ザ・グレート・展開予測ショー

それは愛?故に(3)


投稿者名:キリランシェロ
投稿日時:(03/ 5/22)

しばらく広い草原を歩いているとタマモはあるものを見つけた。
「ねえ、横島あれって川じゃない?」
タマモが指し示している方向を横島は見た。
確かにそれはタマモがいうとおり川だった。
「しめた!水が飲める!!」
横島は水を求めて駆け出した。草原ばかり歩いていていいかげん
腹も減っていて、喉も渇いていたのだ。
まともなメシを食ったのはいつだったか横島はふと走りながら考えた。
「三日・・・前だったっけ・・・」
「何が?」
横島のすぐ横を走っているタマモが聞いてきた。
「いや・・・なんでもない」
「そ・・・」
シロがすでに川にたどり着き川の水をがぶ飲みしているのが見えた。
どうやらシロも相当喉が渇いていたのだろう。

「ふ〜う、うまかった〜!!」
横島は感激の声をあげた。たかが川の水を飲んで感激するなんて
ばかげてるだろうが、その川の水は確かにうまかったのだ。
大自然の山に流れてる天然水、その川はそんな感じだった。
「でも水だけじゃな〜」
さっきの感激はどこにいったのか横島は少々不満の声をもらした。
横島がそう不満に思うのは当然である。
確かに腹に水が溜まれば満腹な感じはする。
けど、水はカロリーがない。言い換えれば生きるためのエネルギーに
ならないのである。どんなにうまい水であろうが天然水であろうが
水は水なのである。
「ここは川だから魚を釣るというのはどうでござるか?」
「そうだな、魚でも食ってカロリー蓄えんとこの先やっていけない
かもしれんしな」
シロの言うことに横島は賛成した。
「でも、釣り道具なんてないぞ、どうすんだ?」
「そりゃあ川に入って・・・」
「川に入って・・・」
「手づかみで取るでござるよ!」
「却下や却下〜!!俺は熊ちゃうねんで!そんなんできんわ!!」
自信たっぷり言うシロの言葉に横島は却下の声をあげる。
「これ使ったら、横島」
「ん?」
タマモは木の枝を指差す。
「まあ、使えんことはないが・・・糸はどうすんだ?」
「髪の毛使えばいいのよ」
「か・・・髪の毛だ〜!」
「何か文句あるの?」
「俺の短い髪でそんなことできるわけないやろ!」
「私の髪使っていいからさ」
横島は釣りを開始した。糸には餌をつけていない、ただ糸を垂らしている
だけであったが・・・

「な・・・何故だ!?」
横島は釣りを続けながらおもいっきり不満な声をあげた。
タマモとシロは取れた魚を食べている。
生魚ではない。タマモがそこらに落ちている燃えるものに
狐火を使って焼いて食べている。
「おいしいのに食べないの横島?」
「そうでござるよ先生、せっかく拙者が川に入り取ってきたのに」
シロは先程の自分の言葉を実行させたのだ。
川はそう深いという程ではなかったため、川に潜るといったことは
しなくてすんだ。ばかみたくポンポン魚が取れたのだ。
「何故あんな方法であんなに取れるんや・・・俺は認めんぞ」
横島がそうポツリと言った時だった。
「!!来たぞ来たぞ!!」
「え!すごいじゃない!!すごい勢いでひいてる!!」
「大物でござるな!先生!拙者にも少しわけてほしいでござる!」
タマモが魚を銜えながら近寄ってきた。シロもまたタマモと同様に
魚を銜えながら」
「これは俺んだ!
横島は叫ぶ。
「絶対に逃がさんぞ〜!!」
それは組織を抜け出した裏切り者を探しだすかのような口調だった。
「でや〜!!」

「・・・拙者やっぱいらんでござる・・・」
「私もいらない、横島が全部食べるといいよ、ねっ!ねっ!」
「いや〜!やっぱこんな大物なんだしみんなで食べよう!そうしよう!」
横島が釣ったもの、それはたいやきの形をした大亀程の大きさをした
魚だった。大物である。それもとびっきりの・・・
食いがいあるのは間違いない、そんな魚だった。
ただ、この魚に問題があるとすれば人間の手足がついていることだった。
「こんなもん食えるか〜!!」
横島の叫びがいつのまにか夜になっていた空間にこだましたのだった。

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