ザ・グレート・展開予測ショー

10年後・・・・奥さんは誰だっ!?(中編)


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(03/ 5/ 8)

“現在、サンシャイン60の悪霊占拠事件から
 30時間余りが経過しようとしています―――――・・・”


雪ノ丞はヘリコプターの中でただ一人戦友のことを考える。
――――――その戦友を再び戦場に立たせる為に。


“そんな中、現場を見守る観衆の人々から
 あの英雄と呼ばれた伝説のGSの名前がコールされています!!!!”


ヘリコプターは東京から少し離れた片田舎にある1件の貸し別荘の前に着陸する。



その貸し別荘――――以前にアシュタロスが所有し
美神美智恵やヒャクメの目さえも欺いた秘密基地でもあった場所だ。
また、横島忠夫がまだ無名だった10年前、
星降るような満天の星空の下で
最愛の女性の為に闘う事を誓った場所として有名な場所でもある。

今は横島忠夫の事務所兼別荘として使われている。



「横島―――――」

横島忠夫を説得するため、後ろから声をかける雪ノ丞。
そこで雪ノ丞が見たものは・・・・・










「蛍ちゃん・・・・・・
 もう、絶対嫁にはやらーーーーーーん!!!!」

自分の愛娘の蛍ちゃん(7ヶ月)にトロトロにとろけている横島クンの姿でした。



「おい、横島・・・・・」

「うおおおおーーーーー!!!!
 蛍ちゃんのこのホッぺ・・・
 嫁にはやらん!!絶対にやらへんでーーーーーーー!!!!」

雪ノ丞に声をかけられたことに気付かないほどトロトロな横島クン。
愛娘への愛は相当強いようである。




ゲシッ



雪ノ丞のかかとが横島クンの頭に突き刺さった。

「おい、横島・・・・!」

「おう!!雪ノ丞か!?
 見てくれよ。蛍ちゃん大きくなっただろーーーーーー!!??
 これで『将来はパパのような人と結婚したいなあ。』なんて言われたら・・・・
 俺は・・・・俺はぁーーーーーーーーー!!!!!!」

頭から血を流しながらも愛娘のかわいらしさを力説する横島クン。
かなりの重症である。



「おいっ!!いいかげんにしろ!!!!
 てめぇ・・・・わざと話を誤魔化そうとしてるだろ!?」

「・・・・・ったく。
 その制服、例のオカルトGメンと民間GSのプロジェクトチームのもんだろ?
 またかよ!?何度目だと思ってんだよ!?!?
 俺は今、育児休暇中なの!!
 だいたい俺は第一線から退いたんだ。
 これからは可愛い蛍ちゃんのためにも危険な事はしないの!!!!」

ついに怒りが頂点に達した雪ノ丞に追求された横島クンが逆ギレする。
それもそのはずだ。
愛娘の蛍ちゃんの為に危険な事はしないとプロジェクトチームの参加を断り、
最近は一般のGSの仕事も休んでいるにもかかわらず
ありとあらゆる所から仕事のオファーが舞い込んでくる。
もちろんできる限りは断っているのだが
六道家や美神美智恵といった
昔からの知り合いが持ってくるものや緊急を要する仕事もある。
もちろんプロジェクトチームからの仕事も初めてではない。今回で3回目だ。

当然ながらそういう仕事は危険度が高く命賭けのものばかりなのだ。


「・・・・・頼む!!
 また何も言わずについてきてくれっ!!!!
 お前を必要としている人達が待ってるんだ!!!!」

「――――――――・・・・!!!!」


ここで断れるのならば横島クンではない。












「唐巣神父、また蛍の事を頼みます。
 ・・・・・はい。何度もすいません。
 また仕事が入りまして・・・・・お願いします。」

電話で唐巣神父に留守の間、蛍ちゃんの世話をお願いする横島クンだった。
唐巣神父は今では日本GS協会の会長に就任している。
GS協会の会長として、聖職者として多忙な日々を送っているのだが
横島クンに緊急の仕事が舞い込むたびに
蛍ちゃんの世話をみてくれるすばらしい人格者だ。

数分もするとあらかじめ横島クンが渡しておいた『移』の文珠を使って
唐巣神父が転移してきてくれた。

「すいません、唐巣神父。
 蛍の事をよろしくお願いします。」

「ははは、これくらいどうってこと無いさ。
 それより君の最愛の奥さんはどうしたんだい?」

「アイツならもうすぐ仕事から帰ってきますよ。
 今日は学会の発表があるとかで少し帰りが遅いんです。
 ・・・・・蛍ちゃん〜〜
 ちょっとだけ待っててね〜〜・・・・・
 パパ、すぐに飛んで帰ってくるからね〜〜」

唐巣神父にお礼を言うときでさえ蛍ちゃんにほおずりする横島クン。
ヘリコプターで事務所を離れるときにさえ窓に張りついて
蛍ちゃんのことを叫びつづけていた。




(ヘリコプターの中)

「おいっ!雪ノ丞!!!!
 もし俺がいない間に蛍ちゃんがコトバ、しゃべったり
 たっちしたら一生呪ってやるからなっ!!
 文珠に『呪』って本当に使ってやる!!!!」

「するわけあるかっ!!
 まだ7ヶ月だろうが!?」


ヘリコプターの中は賑やかだった。

二人は知っているのだ。
これから向かう戦場の過酷さを。
こんなバカをやってられるのは――――――今しかないことを。




GSの除霊現場――――そこは何が起こるか分からない領域。
今そこに男達が舞い降りる!!!!


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