ザ・グレート・展開予測ショー

三つのパラグラフ


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(03/ 5/ 3)

第一話 家系略説
元々は皇室を魑魅魍魎から守る為に存在した一族であり、
霊能商売が認められた江戸時代でも京都に在住していた。
大政奉還(1868)後、皇室が東下にも家臣として付いて来た。
以降戦前までは皇室専属の御用人の長という地位であり、発言力は時の首相をも頭をなやませた。
昭和に入り、戦争論が持ち上がる中、最後まで抵抗をしたが、世論に負ける形で戦争時代突入へ参加した。
会戦と同時に身の保全か、皇室を守備する為に大本営(長野にある軍事基地)を築き、忠誠心は並々ならぬ物ではあった。
しかしながら、戦後財閥と同じく解体された。
それだけ皇室内でも発言力が有ったとされる。
以降、隠し財産を合法的に売却し、今現在東京でも一等地に居を構えている。
元来が防御の鉄人とも言える一族なので、我々が知るGSとは一線離れている。
攻撃的な能力が特に欠如しており、一族成人ではなんとか免許を所持をするが、
現場に立つことはほとんど皆無であった。
しかしながら、格式と以前の仕事が物を言う立場にある。
現在の霊能者協会では1990年代、2000年代と協会長を務め、
若手の育成や、霊的防御の指導、実践を無難にやりとげた事が言える。
かつてメドぅーサなる悪魔によってあわや協会滅亡かと思われた事があったが、
切り捨てる者は捨て、偶然であろうと免許を取得したものには許可するといった
大胆な行為により切り抜けた事がある。
又ある時、かのアシュタロス事変時では、攻撃を他人に任せたとはいえ、
重要文化財を霊能力を使い防御し、更には独自に『最高存在』を動かした形跡がある。
斯様に防御、謀略を得意とする一族であるが、
現在の協会長唐巣神父を後継に押すなど革新的な部分も出てきた。
富みに言えるのが、まだ学生ながら次代の長になるであろう、女の子の存在が大きい。
どうしても家系を鼻にかける所もあるが、実力、容姿とも優れていることには違いない。
更に保守的とはかけ離れ、やや好戦的ともとれるが、彼女の積極性は類まれなる素質を持っている。
三世院家、代79代目筆頭候補、三世院京華嬢である。


第二話 霊能開花
その男、否男の子といっても差し支えなかろう。
父親ゆずりの助兵衛ではあったが、弱きものをほっておけない性格でもある。
「は、離して下さい!」
と、いう現場に立ち会う。
違うクラスの同じ学年の女の子である。
どうも中学生の、かなり頭の螺子のいかれた連中に絡まれているらしい。
「何、いってンだよ。急にぶつかっといて、誤って済む話かぁ?」
「そうそう。そ、相応のしゃ、しゃ、謝罪ってのが必要だろーが」
と、小難しそうな言葉をつっかつっかえ言ってる二人組みである。
「で、ですから、誤ったじゃないですぁ〜」
腕を掴まれ逃げられない女の子である。
「あーあ、あいつら近所でも有名な馬鹿だぜ」
通りすがの、塾にでも通おうとしている中学生が零した。
正に的中で、不埒にも1人がしゃがみ。
「へっ、可愛いパンティーじゃないの」
スカートをめくるから性質が悪い。
「な、何するのよ!」
捲るならまだ可愛い物だが、下に引っ張ろうとしているからもう涙ぐむも仕方が無い。
そんな状況で、ボールが飛んでくる。
「いたっ、何しやがんだ!」
そこには、先ほど説明した助平な男の子が、
「はーんだ。悪いことかどうかぐらいは、子供でも判るって奴だ大体な」
「ンだよ?」
「スカートを下ろしたければホックを外さないとおちねぇーんだよ」
「んだって?なんでそんな事しってんだよ?」
「あぁ、俺には性悪なねーちゃんに、可愛い?妹がいるからだよ!」
いいながら蹴りをいれようとするが、体格の差がまだ物を言う年頃である。
ひょいと、上半身を交わされて中学生に胸倉を押されれば、倒れこむ所んだ。
「いって〜」
更にボディー目掛けて足を出す中学生の攻撃をごろりと、横に廻った上には、
「あっ!ピンク」
なんとも計算高い奴といえようか。
「この助平〜」
と、言いたいところだが、一応助けてくれそうなので、足の攻撃は免れた。
男の子が何か武器はないかと、背中(ランドセル)の端にある木の棒を手にした。
当初縦笛かと思われていた物が、縄跳びの先っぽのような物であることにすぐ気が付く。
その先から光り輝く筋が、霊力を具現化した物であることは間違いない。
この武器、大人でも負けるであろう。結果は語らずともである。
最後に。
「助けてくれてありがとう!」
と、女の子の方が早熟という言葉通り、軽い愛情行為により、更にパワーアップまでした男の子である。
「助けてくれてありがとう、忠志クン!」

母子会話
「ただいまー、お母さん」
キッチンで格闘中の母親に愛娘の声が聞こえる。
「おかえりー、幸恵どう?新しい学校は?」
「うん。とっても可愛いし、それに」
「それに?」
「ひーちゃんと一緒なのがうれしいかな!」
ひのめと同級生の江藤幸恵ちゃんの御帰宅風景である。
「そうね。でもあの子が六道ねぇ、やっぱ血筋かな?」
母親も彼女、ひのめが霊能力についてはそこそこ知っているらしい。
「ねぇ、お母さん、私もひーちゃんのおねーさんが強いってのはしってるんだけど」
ひーちゃんにその血はやっぱり薄いんじゃないかなぁ?と小声で話す。
「そう?」
「うーん、スポーツとか万能だけどね〜」
子供ながら腕を組み、親友の心配をする娘に目を細める母である。
「でもね。ひーちゃんのお姉さん、令子ちゃんだってそうだったのよ?」
「令子ちゃん?」
親友の友達ならいざ知らず、この業界でトップの、高校生から見ればおばさんにちゃんづけとは、と奇異に思う。
「あっ?言ってなかったけ?お母さんとひーちゃんのお姉さん、同級生だったのよ」
「あっ、そうだったんだね」
確かに母親と美神令子が友達である事は幾度か聞いたことがある。
「じゃあ、高校生の時もひーちゃんの尾お姉さんは強かったの?」
「それがね、そりゃ普通の人と比べたら強かったけど、GSしてはねぇ」
「駄目?って事なの?」
「そうね。でも急に強くなったのよ」
「ふーん」
「お母さんを助けようとしてね、そしたら霊力が出たんですって」
「じゃあ、あたしがピンチになったら出るかなぁ?」
「かもね。でもお母さん嫌よ、あなたが、悪魔に乗っ取られるなんて」
「わ、私だって嫌よ。お母さんの話だけでも怖いンだから」
かつてこの母は悪魔に身を乗っ取られそうになった事がある。
女子高生の割には古風な趣味で古美術アクセサリーに興味を持ち、一つ所持していた。
そのイヤリングが切欠である。
母親は既に結婚し姓が変わっている。江藤千穂、
かつて美神令子の親友である。

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