ザ・グレート・展開予測ショー

とら、トラ、虎!13) 続・高校生日記!!(後編)


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 5/ 9)


■神御呂地高校 音楽室■
タイガー・水樹・早苗の3人は、音楽室に住み着いた学校妖怪メゾピアノと対峙していた。

《 ・・・・・・ピートクンを呼ぶだと? 》
「 これはもう一度ピートさんに、ピアノを弾いてもらうしかないノー。 」
《 ま、まってくれ! それだけはやめてほしい。 あいつの弾く音は聞くに耐えかねん!  》
「 それじゃあ、授業中はピアノを弾かないと約束するんジャ! 」
《 むう。 》

悩むメゾピアノ。 そこに水樹がタイガーにピートについて質問した。

「 ねえ、そのピートって人の音、そんなにひどいの? 」
「 ああ、あれは一種の才能じゃな。
  どのくらいすごいかっていうと、校舎の窓ガラスが全部割れるぐらい破壊的な音なんジャ。 」
「 ・・・・・・それはすごいわね。(汗)」
『 ピートって、どこかで聞いた名前だべな・・・・・・どこだっけ? 』
《 う、しかし、それでは僕の〈弾きたい〉という衝動が! 》
「 そんなに弾きたいのなら、ここの音楽の先生になるっていうのは? 」
「 なにいってるだ水樹ちゃん! わたすこいつに習うのだけはいやだ! 」
《 悪い話ではないが、普通の人間に僕の姿は見えない。
  霊力を持つ君たちでさえ、テレパシーを使わなければ僕の姿を目視出来なかったんだろ?  》
「 うーん、要は霊力が低いから、見えないんでしょ。
  なんらかの方法で、霊力を流しこんで増幅させればいいんじゃない? 」

ぴくっ
水樹の提案に早苗が反応する。

「 それー、わたすできるべ。 」
「 えっ!? 」
「 1年ぐらい前かな、わたすの体を通してなら、霊力を増幅できるようになったんだ。
  人の目に見えるくらいになら簡単だけんど・・・・・・ 」
「 それじゃあー! 」
「 でもわたす、そいつが教師になるのは我慢ならねー!
  どーすてもって言うんなら、今までの無礼の数々、土下座して謝れ!! 」
《 僕にもプライドがある。 そこまでして教師になるつもりはないね。 》

そっぽを向いてしまう2人。困るタイガーと水樹。

「 う〜ん、いいアイディアと思ったんだけどな。 」
「 早苗サン、なんとかならんかノー。 」

早苗に懇願する水樹とタイガー。

「 はあ、仕方ねえべな。このままじゃあ授業にならんし。 」
「 早苗サン! 」
「 さあ、さっさとわたすの身体にのり移ってけろ。 」
ぽんっ
《 僕はどちらかというと、こちらのお嬢サンのほうがいいのだが。 》 

そういうと、メゾピアノは両手を水樹の肩をおいた。

《 早苗クンの魂は騒がしすぎる。 》
「 なんやとコラー! ほんまに成仏させちゃるーー!! 」
「 早苗姉ちゃん落ち着いてー!! 」
「 メゾピアノさんも、これ以上早苗さんを刺激せんでクレー!! 」

爆発寸前の早苗をなだめる水樹とタイガー。

《 ふう、しょうがない。 水樹クンに免じて、100歩ゆずってのり移ってやろうではないか。 》
「 わたすは1000歩ゆずってのり移らしてやるべ! 」

早苗は口元をヒクヒクさせながら、了解した。





そしてメゾピアノは早苗の身体にのり移り、早苗の肉体を通して大量の霊力エネルギーを流しこんでもらったあと、再び早苗の身体を離れた。




《 ほう、これはすごい。まるで300年妖怪をやってきたかのような力だ。 》

メゾピアノは自分の両手を見て、力がみなぎる感覚を感じている。

「 すごい! 私にもはっきりみえる! これなら、霊力をもたない人でも見ることができるわ! 」
《 ふっ、早苗クン、ちょっとだけ君に敬意をはらうよ。 》
「 たっぷりと敬意をはらってけれ。」
《 しかし、早苗クンの霊力を流しこまれたということは、
  僕と早苗クンは血のつながった兄妹より深い関係となったわけだ。
  まーいしすたー! これからは僕のことを「お兄さま」と呼ぶがいい! 》
「 不気味なこと言ってんでねえ!!
  なにが「まいしすたー」で「お兄さま」だあー!! 成仏させてやる! いますぐ祓ってやるーー!!  」

どたどたどたっ
早苗はお札を持って、音楽室の中でメゾピアノを追い掛け回していた。

《 はっはっは。 なにを照れているんだい、まいしすたー。
  キミとボクは一心同体少女隊! 僕たちはからだを1つにした仲ではないか。  》
「 誤解を招くようなこと言うんでねえー!! 」

