ザ・グレート・展開予測ショー

とら、トラ、虎!28) 試験9 トラ為に鐘は鳴る!!


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 5/24)


▼試合会場 結界内▼
ピョロロローーーーーーッ

    ≪ 氷室キヌ選手、ネクロマンサーの笛で氷室早苗選手の動きを封じるー!! ≫

「 うぐぐ・・・! 」
『 倒れて! おねえちゃん!! 』

    ≪ この勝負、あきらかに早苗選手のほうが不利ですね。 ≫
    ≪ 解説の西条さん、と、言いますと? ≫
    ≪ 早苗選手の能力は霊を感受しやすい、霊媒体質にです。
      僕も以前、彼女にテレパシーを送ったことがありましたが、
      彼女はとてもそういった念波に影響されやすいんです。 ≫
    ≪ おキヌちゃんは、何度も早苗ちゃんにのり移ってたりしてたからね。
      お互いの霊質もよく知っているのよ。
      早苗ちゃんが、どこまで念波に抵抗する力を身につけたのかが、勝負の分かれ目ね。 ≫

『 さすがおキヌちゃんだべ・・ こうなったらやってやるべ! 』<キッ>

早苗は右手を天にかざす!

「「「 わたすに宿れ!! 神の魂!! 」」」

カッ―‐‐  パアアアアアア――――――−‐‐ッ

    ≪ 氷室早苗選手、光を放ったかと思えば、体中に妙な紋様が浮き出てます! ≫
    ≪ なんて魔力だ! この霊力はいったい!? ≫
    ≪ この霊気、前に感じたことがあるわ! でもまさか・・・・! ≫

早苗の顔や手、体中に紋様が浮かびだした! すると早苗の口調が変わる・・・!

《 ・・・・・・こやつ、わらわを眠りからさますとは・・・ 》



    ≪ やっぱり、ヒミコ!! ≫    (ヒミコ:5・7巻参照)



《 ふむ、1度だけ、力を貸そう。 》 <ドンッ> 「 キャッ!! 」 <ドサッ>

早苗(=ヒミコ憑依)がおキヌに手をかざした瞬間、おキヌは気絶し、眠りに落ちた。

≪ 勝者 氷室早苗!! ≫

スーッと早苗の体の紋様が消える。

    ≪ ・・・解説の美神さん、これはいったいどういうなのでしょう? ≫
    ≪ ヤマタイ国の女王ヒミコ、日本史上の最大の力を持った魔女を憑依させたのよ。
      本来、3つのアイテムがなければ降霊は不可能だと言われてるけど、
      いくら飛びぬけた霊媒体質としても、よく降霊できたわね・・・・・・。 ≫


                                 ◆


■試合会場の外■
タイガーと水樹は外に出て、2人きりで話していた。

「 ・・・・・・すまんノー。 」
「 謝る必要なんてないわ。 正々堂々戦って負けたんだもの、悔いはないわ。 」
「 ジャケンどワシ、水樹サンに恩を仇でかえすような―――! 」
「 ストーップ! それ以上言うとホントに怒るわよ! 」
「 う・・・・・・ 」
「 タイガーさんも2浪して、ようやく合格できたんだもん。 私も来年もう一度うけて、今度こそ合格してみせるわ! 」
「 水樹サン・・・・。 」
「 そしたらさ・・・・・・その・・・・・・タイガーさんの除霊事務所で、雇ってくれないかな? 」
「 えっ!? で、でも水樹サンは神野神社の跡取り娘じゃし! 」

水樹は顔を赤らめている。

「 んもう、それでも雇ってって言ってるの! わかんないの!? 」
「 水樹サン・・・・・・そうじゃの。 あそこじゃと除霊仕事なんてないからノー。 」
「 うんうん! 」
「 水樹サンほどの力を持っとったら、もっと都会でバリバリ除霊仕事をやるべきじゃからノー。 」
「 そうでしょ、そうでしょ! 」

「 もし水樹サンさえよければワシが―――

         「 雇ってくれるの!? 」

        ―――どっか知り合いの除霊事務所を紹介しようかノ! 」


どたっ  =☆
こける水樹。

「 そうジャ、唐巣神父サンの所なんかどうかノー。
  いや、あそこは宗教的に違うか、魔鈴さんとこも合わんじゃろし・・・・・・
  あ、そうジャ! 美神サンとこはどうジャ!? ちょうど横島サンが―――! 」
「 あ、あのねー!! 」

必死に起き上がる水樹。

「 んもう、ホントに・・・・・・とにかく頑張ってよ! まだ試合残っているんだから! 」
「 あ、ああ、もちろんですジャ! 水樹サンの分まで必ず! 」
「 ・・・・・・うん! 」

                                 ◆


▼試合会場 結界内▼
    ≪ さあ、準決勝です。 すでに1人は決勝進出が決まり、残るもう1試合、
      タイガー寅吉選手 対 氷室早苗選手の戦いが今、繰り広げられております! ≫

バサバサバサッ
《 あんた、強いじゃん!! 》    (人面鳥ハーピー:12巻参照)

    ≪ ハーピーを憑依させ、鳥人と化した氷室選手! 翼を広げ、結界内を飛び回っております! ≫

ビュッ
《 羽根の弾丸(フェザー・ブレッド)!! 》
ゴオオオオッ
「「「 咆哮波(ほうこうは)!! 」」」


ドグオオオ―――――――――ン


    ≪ 両者の技が相殺し、結界内で霊気爆発をおこしています! ≫


『 はあっはあっ・・・・・・早苗サン、さすがに強いノー! 』
『 はあっはあっ・・・・・・このままじゃダメだべ!
  タイガークンは本当に強い! こうなったら、ヒミコを憑依させるしかねえ! 』
グオッ!
「「「 わたすに宿れ!! 神の魂!! 」」」

早苗の体に再び紋様が浮かびだす!

