ザ・グレート・展開予測ショー

とら、トラ、虎!27) 試験8 タイガー快進撃!


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 5/23)


―――時は前回より数分さかのぼる。

ズカッ   バサッ    キィーーーン

    ≪ なんという凄まじい戦いでしょう!
      資格試験1試合あたりの平均時間は約5分! すでに両者20分以上戦っております! ≫

ゴオオオオッ
「「「 咆哮波(ほうこうは)!! 」」」

タイガー、口から霊気の弾丸を放つ!

パアアアアッ
「「「 神の結界(かみのけっかい)!! 」」」

水樹は榊に霊気をこめて、防御結界を張る!(どちらの技も、初登場の技で、神野神社の修行で習得した新技)

    ≪ いったい誰が予想したでしょうか!?
      前回共に2回戦敗退の彼らが、今、まさに決勝戦並の好試合を繰り広げております!!  ≫

▼結界外▼
「 ・・・あいつら、あんなにいろんな技持ってたっけ? 」
「 霊気の過負荷状態だよ。 」
「 えっ!? 」

一文字の問いに横島が答える。

「 昨日タイガーに聞いたんだ、修行のこと。 2月のエミさんの試験を除けば、
  あいつら今年になって、修行のための霊力は3回しか使ってないんだ。 」
「 3回!? 」
「 2月と6月と2日前。 」
「 たったそれだけで、どうやってあんなに霊力が上がるんだよ!! 」

「 俺も前に妙神山で、猿神に似たような修行をさせられたことがある。
  修行をしつつ霊力を使わず、ある時力を解放すると、霊力は一時的に増大するんだ。
  その間は潜在能力を引き出しやすくなり、爆発的な霊力の上昇・新しい技や能力の習得ができるらしい。
  まあ、俺たちGSが霊力を何ヶ月も使わないなんてこと、普通ありえんし、
  精神感応者はそれ専門の修行のやり方があるから、俺達が同じ修行をまねすることはできないだろうな。 」

「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 」

黙って横島を見ている早苗と一文字。

「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・へえー。 」
「 な、なんだよ。 」
「 おまえがまともなこと言ったの、初めて聞いたぜ。 」
「 んだ、雪でも降るんでねえべか? 」
ぐおっ
「「「 おまえらな―――!!! 」」」

▼結界内▼
ハアハアハアッ
『 ・・・・ここまでね、やっぱりタイガーさんのほうが強い!
  あなたに資格を取ってほしいからわざと負けるなんて言ってたけど・・・・・・・・違う!

  私は優しい女なんかじゃない、優しくない、優しくなんか・・・・・・だって・・・・だって!

  私だってこの1年、あなたと同じ厳しい修行をしてきたのよ!!
  私も心のどこかで資格がほしいという気持ちがある! 勝ちたい! 勝って資格ほしいもん!

  だから私は全力であなたと戦う! タイガーさん、これが私の最後の攻撃・・・・・・・・・・・・・・・・・・!! 』

グオッ!

「「「 我が全霊力を神に捧げる!! 神霊よ宿れ! 御霊代・塊(みたましろ・かたまり)!!!!!  」」」


パアアア――――――――――――――――ッ


    ≪ 神野選手! 榊を高くかざし、光の玉を創り出したー! ≫
    ≪ 霊気を凝縮させたんだ! ≫ 
    ≪ あのコ、最後の賭けにでたわ!! ≫


『 水樹サン!! 』

ドンッ
「「  いけーーーーーーーーー!!  」」

    ≪ 光の玉を放った――――――!!!!! ≫

タイガー、10本の指先から霊気を放出させたまま両手を広げ、そのままクロスに振り下ろす!!

「 虎の爪・・・・・・・・・飛び爪!! 」 <シュバッ>

10本の爪から飛散した霊気の爪が、水樹の霊気の玉を切り裂いた!













・・・・・・バタッ


審判はタイガーの手をあげる。


    ≪  勝者タイガー!!  タイガー選手、GS資格取得!!  ≫



ワアアアアアアーーーーーーーーーーーーーッ



    ≪ 長い激闘の末、勝利したのはタイガー寅吉選手!
      しかし、神野選手もすばらしい戦いを見せてくれました!
      組合せさえ悪くなければ、確実に資格は取れてたでしょう! ≫

「 タイガー!! 」 「 水樹ちゃん!! 」

真っ先に、近くにいた一文字と早苗が、タイガーと水樹の所に駆け寄った。

「 やったなタイガー、これでお前もGSだぜ!! 」 「 すごかったべ! 2人とも! 」
「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 」
「 ・・・・・・タイガー? 」

