ザ・グレート・展開予測ショー

(偽)ルシオラ IN もし星が神ならば!(その2)


投稿者名:湖畔のスナフキン
投稿日時:(03/ 5/ 7)

『(偽)ルシオラ IN もし星が神ならば!』 (その2)


※ハルカさんの『ルシオラ IN 〜』シリーズの便乗作品です。ハルカさんの作品と間違えないように(偽)を付け加えています。



 バリッ! バリバリバリバリ……

「横島さんの短冊が……」
「共鳴している!? まさか──」

 カッ!

 笹が閃光を発した。

「ウワッ!」
「キャー!」

 シュウシュウシュウ……

 しばらくして閃光がおさまると、部屋の中央にしゃがんで顔を伏せている一人の女性が出現していた。

「ま、まさか、俺の願いが星に届いたのか! ひょっとして宇宙から美女の出前が──」

 しかし横島の淡い期待もそこまでであった。
 ムクリと起き上がったその女性の身長は、二メートルを越えていた。
 プロレスラー並のごつい体格で、いかつい顔つきをしている。
 さらに周囲からは“ふしゅーふしゅるるー”と妖怪に近い効果音が発せられている。

(な、なんか、昔会った女華姫さまにそっくり!)

 そういう感想をもったのは、おキヌである。

「おぬしじゃな、わらわを呼び寄せたのは」

 女が横島の襟(えり)をグッと掴んだ。

「ヨコチマ!」

 パピリオが飛びかかろうとする。

「待って、パピリオ! あいつかなりの霊力があるわ。うかつに手を出すと危険よ!」
「ルシオラの言うとうりだわ。それにあなたたちが直接神族に手を出すと、デタントの関係であとあと厄介なことに──」

 美神とルシオラが、パピリオを引き止める。

「短冊に込めたそなたの念、しかと受けとめた。願いを叶えてつかわそうぞ」

 巨大な体の女が襟首を掴んだまま、横島の体を持ち上げる。

「ちょ、ちょっと待て! その前にあんた誰!?」
「我が名は……織姫!」

 ズシャーーッ!

 織姫に襟首を掴まれた横島を除き、いっせいにずっこける。

「望みどうり、わらわと情熱的な一夜を。今宵そなたは、わらわのダーリンじゃ」
「どこの世界に、こんな織姫がいるんじゃ〜〜。話がちがう〜〜!」

 バチッ! バチバチバチ!

 笹が再び発光し始めた。織姫がすかさず背後を振り向く。

「また浮気か、織姫! 年に一度の逢瀬の日だというのに──」

 発光した笹から、一人の男が現れた。おおよそ30歳ほどの年齢に見える。

「女好きの男を見つけては、人間界で浮気……今年こそは許さん!」
「ちっ、彦星か。そちの顔は見飽きたわ! わらわは刺激が欲しいのじゃ!」

 織姫が左手を伸ばして構える。

「むっ!」

 特大の霊波砲が、彦星を直撃した。彦星は背中から床に叩き付けられてしまう。
 霊波砲の余波は、そのまま壁と事務所の結界に大穴を開けた。

「おいっ、スピードの速い乗り物はあるか? かけおちじゃ!」
「な、なんで俺が──! 乗り物なんか知らねえ!」
「ふんっ!」

 織姫は床を拳で殴りつけた。

 ボコッ!

 床に一階へと続く大穴が開く。

「もう一度聞く。乗り物は?」
「ガレージにコブラがあります!」

 横島は既に、半分泣きが入っていた。


(続く)

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