ザ・グレート・展開予測ショー

GS横島逆行大作戦〜1〜


投稿者名:タモ
投稿日時:(03/ 5/25)

もうすでに日は沈み辺りは暗くなっている。暗いといっても空には月や星が
輝いているため暗すぎることはない。また、所々から光が漏れている。
家の明かりである。とあるアパートの窓から漏れてる光もその一つである。
とあるアパートの一室にボサっとした黒髪の高校生くらいの若い男である。
男は紺のジャケットを着て、紺のGパンをはいている。頭には赤いバンダナが
巻かれている。男は両手を頭の後ろに組んでゴロリと横になって天井を見ている。
「俺は・・・あれから・・・強くなったんだろうか・・・俺は今ならあいつを
守ることが・・・できるんだろうか?」
男のその問いに答える者はいなかった。まあ、それは当然である。
彼はアパートに一人暮らしをしている。だからどうしても呟いた言葉が独り言に
なってしまうのである。
男は横になったまま右手だけを天井にあげ、自分の手を見つめた。
「もしやり直せるなら、俺は・・・俺は今度こそあいつを守りたい!」
男は右手を握り、すぐに手の力を抜いた。
「そんなこと、できるわけないよな・・・」
『いいえ、可能です』
「ヘっ?」
男は気の抜けた返事をした。それはそれで当然の反応といえた。
部屋には男一人しかいないはずだったからである。
「だ・・誰だ!?」
『驚かせてすいませんでした』
男が警戒して何とか言葉を出した。そして、目の前には黒髪のロングヘアーの
美女が現れた。格好はというと真っ白な袈裟のような法衣を来ていた。
『私の名前はウルド、あなたが横島さんですね?』
ウルドと名乗った女は男の名前を確認するように訊ねた。
「確かに俺が横島だけど、一体何の用が?」
『あなたはやり直したいことがある。そう願ってましたね?』
横島は素直に頷いた。


「やり直すことができると言ってたみたいだけど、一体?」
『私は神と人間の運命を司る者の一人です』
「神とってことは神族ってことですよね、では、あなたは神族?」
『そうです』
ウルドは横島の言葉に頷いた。
「じゃあ、本当にやり直すことができるんですね!?一体どうするんです!?」
『それには後二人必要なんです』
「二人?そういえば神と人間の運命を司る者一人とか言ってましたけど、
後の二人というのは・・・」
『遅刻、遅刻〜!!』
「ヘ?」
当然の声に横島はまた間の抜けた声を出した。そして、現れたのは栗毛色の
おさげをした少女と呼ぶのがふさわしい女だった。
『どうも!あなたが横島さんね!私はスクルド、ヨロシク〜!』
「な・・・なんか・・・すごく騒がしい人だな・・・」
横島はスクルドと名乗った女神のテンションの高さについ圧倒された。
『ウルド姉さんが来てるから、後ヴェルダンディー姉さんだけね』
「ヘ?姉さんて姉妹なの?」
横島がウルドに訊ねると彼女は頷いた。
「ふ〜ン、似てないな・・・」
『いいえ、スクルド、私はもう来てるわ』
「どわ〜!!」
横島のすぐ後ろから声がした。ヴェルダンディーという女神の接近には全く
気づかなかった。彼女は短い黒髪を外はねにしている。顔立ちは美人ととるか
可愛いととるか難しいところだった。
『では、三人そろったところで説明を始めましょうか』
ウルドが口を開いた。


「時の・・・秘宝?」
横島はウルドに聞き返す。
『はい、時の秘宝・・・これまで経験したことを精神と共に過去にとばし過去の自分に融合する秘術です』
「経験したこと・・・というと・・・例えばどんな?」
『横島さんがこれまで体験したことや霊力なんかがそうです。ただ、身体能力は
不可能です』
今度はヴェルダンディーが答えた。
「なるほど、ここで鍛えた霊力を過去に持っていけるのは心強い・・・」
『けど!いきなり文珠を使ったりすることはやめること!!』
声を出したのはスクルドだった。
『いきなり歴史が変わるかもしれないからね!そうなると目的達成できなくなるしね!』
「それは確かに重要だな・・・」
『質問はもういいですか?』
「ないですよ」
ウルドの問いに横島はすぐ返事をした。
『では横島さん目を閉じてリラックスしてください』
横島は言われた通りにした。その声は誰が出したものかわからなかった。
ただ、スクルドの声ではなかったのは確かだった。

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