10億ですけど、それが何か?」
美神は(このくらいが妥当な値段でしょ〜)と言うような顔で返した。
「わ…私は1千万で受け持とうとしたのですが、所長の意見…というより私のポリシーと言う物を知っているのでしょう?」
あまりの巨額にキヌは混乱した。
何故なら彼女は1千万以上で仕事を受け持った事が無い。
いくら5億と言われようが、彼女の人徳に反するので1千万で受け持ってきた。
そんなキヌである為、今回のようなケースは初めてだった。
「でも、宇宙へ行く仕事ですよ! それに私の給料も増えるじゃないですか」
「私の場合、元手を賭けないのでそんなお金はいらないのですが…
もう、あなたに全額差し上げます」
キヌはそう述べるしか無かった。
頭を両手で押さえて下を向いているキヌの下に横島が歩み寄った。
横島はキヌの肩に手を置き、優しい言葉をかけた。
そしてキヌは泣きながら
「横島さーん!!」
と横島の首に抱きついた。


彼等の後ろで「お金―、お金―」と叫んでいる美神、抱きつかれた横島は「や…役得…」とポーッとしている。
抱きついたキヌはキヌで「やったぁ、 横島さんに自然に抱きつけた」と心の中で叫んでいる。
案外、良いチームなのかもしれない…


翌日―
氷室除霊事務所の前は局の人達で埋めつくされていた。
「あの、何の騒ぎでしょうか?」
キヌが口を開いた。
彼女にとっては全く身に覚えの無い話だった。
「あ、それね。
お金出す代わりに独占取材がしたいそうですよ」
美神がそう答えた。
「何か私の知らない所で密約されているのは何故でしょう?」
キヌが冷や汗を流しながら尋ねた。
だが所詮は美神、自分がやばくなると話を反らす。
「それより誰が宇宙へ行くのです?」
「聞いてくれてませんね。
まぁ、もういいですけど…
その事については私が行こうと思っています」
「でも1人じゃ大変じゃないですか?」
美神が不安そうな顔でキヌに聞いた。
この瞬間キヌは(お金好きだけど根は優しいんですね)と、そう思ったそうな…
「大変かも知れませんが、横島さんを連れて行けとでも言うのですか?
彼は素人ですよ?」
「しかし人は多い方が良いでしょう?
あんなのでも一応身代わりくらいにはなりますし…」
横島がここで割って入ってきた。
「勝手に話を進めないで下さい、もし2人で行くと言うなら美神さんが行ったらどうです?
霊能力あるんでしょ?」
横島が美神に尋ねた。
そしたら美神とキヌが声を重ね、こう述べた。
「横島さんを1人でここに残したら、私達の体をまさぐりそうで…」
「あんたを1人ここに残したら、何か間違いが起きるに違いないじゃない」
この2人のハモリを聞いて横島は涙を流した。
何故に自分はこんなにも信用されていないのか、と。
しかし彼も少なからず期待はしていたので反論は出来なかったが…


「横島クンはともかく、おキヌさんはバットで殴りにくいのですけど…」
美神が魔方陣の中に入っている横島の方を見ながら言った。
「大丈夫です。私は自分で幽体離脱できますから…」
そうキヌは言い放ち、本体と幽体を切り離した。
美神はそれを見るとホッとして、横島の頭をバットで殴りつけた。
横島は絶対何かある、と思い込んでいたのでバットでどつかれた事に対しては何も言わず、素直にキヌと共に宇宙へと旅立って行った。


空が青から濃紺に変わった時、キヌが地球を振り返り、横島に話しかけた。
「綺麗…ですね。私、地球の全形を初めて見ました」
ロマンチスト、キヌはいつか横島と再び、仕事とは関係なしにここに来てみたいと思った。
この後、キヌはそのような事を横島に述べようとしていたら、予想外の答えが返ってきた。
「いやぁ、おキヌさんのが綺麗ッスよ!」
よくよく考えれば、横島だからこの答えを返しただろう、と分かるが、好意を抱いている相手にそのような事を言われたら困惑するだろう。
キヌは自分の魂が熱くなるのを感じた。
太陽風の影響もあり、力が抜けたキヌは横島に寄り添うような形になった。
ここは宇宙、キヌにとっては最高のロマンチックシーンである。
仕事の事など忘れ、キヌは横島に寄り添ったままボーっとしている。
しかしキヌは更に重大な事を忘れていた、来週この除霊映像が放送される事を…


指導者であるはずのキヌがボーっとしていて、何も出来ない2人は暫くの間、宇宙空間を彷徨っていた。
突如、横島の目に1点の光が映った。
それは遠くにあり、何かと判断するには難しすぎた。
キヌに聞こう、と横島が思ったその時にはその光はもう既に目の前に迫っていた。
「わあっ!!?」
「きゃっ!!?」
2人の声が重なり、2人は通信衛星に引き摺られた。
ここでようやく正気に戻ったキヌは通信衛星の上に乗っているグレムリンを発見した。
「グレムリンさん、ごめんなさいっ!!」
キヌはそう言ってネクロマンサーの笛を取り出した。
綺麗な音色に弱いグレムリンは当然この音に驚き、去って行った。
すると2人はグレムリンの座っていた場所で、1つの卵を発見した。
「こいつが居たから、あの場所に留まっていたのか…」
「可哀想なことしちゃいましたね…」
と同時にその卵が孵った。
殻が割れ、中から赤ちゃんグレムリンが出てきた。
「可愛い!!! ですけど、ちゃんと親の元に戻してあげなければいけませんね」
キヌは再びネクロマンサーの笛を取り出し、グレムリンを操り、親の下へと向かわせた。


1週間後、氷室除霊事務所では…
「おキヌさん、テレビ見ませんか? 今日報道されるんでしたよね?」
美神がキヌに尋ね、テレビのスイッチをオンにした。
2人のイチャイチャシーンが流れ、キヌは頬を真っ赤に染め、
「カットしてくれたっていいのに…でもこれで私達…きゃー、私ったら、私ったら…」
と両手を顔にあて、首を横に振りながら1人ではしゃいでいる。
そして美神は…
「報道されると知っていて歯の浮くような台詞言うんじゃないわよ!! これじゃ、単なるラブロマンスじゃないの?」
と横島をどついた。
哀れ横島は血を流し、復活するのに1時間を要した。
何故なら、いつもヒーリングをするキヌがトリップから復活するのに1時間掛かったからだ。































おまけ
2人の宇宙空間イチャイチャシーンが報道された翌日、横島は通常通り学校へ登校した。
だが、そこに待っていたものは彼にとって苦痛となるものだった。
「横島ぁ!! 何なんだ、昨日の映像は!!? あれはお前だろ!!?」
と教師、女のいない男子生徒、横島の気付いていない横島に好意を持っている女子生徒にまで追いかけられた。

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