    ≪ 体中に紋様が! 氷室選手、2たびヒミコを宿したー! ≫
ビシュウウーーッ
《 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・またか。 》
「 何ジャ!? 霊力が爆発的に上がった!? 」

ヒミコを憑依させた早苗を初めて見るタイガーは、早苗の力に驚いた。 早苗は憑依したヒミコに念じる。

『 さあ、おめさの力、貸してけれ! 』
《 ・・・・・・・・・いやだ。 》
『 へ? 』
《 ふあああっ・・・・・・1日に2度も呼ぶな。 わらわは眠いのじゃ。 》
パアッ
『 あ、ちょっとー! 』
シュウーーッ
《 今度呼ぶ時は1000年後に呼んでくれ・・・・・・。 》

    ≪ 氷室選手の体から紋様が消えたー! ≫

バシュッ
「 もらった! 幻惑精神感応・睡眠波!! 」

ナイトメアの幻覚を生みだし、眠りの波動を早苗に放つ!

バタッ
『 ・・・・・・・・・・・・すー・・・・・・すぴー・・・・ 』

審判、確認する。

≪ 氷室選手、試合続行不可能のため、タイガー選手、決勝進出!! ≫

    ≪ さすがの早苗ちゃんも、あれだけ神に近い霊を呼び出すのは至難のワザだったようね。 ≫

タイガーの元に、一文字たちが集まる。

「 やったな、タイガー!! あと1回勝てば首席合格だぜ!! 」
「 あと1回か・・・・・・よし! 」


                               ◆


30分後、タイガーと草薙は対峙していた。

   ≪ 本年度の試験もいよいよ決勝です! 激戦を繰り広げてきた精神感応者・タイガー寅吉選手!
     対するは、神通棍1本でここまで勝ち上がってきた、修験者・草薙 剣(くさなぎけん)!! ≫


▲客席▲
ぐおおおおっ
「 タイガー、ガッツで行けーーー!! 」 「 負けんなやーー!! 」
《 頑張りたまえ、タイガークン! 》 《 青春ねー!! 》

応援する一文字、洋子、メゾピー、愛子。

どきどき
「 あの相手の男の人、ちょっと格好よくない? ハタチぐらいかしら? 」
「 ・・・・・・彼氏に言いつけてやりますわ。 」

と、春華と聖羅。

『 タイガーさん・・・・・・ 』

手を組んで祈る水樹。

「 ・・・・・・・・・・・・・。 」

壁を背にして見守るエミ。

▼結界内▼
≪ それでは決勝戦、試合開始!! ≫

バシュッ・キィンッ

「「「 ウオオオオオオッ!!! 」」」  「「「 はああああああっ!!! 」」」

ガキィーーーーーーーン

タイガーは虎(霊気)の爪、草薙は神通棍を武器に戦った。

    ≪ 両者激しい剣さばきです! どうですか、解説の西条さん! ≫
    ≪ 霊力はほぼ互角ですが、草薙選手のほうが戦い慣れしてますね。 ≫

▲客席▲
「 あの男強い! さすがに決勝まで勝ち上がってきとるだけのことはある!! 」
「 タイガー、精神攻撃だ!! 得意の精神攻撃で奴を負かせー!! 」

応援する洋子と一文字。

▼結界内▼
ばちばちばちばちっ
「 一文字サン、了解ですケン!! 精神感応ーーー!! 」 「 ムッ!! グオッ!! 」

草薙は、トラの人獣に変化したタイガーの念波に、必死に耐えていた。

ばちばばちばちちばち・・・・・・

『 ・・・・・・・わっしは2年前まで1人じゃった・・・・・・

  暴走しやすいこの能力とからだのせいで、人は皆、わっしを避けていた・・・・・・

  一時期、女性恐怖症にもなった・・・・・・

  ジャケンど、エミさんのおかげで世界が変わった・・・・・・

  友達にも、戦友にも恵まれ、師匠にも恵まれた・・・・・・

  横島サン ピートサン 愛子サン

  一文字サン 洋子サン メゾピー 早苗サン 水樹サン エミさん・・・・・・みんな・・・・・・

  今ではこんなにもわっしのことを応援してくれとる・・・・・・

  わっしは幸せ者ジャ・・・・・・

  じゃから・・・・・・じゃから・・・・・・一度くらい、皆サンのご期待にそえねばノー!!!!!  』



ガオオオオオオーーーーーーーーーーーーーッ
     「「「「「  これで、最後ジャーーーーーーーーーーーーーー!!!!!  」」」」」



ばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばちばち



「「「「「  グアアアーーーーーーーーーッ!!!!! 」」」」」



・・・・ドサッ


草薙は倒れ、タイガーは仁王立ちする。

ふらっ
『 や・・・・・・やった・・・・・・初めて・・・・・・初めてみんなの期待に応えられた・・・・・・ 』


『 ・・・・・・・・・・・・おめでとう、タイガー。 これで正式にあんたはゴーストスイーパーよ。 』


エミはタイガーに背を向け、会場を退出した。
結界内で草薙の意識を確認していた審判は、しばらくすると、タイガーに近づき、タイガーの手をあげる・・・・・・






≪  勝者 タイガー!!  本年度のGS資格取得試験首席は タイガー寅吉選手に決定!!  ≫






その瞬間、タイガーは2000人の受験者の頂点に立ち、今年度の最優秀新人ゴーストスイーパーとなったのである―――――


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