ザ・グレート・展開予測ショー

とら、トラ、虎! 5) 朝練少女


投稿者名:ヴァージニア
投稿日時:(03/ 5/ 4)


■人物紹介(1)■
今回ははじめに、クラス対抗戦に登場した、六道女学院女生徒12人を紹介します。
すべて、24巻の[バット・ガールズ!!]に登場する人物です。 今年のGS資格試験結果も詳細します。
B組のおキヌたちについては、皆さんご存知ですから、少し省略しています。
原作の1年後の設定ですが、クラスは変わっていません。
(名前のないキャラが多数のため、ほとんどオリジナルでつけさせていただいてます。
 今後の展開上どうしても必要なので、ご容赦ください。)


◆2年A組
紫 小町(むらさきこまち) : 扇使い : 3回戦敗退合格 : 着物を着た黒髪長髪の少女。
月白 昴(つきしろすばる) : ファントムの仮面 : 3回戦敗退合格 : 仮面の少女。
ミリー・雪野(ゆきの) : 能力不明 : 試験受けず : 出番どころかセリフすらなかった少女。


◆2年B組
一文字魔理 : ケンカ上等 : 3回戦敗退合格
弓 かおり : 弓式除霊術 : 準々決勝敗退合格
氷室キヌ : ネクロマンサー : 1回戦敗退


◆2年D組
桂木春華(かつらぎはるか) : 式鬼神使い : 4回戦敗退合格 : メガネをかけたキョンシー使い。
御剣洋子(みつるぎようこ) : オールマイティー : 準決勝敗退合格 : 唯一制服で戦った前髪の長い少女。
聖 聖羅(ひじりせいら) : 結界能力者 : 1回戦敗退 : 十字架を首から下げたショートカットの少女。


◆2年G組
峰 亜美(みねあみ) : 雷獣変化能力 : 3回戦敗退合格 : 迷彩系レオタードを着た金髪少女。
神野水樹(じんのみずき) : 心理攻撃 : 2回戦敗退 : 巫女服を着た黒髪長髪の少女。
夆 仙香(ほうせんか) : 霊体触手 : 準々決勝敗退合格 : 全身黒装束の弓のライバル。 今年の資格試験でタイガーを負かした相手。





ざっとこんな感じです。それでは本編どうぞ!



                ◆       ◆       ◆


10月下旬。


「 ハアハアハアハアッ 」


朝日の昇る頃、1人の少女がジャージを着て坂道を走っていた。


「 ん? 」


彼女の前に5、6歳の女の子の浮遊霊がいた。


「 どした? 」
《 ・・・・・さがしているの。 》
「 なにを? 」
《 ・・・おもいで。 》


そういうと女の子の幽霊は消えてしまった。
 


                        ◆



■六道女学院第二女子寮玄関前■
タイガーが女子寮に来て2週間が経った。


「 ただいまー。 」
「 おかえりですジャ、御剣サン! いつも早いですノー。 」
「 あんたもね。 」


タイガーは生ごみをゴミ捨て場に持っていくところだった。
そこにジャージを着た前髪の長い少女、D組の御剣洋子が帰ってきた。 


「 ワ、ワシも朝仕事がなかったら朝練したいんじゃがノー。 」
「 すればいいじゃん。 」
「 えっ? 」
「 あんた、強くなりにここに来たんやろ。 30分なり1時間なり、早く起きれば済むことやんか? 」
「 ・・・そ、そうジャノ・・・ 」
「 なんだったらうちもつきあっちゃるよ。 」
「 えっ!? 」
    ・
    ・
    ・
(泣)うるる
「 なぜ泣く? 」
「 い、いや、ここにきて一文字さん以外のおなごにやさしくされたの初めてで・・・ 」
『 やさしくしたつもりはないんやけど・・・ 』
「 わかりました!! 明日からお付き合いしますですジャ!! 」
「『大声で誤解されるようなことを言うなよ。』 ・・・まあいいか。 」




こうして翌日からタイガーは5時に起き、まだ薄暗いなか、洋子と共に朝練をはじめた。




ぜいぜいぜいぜいっ
「 み、みつるぎさん・・・まって・・ 」
「 ・・・まあ、こうなるとは思っとったけどな。 」


ランニング20分でばてるタイガー。


「 しゃーない。ここらでちょい休憩するか。 」


2人は川沿いの土手に座り込んだ。
東の空には日がのぼりかけていた。2人のほかにもランニングをしている少年や、犬の散歩をしている老人がいる。
しばらくだまっていた2人だが、やがて洋子が口を開く。


「 ・・・あんたどっちすきなん? 」
「 え? 」
「 エミさんと魔理。 」
かあっ
「 なっ・・!? わ、わしはそんな・・・・! 」
「 あ、無理していわんでええ。 ひまつぶしに聞いてみただけやから。 」
『 ・・・このおなご、わからん! 前髪で目え隠しとるし・・。 』
「 からだでかいな。 」
「 はあ・・・・・ 」
にこっ
「 肩に乗せてくんない? 」


