ザ・グレート・展開予測ショー

とら、トラ、虎! 7) 六女ショートストーリー


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 5/ 5)


今回は六女(六道女学院)女生徒のショートストーリー3本です。



          ◆ その1 エミ派? 美神派? ◆


エミはタイガーの件により、六女の呪術の講師をやることとなった。

「 エミ先生、おはようございます! 」
「 おはよう。 」
「 エミおねーサマ、おはようございます。 」
「 おはよう。 」

廊下をさっそうと歩くエミに次々と挨拶をかける生徒達。
そんな中、柱の影からエミをみつめ、エミを慕う熱狂的な女生徒であるG組の霊体触手の使い手、夆仙香がいた。

『 ああっ、素敵だわ! おねーさまが講師をしてくださるなんて! 』

同じクラスの亜美と水樹が来る。

「 なにやってんの仙香。 」
「 仙香ったらエミさんのこととなると、いっつもこの調子だから。 」
「 あ、あたりまえよ! エミ様の実力は実質GS界NO.1なんですから! 」

とそこに、弓、一文字、おキヌがやってくる。

「 ちょっと聞き捨てなりませんわね、仙香さん。 」
「 かおり! 」
「 GS界NO.1は美神おねーさまに決まっているでしょ! なんたって、GS長者番付1位なんですもの! 」
「 フン! 金を稼げばいいってもんじゃないわよ! 脱税でもしてるんじゃない!? 」
「 なんですって〜! 」
「 なによ〜! 」

ばちばちとにらみ合う2人。 仙香は弓に向かって指差した。

「 かおり! こうなったら放課後試合で勝負よ! 」
「 望むところですわ! 」

「 あいつらいっつも些細なことで勝負するなー。 実は仲いいんじゃないのか? 」
「 なんかこの2人の関係、美神さんとエミさんに似てる……。 」

一文字とおキヌは、そんなことを考えていた。






          ◆ その2 モテモテ小町 ◆


2年A組紫小町17歳。
戦闘霊衣は着物、武器は扇。
着物を着て戦う端正な顔立ちに女性からのファンが多い。

「 センパイ! あの〜これ、受けとってください! 」
『 は、ハートマークの手紙?(汗)』
「 きゃ――っ!! 」

手渡した女生徒は走っていってしまった。
そこに同じクラスの仮面少女、月白昴がやってきた。

「 あいかわらずもてるな、女に。 」
「 女性にもてたってうれしくないわよ! 」
「 私を見ろ。 下級生なんてよりもしない。 」
「 あんたは四六時中“ファントムの仮面”つけてるからでしょ!! 知らない人が見たら不気味よ! 」
「 いやー、これまた落ちつくのよ。 うふふふふ♪ 」
「 仮面マニア………(汗) 
  とにかく、この女子高という空間は歪んでいるわ! いくら私が男顔だからって、女が女に……! 」

とそこに別の下級生が弁当をもってくる。

「 先輩! これ、食べてください! 」
「 ……………あのさー 」
「 はい! なんでしょう!? 」
「 私のどこがいいの? 」
「 はい! かっこいいし、男装の麗人みたいで素敵だからです! きゃ〜言っちゃったー! 」

すたたたたっ
下級生は走り去っていった。

わなわな……
「 着物着て戦うこの私が、オトコらしい…………!? 」
「 小町、落ち着け。 」
「 すばる! そのお面を貸せ! 私も顔を隠す! 」
「 うわっ! や、やめろ小町! この仮面だけは堪忍して〜〜〜! 」

嫌がる昴をおいかける小町。 彼……いや、彼女の女難はつづく………………






          ◆ その3 キョンシーの憂鬱(ゆううつ) ◆


ここは女子寮の315号室、2年D組桂木春華と聖羅の部屋。
春華の持ち霊、式鬼神(しきがみ)キョンシー4鬼プラス1鬼の会話である。

『 はあ〜 』
『 どないしたんや、イー。 』
『 いやな、最近疲れがたまってなー 』
『 最近、よう呼び出されとったからな。 』
『 だいたいあのオンナ、わしらをこきつかいすぎなんじゃ。 』
『 そうやなー、戦いの時以外でも呼び出しおるからな。 』
『 そやそや。 この前なんか、お茶くみだけに呼ばれたし。 』
『 わしはコンビニにパシリにつかーされた。 』
『 わてなんか宿題を手伝わされたんやで。 』
『 難儀やなー。 』
『 ほんまや。 』
『 そんなにひどいもんかなー? 』

