ザ・グレート・展開予測ショー

The Longest Day(その1)


投稿者名:炎天座
投稿日時:(03/ 5/ 8)

人生においては、その人の運命を大きく変える瞬間というものが存在する、あとから考えてみれば、それはほんの些細なことかもしれない。
ただ、その些細なことを見逃していなければ運命は変わっていたかもしれないのだ。

 The Longest Day(その1)

「横島、最近よく授業に出てるけど、バイトは止めたのか?」
5時限目の授業も終わり、帰り支度をはじめた横島に級友が声をかける。

そう、彼ももう高校3年であり、将来の進路を(さすがに)真面目に考える時期が来ているのである。
本人は、卒業後は(美神の許可が出れば)正式なGSとなり(美神がまともに給料を払ってくれるなら)バリバリ稼ぎ・・・
などと考えているので、別に高校などどうでも良いと思ってはいるのだが・・・

「いや〜さすがに卒業できんとなるとオフクロに殺されかねんし」
そう、勝手に中退なんぞした日には・・・というわけで、3年となった今では、以前に比べ授業にまともに顔を出す日が増えているのである。


・・・しかし、今日は事務所に顔を出さねばならん、何故なら今日は俺の18歳の誕生日、18歳といえば今までコソコソと借りていたビデオや,
レジに出すのをためらっていた本も堂々と買って全然OK、いや、それだけじゃないそれ以上のことを行っても国家がその権利を保障するのだ!
(※高校生はそーゆーことをしてはいけません)・・・いや、そーいうことは置いといて、事務所にいけばオキヌちゃんがきっとごちそーを、
「横島さん?」
・・・あ、でも今はシロがいるから全部肉料理?いやそれだけでなくプレゼントとか、そう、オキヌちゃんやシロだけでなく、最近は俺のことを
認めてくれている(と思う)美神さん、「横島君、あなたももう大人なんだね・・・私からのプレゼント、そう私があなたをオ・ト・ナに・・・」
「横島さん!」
「・・・へ、あ、ピート???」
「横島さんて今日が誕生日なんですか?」
「へ、俺また・・・・」
「・・・・・・・・・」
「どうです、これから一緒に食事でもしませんか、おごりますよ」
「え?」
「この前、除霊したお客さんがすごく感謝してくれてたくさんお礼をくれたんですよ、先生はお断りしたんですが、是非ともということで・・・
 それで僕にも、たまには友人との付き合いにも必要だろうとお小遣いをいただいたので・・・」
「ピート、お前ってやつは・・・唐巣神父も・・・・・・」

いろんな意味で自分の雇い主との比較をしてしまう横島である。
最近、時給は「普通の高校生のバイト並」ぐらいにはあがっているのではあるが、バイトの時間自体が減っているため、
貧乏自体は全然解消されていないのである。
まあ、上がったと言っても最近の働きに対しての正当な評価とはほど遠いものであるのだが。

「ワ、ワッシもご一緒させてもらってよろしいいですかいの〜」
「ああ、タイガー、じゃあ一緒に」

いつしか下校時の喧騒も収まり生徒たちは家路についた。
人気のなくなった校庭にゆらりと陽炎がたち、美しい少女の姿が現れる・・・

「・・・クロウ、どうぞ・・・こちらフォックス、バットがターゲット2に接触しました。」
「・・・こちらクロウ、了解。マザー1とマザー2は既に合流し、ターゲット1に向かっている。
 ターゲット2はバットとこちらで対応する、フォックスは次のミッションにかかってくれたまえ。」
「・・・で、タイガーも一緒なんだけど、どーするの」
「・・・彼についてはどうとでもなるだろう、気にすることはない・・・」
「・・・フォックス了解・・・・」

やや生意気な面持ちの中学生といった様子の美少女は携帯をしまい、ため息をつきつつつぶやいた・・・
「このダサイコードネームは誰の趣味なのよ?」
そして、足早にその場を去っていった。

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