ザ・グレート・展開予測ショー

傷ばかりの天使!!(その2)


投稿者名:TAITAN
投稿日時:(03/ 5/ 4)

「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
ヨーロッパ中央部。
そこにあるハイウェイを、横島と西条が乗った車が走っていた。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
また無言。
かれこれ数時間前から、2人はまったく喋ってない。
言っておくが、決して暇だからでは無い。
2人は、お互いを嫌っているから喋らないのだ。多分。





「誘拐?」
「えぇ、ザンス王国の友好国で、ヨーロッパで唯一精霊石が採掘される国メタリア王国の王女である姉妹が誘拐されたの。」
「で、その姉妹の捜索を、我々に任されたのだ。」
「なんで俺たちが捜さなきゃならないんスか?」
「さっきも言ったけど、メタリア王国は、ヨーロッパで唯一精霊石が採掘される国なのよ。だから、その王国を操ることが出来たら・・・・。」
「なるほど、精霊石などを独占することが出来る!」
「その通りよ、横島クン。警察なので手に負えるモノじゃないわ。」
「だから俺たちに・・・・。」
「そういうコト。で、これがその誘拐された姉妹なんだけど・・・。」
美智恵は横島に、姉妹の写った写真を渡す。
「左側が姉のアリス・レア・メタリア王女。右側がリナ・ルア・メタリア王女よ。」
しかし、横島には聞こえていなかった。
白いドレスを身にまとった姉妹は、まるで天使のように美しかったからだ。
アリス王女は大人しそうな感じのする女性で、写真では、ニコリと笑っている、
いや、微笑んでいると言った方が正しいのかも知れない。
対するリナ王女は、活発的な感じのする女性、というより、少女であった。
写真では、アリス王女と対照的に、ニカリと明るい笑顔を見せている。
しかし、その笑顔以上に、姉妹は美しかった。
体の方も、綺麗なラインを描いており、まさに、絶世の美人と言えた。
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
興奮する横島。
「待っていてください!!この横島忠夫、命を懸けて、貴女方2人を、魔の手から救い出してあげます!!」
写真に向かってそう言い放つ横島。
美智恵はただ、溜め息をつくしかなかった。





ボンッ!
「「!」」
突然、車がパンクした。
「「・・・・・・。」」
互いの目を見る2人。
そして、2人は同時に言った。
「お前がやれ。」 「君がやれ。」
「「・・・・・・。」」
またしても沈黙が訪れる。
先に口を開いたのは、横島の方だった。
「最初はグーだからな。」
西条は、無言で頷く。
その後、2人はジャンケンを始めた。
最初はグー。
ジャンケンポン。
あいこでしょ。
あいこでしょ。
(中略)
結局、横島がタイヤを換えることとなった。
「正義は必ず勝つのだよ、横島クン。」
「何が正義だ。この女たらしが。」
ブツブツ文句を言いながら、横島はタイヤを換える。
数分後、やっとタイヤを換えた横島は、パンクしたタイヤを、車のトランクの中へと入れる。





その時であった。
横島たちの車の横を、黒い車が通っていった。
運転席と助手席になh、黒ずくめの男が乗っており、
後部座席には、メイド服を着た女性が寝かされていた。
「・・・・・・・。」
横島はトランクを閉め、車に乗り込む。
そして、ドアを閉めたと同時に、西条はアクセルを踏んだ。
ギャギャギャギャ!!
物凄いスピードで走る、横島たちの乗った車。
すぐに前方に、黒い車が見えた。
「横島クン、運転を頼む!」
「お、おい!何をする気だ?」
西条は、横島の言葉に答えず、窓から身を乗り出す。
慌ててハンドルを握る横島。
西条は、ホルスターから、拳銃を抜き出す。
ベレッタM93R。
西条は、その愛銃の焦点を、前の車のタイヤに合わせる。
そして、西条は引き金を引いた。
バララララッ!!
ベレッタから放たれた弾丸は、全て前の車の後輪タイヤに命中した。
ギャギャギャッ!!
ガシャーン!!
黒い車は、ガードレールに激突し、その動きを止めた。
横島たちは、黒い車に駆け寄る。
黒ずくめの男2人は気絶していた。
横島と西条は、2人で後部座席で眠っていたメイドを抱え、自分たちの車へと乗せ、その場を後にした。


続く

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