ザ・グレート・展開予測ショー

もしも美神がいなければ(その1)


投稿者名:キリランシェロ
投稿日時:(03/ 5/23)

〜初めに〜
この話は美神令子は存在してなくて、横島が女好きな変わりにお金好きという設定です。


横島忠夫十七歳、彼は東京で一人暮らしをしている高校生であった。
そんな彼は周りの人よりも霊感が異常に強く、霊力もかなりの力を秘めている。
彼がGS、つまり霊能力者であるならトップクラスの実力をもっているとGS業界
の中では噂されていた。
彼がそんな実力があるのにGSにならないのにはわけがある。
「危ない橋を渡るのはごめんだ!」
それが理由だった。

場面は学校、しかも休み時間に横島はクラスの男友達三人とポーカーをしていた。
「くっくっく・・・きたぞ!きたぞ!!キングとエースのフルハウス・・・」
横島は笑いをもらすのをこらえて、そんなことを考えていた。
横島が笑いをこらえているのにはわけがある。
それは簡単、一回勝負百円の賭けポーカーだからである。
「勝負!!」
と、横島が声を出したその時だった。
突然、ズドドドドという効果音が廊下に響いた。そして次にはドカ〜ン!!と
景気のいい音が響いた。
「な・・・何だ!?」
横島の手札が机の上にパサッと落ちた。
「あ・・・・・・」
この賭けポーカーにはちょっとしたルールがある。
手にした手札を見てこれでは勝てないなと思えばその勝負は降りていいというルールが、
当然その手札を見た他の三人はその勝負を降りることになる。
三百円とはいえ確実に手に入れられるはずであったのだ。
景気のいい音がしなければ・・・
「横島く〜ん・・・お願いがあるの〜」
教室に一人の女が入って来た。それと同時に横島は頭が痛くなり、頭を抱えた。

入って来た女は格好を見てもわかるようにここの学校の生徒ではない。
まあ、他の学校の生徒というわけでもないが。
女の衣服は肩の辺まで露出したワンピースだった。
黒く短い髪をしていて、美人というよりは可愛いの部類に入る顔立ちをしている。
年齢のほうは横島より上である。ただ、その表情は同年代、あるいはもっと
幼いという感じがする。
「め・・・冥子・・・さん・・・」
横島は頭を抱えたままその女の名前を呼んだ。

横島は早退することになった。冥子のお願いとやらを聞くためである。
「え〜と、つまり、冥子さんはその温泉に出るっていう幽霊の除霊を頼まれたと・・・」
依頼された場所の通りを歩きながら話している。
「そうなのよ〜、でね〜私一人じゃ不安だから横島君にもついて来てほしいの〜」
「はあ〜」
横島はおもいっきりため息をした。
「あのね、冥子さん、俺ってプロのGSじゃないんだけど、共同で除霊するなら
プロのGSのほうがいいんじゃないの、例えば俺の師匠の・・・」
横島は自分の師匠の顔を思い浮かべながら話す。
それに対し冥子は首を左右に振ってイヤイヤをする。
「横島君がいいの〜!横島君でないとやなの〜!!」
まるで、おもちゃを買ってと駄々をこねる子供でsる。いや、そのものである。
「でないと私〜、私〜」
「わかった!協力する!するから泣くな!頼むから!!」
横島は必死で訴える。
「本当〜?」
「ほんと、ほんと!!」
「だから横島君好き〜!」

山道を歩いてる時だった。
『えい!!』
横島はすばやく横に身をかわした。大きめな石で殴られそうになったのだ。
「だ・・・誰だ!?」
横島は背後を振り向いた。
そこには石を持った巫女の姿をした幽霊がいた。
『大丈夫ですか?お怪我はありませんか!?』
「その手に持ってる石は何?」
横島は幽霊に正直に思ったことを訊ねた。
『ゲホゲホッ!あ・・・あのすいませんく・・・薬を・・・取ってきてください
私・・・体が弱くて・・・薬がないと・・・動くこともできないんです』
「石で殴り掛かってきたろうが!」
横島は幽霊にツッコミをいれる。
『ああ〜私、薬がないからもう死ぬ』
「もう死んでるだろ!幽霊なんだから!!」
「それは大変だわ〜、私が取ってきてあげる〜」
「ちょ・・・め・・・冥子さん・・・」
幽霊の指してる方向に冥子は歩いて行く。
幽霊が示している方には薬を取れば明らかに岩が落ちるであろう、
そんな罠が仕掛けられていた。明らかに不自然である。
冥子が薬を取ろうと数歩歩いた瞬間、岩が落ちた。
薬の上に・・・大きな音を立てて・・・
その音にびっくりした冥子は泣き出した。
「ま・・・まずい!!」
プッツン!
「どわ〜!!」
横島の悲鳴が山道に響き渡った。



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