おいかけっこをしている2人をみていた、タイガーと水樹は・・・・

「 2人とも楽しそうジャノー。 」
「 楽しがってるのはメゾピアノだけだと思うけど。 」



                            ◆



その後水樹は、校長先生や音楽の先生を含む教師達数人を呼んできた。

「 よろしい! 採用決定! 」
「 ちょっと校長先生! そんな簡単に決めていいんだべか!? 」
「 妖怪の教師なんてレアではないか。
  これを期に、もっと妖怪を雇って、うちの高校をアピールするんだ!
  そうすれば生徒も増え、資金もがっぽがっぽ・・・・・・グフフフフ。 」
「 妖怪学校にするつもりだべか? 」
「 大丈夫カノ、この校長。」
「 っていうか、ここ私立なの? 」
 
校長の言動に不信がるタイガー達。 そこに音楽の先生がメゾピアノに訪ねた。

「 それでメゾピアノさん、あなたのお名前は? 」
「 だから、【メゾピアノ】じゃろ? 」
《 失敬な! 僕にもちゃんとした名前がある! 》
「 どんな? 」

《 僕の本名は【ピエール・ザ・フランソワーズ・ラズベリーエッセンシャル・
   シャイニング・エレガントフェィス・ブリリアント・アレクサンドロス・
   ビューティフルスマイル・13世・エクセレント・ネバーセイ・ネバー――】》
さらっ
「 それじゃあ、【メゾピー】に決定な! 」

《 ちょ、ちょっとまってくれ早苗クン! 僕はまだ自己紹介の途中だぞ!   》
「 そったら長い名前につきあってられるか! なにが【びゅーてふるすまいる】だ!! 」
《 しかしそれではあまりにも教師としての威厳が! 》
「 それでは【メゾピー先生】、後を頼みましたよ。 」
「【メゾピー先生】、鍵はきちんと閉めてくださいね。 」

校長先生と音楽の先生はそう言うと、音楽室を出ていった。

《 いや、あの、僕の名前はピエール・・・・・・ 》
「 ふふふ、【メゾピー】に決まりだな。 」

先ほどまで散々からかわれていたため、立場が逆転して、嬉しそうな早苗であった。

「 いいじゃない。【メゾピー先生】って、親しみやすくて。 私は好きよ。 」
《 うむ・・・・・・まあ、水樹クンがそういうのなら仕方ない。 》
「 じゃ決まりね。」
「 へえ〜、水樹ちゃんの言うことならきくんだべなー。 」
ぼそっ
「 早苗サン、ヤキモチカイノー。 」
「 !! 」

タイガーの呟きに反応する早苗。

「 だれがだれにヤキモチをやいただと〜〜〜!!(怒)」
「 す、すまんですジャーーー!!(泣)」

タイガーに詰めよる早苗であった。
そして本日ここ神御呂地高校に、2人の転校生と1人の妖怪教師が誕生したのであった。



                            ◆


■学校の帰り道■
その後、タイガー、早苗、水樹の3人は、バス停まで一緒に帰っていた。

「 えっ!?それじゃあ、早苗サンはおキヌちゃんのお姉さんじゃったんかー! 」
「 そう、私もしばらく気づかなかったんだけど、たまたまおキヌさんと話してみたらそのことがわかってね。
  クラスは違ったけど、同じ神道系だし、出身地も同じだしね。 」
「 そうかー、ワシもどこかで聞いたことがあるなーって思っとったんじゃが。
  あ、それならワシのことはおキヌちゃんからなんか聞いてないかノー。 」
「 んや、まったく。
  わたすが知っているのは、美神横島シロタマモ鈴女人工幽霊一号唐巣ピートカオスマリア西条エミ冥子鬼道雪之丞弓一文字厄珍隊長ひのめ魔鈴浪人さんユリ子小鳩貧乏神愛子小竜姫ヒャクメワルキューレジークフリードべスパルシオラパピリオメドーサアシュタロスグレムリン――― 」
「 ・・・・・・もうええ。
  ナゼジャアーおキヌちゃんー!!
  敵キャラや1話しかでてこん奴の名前が出てきて、なしてワシの名前がでてこんのジャー!!
  声か、るっくすか! ワシの影が薄いからかー!!(泣)」

わめくタイガー。

「 早苗姉ちゃん! 」
「 い、いや、聞いたことはあると思うんだけんど、どういう人なのかまでは・・・・・・ 」

ごにょごにょごにょ・・・・・・
水樹と早苗はひそひそ話をしていた。

「 あー思い出しただ! アシュタロスと戦ったとき、全戦艦に幻覚を見せたんだってな! 」
ぴたっ
「 そ、そうジャ。 」
「 ちゃんとおキヌちゃんからきいてるべ。 いざというときに役に立つ、心優しい人だって! 」
「 ま・・・・・・まあそうなんじゃけんどもな。 いや、あははははは♪ 」

すっかり機嫌を取り戻すタイガー。 一方、早苗と水樹は・・・・・・

『 単純な男でよかったな。 』
『 う・・・・・・うん。 』

こうしてタイガーの転校1日目が終わったのである。



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