話しに加わったのは5鬼めのキョンシー【ウー】である。

『 あんさんはまだ新人だからわからんやろーけどな。 』
『 えげつないで〜あのオンナは。 』
『 ぼく、この前ケーキもらったよ。 』
『 ウー、そんなん最初のうちだけやがな。 』
『 ……て、式鬼神がケーキもらってどうすんのや? 』
『 食べられないから春華さんにあげたけど。 』
『 ……おまえ、絶対だまされてるって。 』
『 あーあ、わて式鬼神やめたいなー。 』
『 おい、滅多なこと言わんほうがええぞ。 』
『 そや、わてらはあのオンナの力がないと現世に存在できんのやからな。 』
『 でも去年のクラス対抗戦こと思い出してみい。 』
『 あれか………… 』
『 ああ、あれはひどかったからな。 』
『 ああ、悲惨やったな。 』
『 …………なにかあったの? 』
『 ウー、あんさんは知らんやろーけどな、あのオンナ、わてらの護符を日干しにしたんや。 』
『 えっ!? 』
『 丸1日中洗濯物と一緒に干されてな、干からびて死ぬとこやったんやで。 』
『 そやそや、ちょっと試合の時に相手方に協力したぐらいでな。 』
『 僕らはこれ以上死ねないと思うけど……。 』
『 わし、あん時の笛のねーちゃんの下につきたかったなー。 』
『 そやなー、やさしそうやったし。 』
『 けっこうかわいかったしなー。 』
『 それにくらべてあのオンナときたら……あーもう、もっとわてらを大事にしろっちゅーんじゃ! 』
『 あのオンナにとっちゃあ、わしらなんてどーでもええ存在なんかもしれんな。 』
『 確かに。 今日なんかわしらの護符をおいて学校にいっとるしのー。 』
『 式鬼神の護符ぐらいちゃんともっとけっちゅうーんじゃ。 』
ぼそっ
『 …………はあ、なんかしてやりたいな。 』
『 なんかって? 』
『 なんかよ。 あのオンナをギャフンと言わせるような…… 』
『 ギャフンとは言わないと思うぞ。 』
『 たとえだ、たとえ。 』
『 ……………… 』
『 ……………… 』
『 ……………… 』
『 ………………やるか? 』
『 ……もち! 』
『 異議なし! 』
『 徹底的にやな! 』
『 いいのかなあ…………。 』






……春華と聖羅帰宅。

「 ただいまー。 イー・アル・サン・スー・ウー、いま帰ったわよー。 」

『『『『  きたっ!!!!  』』』』

『 おかえりい、春華さん。 』
『 首を長くしてまっとったでー。 』

部屋の入り口で迎えるキョンシーたち。

「 今日はごめんねー、はい、これ。 」
『 な、なんや? 』

春華はキョンシー、一鬼一鬼にリボンのついた袋を手渡した。
式鬼神達が袋をあけると、5鬼おそろいの帽子がはいっていた。

『 春華さん、これは…… 』
「 いやー、GS試験の合格祝い、あんたたちとやってなかったしね。
  服でもプレゼントしようかと思ったんだけど、鬼霊の服って高くってさー、
  5鬼分そろえるともなると、帽子だけでやっとなのよ。 」
『 春華さん、僕………感動です! 』
「 あらあら、ウーったら、泣かなくたっていいのよ。 」

『『『『  …………………………  』』』』

困惑するイー・アル・サン・スー。

「 さあ、早く部屋にあがりましょ。 今日はキョンシー専用の食事も用意してきたんですから。 」
『『『 うわああああっ!!! 』』』
『 い、いまはあかん! 』
『 ちょ、ちょっとわてら、部屋をちらかしてしまったさかい! 』
「 え……? 」

聖羅を止める4鬼のキョンシー達。 その横で春華が部屋に入ろうとしていた。

すたすたすたっ
「 いいわよそれぐらい。 ちゃちゃっと片付けて、パーティーのしたくしましょ。 」
『『  あああっ!!  』』

がちゃっ
春華がキッチンから部屋に通じる扉をあけると…………



「  !!??   」








かさ……

ぽりぽり
『 ん? ジャマしてるぞ。 』










「   い、イヤあああああーーーーーーっ !!!!   」







ばたっ
気絶する聖羅。

部屋にはなんと数百匹ものゴキブリがうごめいていた!
その真ん中には、ポテトチップスを食べながらテレビを見ている人型のゴキブリがいた!







かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ

『 ここは気に入った。 この部屋を、人類制圧の拠点としてくれようぞ。 』

かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ
かさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさかさっ






こそこそこそこそ………
逃げようとする4鬼のキョンシー。
春華のバックには炎のオーラが出現し、メガネがあやしく光る。

ずごごごごごっ
「 ………まてい、きさまら。 」

『『『『 ひいっ! 』』』』


その後、キョンシーたちがどうなったのかは誰も知らない………………



     特別ゲスト : 15巻の人型ゴキブリと仲間たち


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