ザ・グレート・展開予測ショー

(偽)ルシオラ IN もし星が神ならば!(その3)


投稿者名:湖畔のスナフキン
投稿日時:(03/ 5/10)

『(偽)ルシオラ IN もし星が神ならば!』 (その3)


※ハルカさんの『ルシオラ IN 〜』シリーズの便乗作品です。ハルカさんの作品と間違えないように(偽)を付け加えています。



 織姫の一撃を受け床に倒れていた彦星が、むくりと起き上がった。
 織姫と横島を追って、一階へと下りていく。

 バンッ!

 ガレージのシャッターをぶち破り、横島と織姫の乗ったACコブラ(※)が路上へと飛び出した。

 スタタタタタタ……

 彦星がコブラの後を走って追いかける。

 ガシッ!

 彦星は驚異的な速度でコブラに追いつくと、腕を伸ばしてコブラのトランクの取っ手を掴んだ。

「運転せい!」
「は、はい!」

 織姫は助手席にいた横島を運転席に押し込むと、懐から斧を取り出した。

「どすこーーい!」

 織姫はトランクを掴んでいた彦星の両手を、斧で叩き切る。

「ぐわっ!」

 ゴロゴロゴロ

 腕を切られた彦星は、そのまま道路の上を転がっていった。

「ちょ、ちょっとアンタ、大丈夫?」

 後から追いかけてきた美神が、彦星に声をかける。
 彦星は何事もなかったかのように起き上がると、切り離された手首を呼び戻し腕にくっつけたが──

「に、逃げられちゃいました」

 彦星は滝のような涙を流した。



 美神たちはいったん事務所へと戻ると、彦星から詳しい話を聞くことにした。

「実をいうと、この何百年か織姫は浮気のし通しなのです。会えるのは年に一度でも、我らが恋仲になってから何億年もたっているので倦怠期になったと言って……」
「ま、まだ大丈夫よ。一緒に探してあげるから」
「でもその間に何かあったら、同じことじゃないですか! 二人きりなんですよ、二人っきり!」

 彦星は真剣な表情で、美神に訴える。

「よ、横島さん、あれでけっこう腕が立ちますから……」
「いくら神族相手でも、ヨコシマがそうむざむざと手ごめにされることはないと思いますが──」
「あります! なぜならわれわれ天星神族には──」


「許してー! 降ろしてー!」
「そう騒ぐでない、ダーリン。せっかくの夜を楽しもうぞ」
「い、言っとくがGSは魔物の餌食にはならんからなっ。俺に指一本でも触れれば──」

 だがそういう横島は、全身をガタガタとふるわせ、冷や汗を流していた。

「心配せずとも、そちもすぐに気が変わる。なぜならわれわれ天星神族には──」

 織姫の姿がゆらりと霞み、別の姿に変貌をはじめる。

「変身能力があるからな♪」

 変化した織姫は、ルシオラの姿をとっていた。


(続く)

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