一文字の声が届いていないかのように、タイガーはふらつきながら、何も言わずに会場を出ていった。

「 タイガー・・・・・・ 」
≪ む、こりゃいかん! 救護班! ≫
「 は〜〜〜い! 」

式神ショウトラを連れた六道冥子がきて、水樹を治療する。

「 水樹ちゃん、しっかり! 」




そしてタイガーは、廊下で1人たたずんでいた。

「 ・・・ウッ・・・・・・・・・ウオッ・・・・・グオオオオオオーーーーーーーーン!!!  」」」」」








―――そして、試合は続けられた。


バシッ
≪  勝者氷室!! 氷室早苗選手!! GS資格取得!!  ≫
ぐっ
「 よっすぁーっ! 」



バシュバシュバシーッ
≪  勝者聖(ひじり)!! 聖 聖羅選手!! GS資格取得!!  ≫
うるっ
「 ・・・・やりましたわ、唐巣神父! 」



ピョロロローーーーーーッ
≪  勝者氷室!! 氷室キヌ選手!! GS資格取得!!  ≫
ぐずっ
「 やった・・・・・・わたし・・・・! 」

    ≪ いいわよ!! よくやった、おキヌちゃーん!! ≫
    ≪ だから美神さん! マイクで応援しないでください!! ≫


                                ◆


■医務室■
眠っている水樹の周りに、六女でもと同じG組の仙香と亜美、そして救護班の冥子がいた。
そこに小鳩が走ってやってくる。

たたたっ
「 早苗さんと聖羅さんに続いて、おキヌちゃんも合格しました! 」
「 そっか・・・・・・じゃあ、結局不合格は水樹だけなのね。 」

仙香がつぶやくと、そこで亜美が、水樹の目元が動いたことに気づいた。

「 水樹、大丈夫か? 」
「 ん・・・・・・・・・ 」
「 水樹! 」

水樹は目をさます。

「 仙香、亜美・・・・? ここは? 」
「 医務室よ。 」
「 ・・・・・・そうか、私、負けちゃったんだ。 」
「 でもさ水樹、すごかったわよ! 会場のみんなもビックリしてたんだから!! 」
「 ・・・・・・・・・・・・。 」

しばらく黙っていた水樹は、上半身を起こし、話しだした。

「 仙香、私、本気で戦ったよ。 」
「 うん。 」
「 でも・・・・・・・・・・・・勝てなかった! 」
「 水樹・・・・。 」

水樹はうつむき、髪の毛で顔が隠れていたが、その声は泣き声になっていた。

「 だってタイガーさん強いんだもん! 
  だって、だって私、あの人のことずっとみてきたから、最初から敵(かな)わない事ぐらいわかってた!
  でも私だってタイガーさんに負けないぐらい、一生懸命修行してきたもん!
  勝ちたかった! 資格ほしかった! 悔しいよ!
  悔しいけど・・・・・・
  苦しかったけど、タイガーさんの攻撃は全部・・・・・・・・・・・・優しかった・・・・・・・・・戦いたくなかった・・・・ 」

水樹が涙をボロボロ流しながらそう言うと、仙香は、水樹の頭をよせて抱きしめた。

「 わかってるわ、あなたが頑張ってたこと、あなたの気持ちも。 タイガーもきっと同じ気持ちよ。 」

「 ・・・・仙香、これでよかったんだよね。 これでタイガーさんの夢が叶うんだから・・・・・・
  嬉しいんだよ、本当によかったって思ってる。 おめでとうって伝えたい。

  でも・・・・・・でも今は!! ウッ、ウッ・・・・ウワアアアアアーーーーーーーンッ!!!!!  」」」」」

「 水樹・・・・・・ 」

水樹は仙香の胸の中で泣いた。
そして医務室の前の廊下には、水樹の様子を見にきていたタイガーがいた。

グズッ
『 水樹サン・・・・! 』

医務室の扉の近くにいた小鳩が、タイガーの存在に気づく。

「 タイガーさん!? 」 「 !! 」

ずどどどっ
タイガーは逃げ出した。


『 タイガーさん・・・ 』










・・・・・・そして3回戦。

≪ 勝者 タイガー!! ≫



4回戦―――

≪ タイガー選手、勝利!! ≫

タイガーは水樹との戦いであれだけの霊力を消費したにもかかわらず、次々と勝利していった。



そして、準々決勝――― 

     [ タイガー寅吉 VS 聖 聖羅 ]

『 ハアハア・・・・・・な・・なんて強さなんですの?
  神野さん、本当にこの男と互角に近い戦いをしたというんですの!? 』

ゴオオオオッ
「「 咆哮波!! 」」

ドゴオッ
「「 キャアアアアーーーーーーーーッ!! 」」

   ≪ タイガー選手の霊気弾が、聖選手の非武装結界を打ち破ったー! ≫


≪ 勝者 タイガー寅吉!! 準決勝進出!! ≫


▲客席▲
「 すごい・・・・あれだけ成長した聖羅が、ほとんど相手にならないなんて。
  でもトラ男これで、前回準決勝までコマをすすめた洋子と並んだわね。 」
「 いーや、もう1人準決勝進出者でてきそうよ。 ほら。 」

聖羅と同じD組の、春華と洋子が話していた。 洋子の指差す先には氷室姉妹がいた。

▼結界内▼
≪ 準々決勝!  氷室キヌ 対 氷室早苗 !! ≫

「 おねえちゃん・・・・ 」
「 おキヌちゃん、勝っても負けても文句なしだ! 全力で戦うべ!! 」
「 ・・・・うん! 」

■実況席■
「 義理とはいえ姉妹対決か・・・・辛いな。 」 
「 仕方ないわ。 ここまで勝ち上がったんだもの。 いずれは戦うことにもなるわ。 」

解説の西条と美神は、複雑な気持ちでおキヌたちを見ていた。


≪ 試合開始!! ≫


ワアアアーーーーーーーーッ


■廊下■
タイガーと横島が自販機の前でジュースを飲んでいると、そこにピートが走ってやってきた。

「 横島さん! おキヌちゃんと早苗ちゃんの試合が始まりましたよ! 」
「 あ、行く行くー! 」
「 タイガーも・・・・ 」
「 あーワシは少し休みたいケン・・・ 」
「 そうですか・・・・じゃあ横島さん、行きましょう! 」

横島とピートは試験会場に向かった。 そしてそこに、水樹がやってくる。

「 ・・・・・・・・・・水樹サン。 」


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