タイガーは洋子を肩にのせてもちあげた。 26巻P151のように。


「 わ、たかーい!(喜)」
『 お、おなごがワシの肩に・・!! 』///


高さ3メートルの地点から辺りをみまわす洋子。


『 ま、前に一文字さんを乗せたことがあるんじゃが、あのときは夢中で・・ 』
どくんどくんどくん ///
『 い、いかん! 電気が!! 』
「 タイガー!! 」
「 はっ!? 」
「 この程度で心をみだしたら、あそこ(女子寮)でこの先やっていけんよ。 」
「 御剣さん・・・・・ 」
「 さ、このままあの坂道を登ってくれる? 」
「 あ、ああ。 」


タイガーは洋子を肩に担いだまま、坂道を登り始めた。
すれちがった人たちが不信がる様子をタイガーは気にしていたが、
洋子は気にすることなく高い視点からの風景を楽しんでいた。


・・・・・15分後、丘の上の小さな公園にたどりついた。


「 はあ、はあ、御剣サン、もういいじゃろか・・・ 」
「 うん。 ここらへんかな。 」


洋子はタイガーの肩から飛び降りた。


「 ふう、やればできるじゃん。 」
「 えっ? 」
「 じつは内心、ビリビリくるんじゃないかってヒヤヒヤしてたんよ。 」
「 それじゃあ御剣さん、ワシのために・・・ 」

『 ま、逆に電気がながれなかったってことは、
  うちにオンナを感じんかったってことで、ちと悲しい気もするけどな。・・・・・・ん? 』

「 ど、どうしたんですジャ? 」
「 ・・・・・・かすかに感じた。見られとるわ。
  あんた、テレパス(精神感応者)やろ? ちょっとこの辺の霊を呼んでくれん? 」
「 呼ぶって・・・なしてわざわざ・・・ 」
「 かるくでいいから。 」
「 わ、わかったですジャ。 」
ボッ
「 出てきんシャイ!! 」


タイガーは瞬間的にトラの獣人化に姿を変え、念波をとばした。
するとそこに、昨日会った女の子の浮遊霊が現れた。


「 このこは・・・ 」
「 昨日も会ったんよ。 ・・・・・思い出は見つかったの? 」


ふるふるっ 
少女は首を横にふった。


《 かたぐるま・・・ 》
「 えっ? 」
《 おとうさんの ・・・かたにのるの。 》
「 ・・・そうかー、タイガーやってやんなよ。 」
「 わ、ワシが!? 」


タイガーはその女の子の幽霊を肩に乗せて歩いた。
幽霊だけに、重さはまったく感じなかった。
しばらく少女は周りの景色を見回すと、やがて満足したかのように消えてしまった。


「 成仏したんカイノー。 」
「 きっとな。あのくらいの子の喜ぶことって、こんなことなんだろうな。
  うちらがやってたのを見て思いだしたんやろ、父親との思い出を。 」
「 御剣さんもそうじゃったんか? 」
「 ・・・うちは父親おらんね。 誰かの肩に乗ったんもあんたがはじめてよ。 」
「 そ、そうなんか・・・。 」
「 ・・・・・・・ 」
「 ・・・・・・・ 」

『 うう、なんかきまずいノー。 なんかしゃべらんと・・!(汗)』

「 で、でも御剣サンはすごいノー!
  ワシなんかさっきの子の幽霊なんて気づきもせんかったのに。 」
「 うちはそんなにすごくないよ。
  さっきの子も、前に会ったことがあるから気づいたんやしな。

「 そ、それでもさすが、GS試験で六女のなかではトップの、準決勝まで勝ち進んだだけはあるノー。 」
「 うちは仙香やかおりのように才能がないからな、特訓するしかないんよ。
  特殊な力も使えんし、武器も神通棍とお札だけや。
  試験もたまたま勝ち続けただけで、ホントは仙香やかおりのほうがずうっと強いわ。 」
「 ・・・・・・・ 」 


ばしっ
タイガーの背中をたたく。 


「 ま、がんばろな!
  うちらのような才能のない奴は、こうやって、努力せんとな! 」
「 御剣サン・・・! 」
「 洋子でええよ。うちも「寅吉」って呼ぶから。 」
「 え・・・!? 」
「 いやか? 」


洋子はタイガーを下から見上げるようにすると、前髪の隙間から片目を見せて、タイガーに微笑んだ。


かあっ
「 いや、あ、いや、そうじゃのうて、この町にきて「寅吉」って呼ばれたことなくて、
  その〜、みんな「タイガー」って呼んどったから・・・ 」
「 いいじゃん、うちは寅吉のほうが気に入ったよ。 」
「 そ、そうなんかの? 」
「 んじゃ、そろそろ戻ろっか、寅吉。 朝ごはん用意せんといかんのやろ? 」
「 あ、そうジャノ! 」 


こうして、タイガーの朝練1日目が終わった。
と、同時に、頼もしき朝練仲間もできたタイガーであった。



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